女性だけでなく、男性にも身近な存在になってきた「美容」。でも、男性に対する美容情報はまだまだ不足しているのも事実。『医師が教える最強のメンズ美容ハック』(木村真聡著)では、今すぐできるセルフケアの方法や最新の美容医療を使ったメンテナンスの基本をご紹介しています。「男性だから」という理由で美容をためらう必要はありません。今日から始めてみませんか?
薄毛リスク度CHECK
3つ以上当てはまったら、今すぐケアをスタート!
□ 父親・母親、もしくは祖父・祖母が薄毛
□ 昔より額が広くなった
□ 髪の毛のクセが強くなった
□ 朝起きると枕に大量の抜け毛がある
□ 喫煙者である
□ アルコール量が増えた
□ 脂っこい食事が多い
□ 眠りが浅く、睡眠時間が短い
□ 抜ける毛が昔より細くなった
□ 髪の立ち上がりが悪い
毛を増やす、太くする、最新AGA治療
薄毛は老化? それとも遺伝? でも説明したように、男性型脱毛症は成長期が短く休止期が長くなり、1本1本は細く軟毛化するもの。ぱっと見、毛がないように見えても、頭皮をよく観察すると毛髪がゼロということではなく、産毛のような軟毛が残っています。毛を生み出す工場である毛包さえ残っていれば、従業員を増やすことができ、稼働力も復活するのです。
世界中の多くの男性が悩むAGAには、有効な治療も見つかっています。必要なのは、まずAGAの進行を止め、次に血行を促して毛根に栄養を与え、毛を濃く太く成長させる、という2ステップ。エビデンスがあり、医学的に有効性が認められている薬剤が、フィナステリドとデュタステリドとミノキシジルです。DHTを抑制し、抜け毛を抑えるフィナステリドやデュタステリドの内服治療は、2年で68%、3年で78%、5年間の継続では90%以上の有効率が確認されています。市販薬にも配合されるミノキシジルは、血流を促進する成分です。毎日患部に塗る外用で、濃度にもよりますが24週から目に見える変化が現れます。ミノキシジルの内服薬は、全身の体毛が濃くなる可能性があるので、フィナステリドやデュタステリドの内服とミノキシジルの外用、塗る+飲むの二刀流が基本。早い人は3ヶ月くらいで効果を感じるはずです。以前は高額だった治療にかかる費用もかなり抑えられ、内服だけならジェネリックで月5000円~程度。細くなった、薄くなった、抜け毛が増えたと感じたら、早めにクリニックを受診してみてください。副作用としては、性欲減退やEDが1%程度見られます。
ただしこれらの薄毛治療は、毛髪生成工場である毛包が存在していることが大前提。フィナステリドやミノキシジルで、サボっている従業員を働かせたり、従業員の数を増やすことができたりするからです。さらに薄毛が進行し、毛包がなくなってしまったらアウト。その先は、毛包を移植する植毛や、再生医療というハードルの高い方法、またはウィッグという選択肢になるので、毛髪工場が閉鎖になる前に動き出すことをおすすめします。