夜行列車に飛び乗って、と書いてしまうとロマンス逃避行のような、鼻の奥がムズムズしてくる変なスパイスがふりかかってしまうのだけれど、その年が明けたばかりのある冬の日、私と夫は夜行列車に乗り込んだ。ヘルシンキ発、ラップランド行き。
珍しくプラットフォームで駆けなくてもいいぐらいの時間帯に駅に着いたものの、慌ただしく飛び乗ったような気分になってしまったのは、電車のチケットを前日に予約したこと、日はすっかり暮れてあたりは真っ暗だったこと、そして何より自宅から駅まで乗って来た車をたった今乗り捨てるように後部車両に置いて来たからである。
ここから先は会員限定のコンテンツです
- 無料!
- 今すぐ会員登録して続きを読む
- 会員の方はログインして続きをお楽しみください ログイン
フィンランドで暮らしてみた
気づけばフィンランド人と結婚して、ヘルシンキに暮らしてた! しかも子どもまで産んだ!
日本人の大好きな「かわいい北欧」。でも、その実態は?
暮らしてみて初めてわかった、フィンランドのちゃっかり賢く、ざっくり楽しい、意外な一面。
ゆるゆるまったり、マイペースにご紹介。
- バックナンバー
-
- 住めば都かフィンランド
- 外から見たらここが面白いよ、ジャパン
- フィンランドの「サ道」はゆるゆるがいい
- とにかく終わってほしかったハロウィン
- フィンランドの「牛離れ」問題
- きのこのためならえんやこら
- 人を信用しているからズッキーニもすくすく...
- 治安がいい国は「無人販売」がいいね
- マンネリ化するフィンランドの三大メニュー
- 行列や予約に無縁な「立ち寄り」博物館と美...
- フィンランドの推し活事情
- 推しがヘルシンキに帰ってきたらオタクはど...
- 短い夏をとことん長く楽しむフィンランド人
- 「明るいけれど夜」子供にそれは難しい
- フィンランドで泳ぐ、歩く、そしてまた泳ぐ
- フィンランドの野ウサギはカンガルーに似て...
- イースターに続出する「持続不可能なおもち...
- 爽やかな物乞いたちとチョコおばさん
- 幸福に「見える」国は実は幸福に「興味なし...
- あんまり盛り上がらない「女性の日」
- もっと見る