「私たちの着る服がない」とはシロガネーゼを生み出した名高い『VERY』の創刊号の表紙にデカデカと載っていたコピーで、それまで30代後半や40代の既婚者女性に高いファッション性を求めるような雑誌が不足していたことをよく表しているのだけど、時は1995年、安室奈美恵がトライミーと歌い、trfが時代はあなたに委ねてると歌っていた頃なので、10代になって間もない私としてはこの世は着たい服で溢れていて、もちろん『VERY』の精神性などとは程遠いところで楽しく生きていた。中学生のころから、本当におしゃれな子というのはすでに周囲にいて、そういう子が順当にオリーブ少女などとしてセンスを磨く一方、おしゃれじゃないけど若さとパワーに溢れるこちら大衆側としては、リセエンヌがお手本みたいなそんな細かいおしゃれ思考とはまた別のところで、安室奈美恵の衣装に近い形のものを109−②(当時)のSUZUTANなどを漁って見つけては、来たる高校時代に備えていたわけである。
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夜のオネエサン@文化系
夜のオネエサンが帰ってきた! 今度のオネエサンは文化系。映画やドラマ、本など、旬のエンタメを糸口に、半径1メートル圏内の恋愛・仕事話から人生の深淵まで、めくるめく文体で語り尽くします。
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