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僕の不幸を短歌にしてみました(エッセイつき)

2021.08.21 公開 ポスト

日本で唯一の「芸人歌人」による自由律短歌の新連載。“だいたい31文字”で掴みます!岡本雄矢( 主に“トホホ短歌”を詠む「日本に(たぶん)ただ1人の歌人芸人」)

ちょっとせつなく、気づけばやたらと愛おしい。共感あり、笑いあり、感嘆ありの新連載。

北海道で活動する芸人・岡本雄矢さんの“短歌”と、それにまつわるミニエッセイは、何度噛んでも味が抜けない、魔法のチューインガムのようです。

“だいたい31文字”1本勝負、スタートです!

…と、その前に、自己紹介からまいりましょう。

*   *   *

はじめに ――僕の不幸を短歌にしてみました

はじめまして。「芸人歌人」の岡本雄矢といいます。スキンヘッドカメラというコンビを組んでいます。
芸人歌人? スキンヘッドカメラ? 聞いたことないな、別の記事に移動するか……と思ったあなた。ちょっと待ってください!
これは、 “不幸の手紙(不幸をお届けしちゃうやつ)”ならぬ、「あなたの不幸をちょっとずつ吸い取ってさしあげる連載」です。
この文章を最後まで読んでも、あなたになにかいいことが起こるとは言えませんが、ある人を笑顔にすることができます。そうです、僕です。

(写真:iStock.com/Thaninee)

僕は札幌で芸人をしながら、自由律短歌を作っています。
短歌っていうのは、国語の時間に習ったように、57577の31音でできてます。
ところが「自由律短歌」というのは、そのルールから解き放たれたもので、もっと自由に、定型に捉われずに作っていこうじゃないかというものなんです。僕が作っているのは、それです。
短歌を作る人のことを歌人と言いますので、僕は「芸人歌人」というわけです。おそらくそんなふうに名乗ってるのは、この世の中に僕だけです。

僕が何を短歌にしているのか。
ひたすら小さな不幸に見舞われる日々を、短歌にしています。
僕の生活には、なぜ自分だけこんな目に合うんだ、と思うようなことが頻繁に起こります。
生きるのって難しいなと、いつも思っています。
言いたいことが今日も言えなかったなと、昨日も思ったし、今日も思ったし、明日も思うでしょう。
そんなことを短歌にし続けていたら、ありがたいことに幻冬舎さんに見つけていただき、ここに文章を書かせてもらうことになりました。

これを読んでくれている人の中にも、自分は不運だな、不幸だなと思っている人がいるでしょう。でも大丈夫です。僕があなたよりも、小さな不幸にたくさん遭っているよと“だいたい31音”で証明してみせましょう。

なぜ自分ばかりがこんなつらい目に遭うのかと自信を失ってる人がいるでしょう。大丈夫。僕もあなたと同じようなつらい目に遭っていると、“ほぼ31音”で綴りましょう。

生きるのって難しいなあと思っている人がいるでしょう。大丈夫。僕も同じくらい難しい人生を生きていると、“31音前後”で語ってみせましょう。

あなたに明日笑ってもらうために、僕の不幸を短歌にしてみました。

(※8月23日に1首目をアップします)

*   *   *

新刊『センチメンタルに効くクスリ トホホは短歌で成仏させるの』に続き、
全員がサラダバーに行ってる時に全部のカバン見てる役割』が文庫に!
読めば読むほど、なぜか幸せな気持ちにしてくれる短歌&エッセイをお楽しみください。

 

関連書籍

岡本雄矢『センチメンタルに効くクスリ トホホは短歌で成仏させるの』

今日も世界の片隅で、ひとり膝を抱える僕とあなたのために。 不幸に愛された、トホホ名人……歌人芸人が身を切って綴る、“せつなさとおかしみ”、“短歌とエッセイ”のマリアージュ。

岡本雄矢『全員がサラダバーに行ってる時に全部のカバン見てる役割』

昨日もトホホ、今日もトホホ。憂鬱だらけの毎日も、短歌に詠めば何かが変わる!「あの数ある自転車の中でただ1台倒れているのがそう僕のです」「さっきまで順調だったレジの列 急にもたつきだす僕の前」「ものすごい数のハトが集まっているおじさんに人は集まらない」他、105首の短歌とエッセイで綴る、ほろ苦さとおかしみに満ちた愛すべき日々。

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僕の不幸を短歌にしてみました(エッセイつき)

著者は、主に”不幸短歌”を詠む「日本にただ1人(たぶん)の歌人芸人」。
よく失敗する、言いたいことが言えない、反論したくても返せない、なぜ自分だけこんな目に合うのかといつも思う、自分には劇的なことが起こってくれないと嘆いて生きている……。
そんな著者から見える”世界”を、フリースタイルな短歌(&ときどきエッセイ)にしてお届け。
もしあなたが自分のことを「不幸だ」と思っているなら、「もっと不幸な男」がここにいると思ってください。

バックナンバー

岡本雄矢 主に“トホホ短歌”を詠む「日本に(たぶん)ただ1人の歌人芸人」

詠み始めるとなんでも”トホホ短歌””不幸短歌”になってしまうという特徴を持つ、「日本にただ1人の歌人芸人」。1984年北海道生まれ。吉本興業所属。コンビ「スキンヘッドカメラ」で活動中。YouTubeで「芸人歌会」を開催。北海道新聞等で連載も。

短歌とエッセイを収録した初の著書『全員がサラダバーに行ってる時に全部のカバン見てる役割』には、俵万智さん、穂村弘さん、板尾創路さんからアツい推薦文が寄せられた。

最新刊は『センチメンタルに効くクスリ トホホは短歌で成仏させるの』。

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