女性だけでなく、男性にも身近な存在になってきた「美容」。でも、男性に対する美容情報はまだまだ不足しているのも事実。『医師が教える最強のメンズ美容ハック』(木村真聡著)では、今すぐできるセルフケアの方法や最新の美容医療を使ったメンテナンスの基本をご紹介しています。「男性だから」という理由で美容をためらう必要はありません。今日から始めてみませんか?
モテるシワ、老けるシワを見極めて消し去る
30代になればシワが現れるのはごく平均的なエイジングです。一番初めに気づくのは表情の動きが大きい目元。笑ったときに目尻にできるカラスの足跡のような小ジワです。これは放っておいてもいい“モテるシワ”。笑顔の多い人生を送っていそう、優しそう、というポジティブなイメージにつながり、好感度を上げてくれます。ただし、目の周りは皮膚が薄く皮脂腺も少ないので、保湿効果の高い美容液や目元用クリームなどをたっぷり塗る習慣をつけておきましょう。将来的なたるみの予防にも役立つはずです。
一方で神経質そう、不機嫌そう、疲れていそう、と思わせてしまうシワも。その代表が、眉間の縦ジワ。無意識に眉をひそめる、しかめっ面のクセがある人に多く見られます。そして、1本につき5歳は老けて見える額の深い横ジワも要注意。これは、目を開けるときにまぶたではなく額を動かして眉を上げる、リアクションの大きい人に見られる表情ジワです。ネガティブなイメージの眉間と額のシワは、初対面の印象を悪くしたり、近寄りづらい雰囲気でコミュニケーション不足を招いたりと、人間関係で損をする可能性もあるので、できる限り薄くしたいもの。シミ同様に、肌深部の真皮(皮膚の一番外側を表皮といい、その内側にある層のこと)からふっくらさせてシワを改善するスキンケア化粧品もあるのですが、これもまた時間のかかる作業です。ごく薄い初期のシワならまだしも、深く濃く刻まれたシワの場合、化粧品の作用より表情のクセのほうが強いので、せっかくケアしても1歩進んで2歩下がる状態に。
そんなマイナスのシワには、美容医療のボトックス注射が有効。ボトックス注射は、天然のタンパク質であるボツリヌス毒素を注入することで一時的に筋肉の収縮を抑え、筋肉の過緊張を改善する施術です。ハリウッド女優のように表情が動かない顔にするのではなく、軽いボトックスで筋肉をリラックスさせ、表情のクセで折り目がつかないように予防として打つのが最近のトレンドです。一瞬で終わる注入で、効果は半年程度持続するので、美容液を何本も使い続けるよりボトックス注射1回のほうが、コストパフォーマンス的にも優れています。ボトックス注射には、歯ぎしりや食いしばるクセを止める効果も。
同じシワでも、表情というより加齢による凹みで目立つほうれい線や目の下には、谷部分を膨らませるヒアルロン酸注入が用いられますが、これは顔が不自然に見えるリスクもあるので、男性の場合はシワを活かして渋さを魅力に変える方向でよいのではないでしょうか。