近しい人との永遠のさようならがいくつか続いて、最近は、去り方を考えるようになった。
この世界からの去り方だ。
先日映画のトークショウに出演した。友人が観に来てくれたりして久しぶりにいろいろな人に会った。嬉しかった。一年や二年ぶりに会ってお話しする人が全然変わっていなかったり、ステイホームで家で鍛えすぎてマッチョになってしまったなんて話を聞いたりするのも楽しかった。そうして、そこにいない人を思ったりする。
会わない日々や会えない日々が続いているうちに、もう会えない人が一人づつ増えていく。生きるとはそういうことなのだと知っていたはずなのに、それが現実を伴う重さになって具体的になっていく。
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愛の病
恋愛小説の名手は、「日常」からどんな「物語」を見出すのか。まるで、一遍の小説を読んでいるかのような読後感を味わえる名エッセイです。