私もかつては旅行が好きだった。
のっけから過去形で始まるのは、旅行好きのフィンランド人夫と出会い、私と出会った時点で既に80カ国以上に上陸したことのあった相手には敵わないと思ったからだ。
訪れた国の数で負けるとかそういうんじゃなく、なんていうか旅行に対する情熱が違う。
こちとら長年日本で働いていて、年に数日しか取れない有給休暇をどうにか工面し海外に年1、2度行く程度。
対して相手は1ヶ月の夏休みに加えて数年働いたら10ヶ月休暇が取れる制度だの、ハブ空港の近くに住んでいる特権だのを利用して、年中飛び回っているのだ。
更に夫の場合、休暇まるまる全部を旅行に当てるものだから、旅行中にまた次の旅行の計画を立てて旅先のホテルの部屋にいながら航空券を予約したりもする。
それを共に旅行しながら目の当たりにして、この人尋常じゃないなと呆れ返り、気軽に旅行好きを名乗れなくなってしまったのである。
そんなこんなで結婚してから5年間ぐらいは既に次の旅行の航空券やフェリーの予約が取ってあるような状態だった。
このシリーズはそんな旅行好きな夫と、旅行を愛したのちに疲れた私と、途中で生まれてきてさらに夫に育休という翼を与えた子供たちをも巻き込んだ旅行記である。
それぞれの「行きたい国」「帰りたい国」論争
ここから先は会員限定のコンテンツです
- 無料!
- 今すぐ会員登録して続きを読む
- 会員の方はログインして続きをお楽しみください ログイン
フィンランドで暮らしてみた
気づけばフィンランド人と結婚して、ヘルシンキに暮らしてた! しかも子どもまで産んだ!
日本人の大好きな「かわいい北欧」。でも、その実態は?
暮らしてみて初めてわかった、フィンランドのちゃっかり賢く、ざっくり楽しい、意外な一面。
ゆるゆるまったり、マイペースにご紹介。
- バックナンバー
-
- 住めば都かフィンランド
- 外から見たらここが面白いよ、ジャパン
- フィンランドの「サ道」はゆるゆるがいい
- とにかく終わってほしかったハロウィン
- フィンランドの「牛離れ」問題
- きのこのためならえんやこら
- 人を信用しているからズッキーニもすくすく...
- 治安がいい国は「無人販売」がいいね
- マンネリ化するフィンランドの三大メニュー
- 行列や予約に無縁な「立ち寄り」博物館と美...
- フィンランドの推し活事情
- 推しがヘルシンキに帰ってきたらオタクはど...
- 短い夏をとことん長く楽しむフィンランド人
- 「明るいけれど夜」子供にそれは難しい
- フィンランドで泳ぐ、歩く、そしてまた泳ぐ
- フィンランドの野ウサギはカンガルーに似て...
- イースターに続出する「持続不可能なおもち...
- 爽やかな物乞いたちとチョコおばさん
- 幸福に「見える」国は実は幸福に「興味なし...
- あんまり盛り上がらない「女性の日」
- もっと見る