生きるべき“座標軸”を示した奇跡のドラマ「北の国から」放送40周年記念。黒板五郎が過ごした20年の日々を、追体験する1冊となる、『『北の国から』黒板五郎の言葉』より、あの、名言の数々をご紹介します。
北の国から 第3回
純は、自分が東京へ行こうとしていることを、初めて父に伝える。しかし、五郎はすでに他の人から聞いて知っていた。
五郎「純君」
純「───」
五郎「父さんは──おこっちゃいません」
純「スミマセン」
五郎「ただ──」
純「───」
五郎「かなしいです。いま──。非常にかなしいです」
純「───」
五郎「帰りたいというのは当然です。かまいません。ただ──、そのことを──。父さんに直接しゃべることをせず、──雪子おばさんをとおしていう君は──」
純「───」
五郎「卑怯です。とっても卑怯なことです」
五郎「そのことが父さんは、非常にかなしいです」
五郎「帰ることについては、よくわかりました」
* * *
北の国から 第4回
再び、雪子を含む4人の生活が始まった黒板家。
二階からおりてきた純と蛍。
純「お父さん、二階寒くてたまりません」
五郎「そうでしょう」
純「あれじゃ眠られません。何とかしてください」
五郎「(明るく)だから早いとこ何とかしなさいってこの前から父さんいってたでしょうが」
純「ぼくが自分でやるンですか」
五郎「そりゃそうですよ。上は君たち三人が寝てるンだし、中で男は君だけなンですから」
純「だって──じゃァお金ください! 予算がなければ」
五郎「(ほがらかに)お金があったら苦労しませんよ。お金を使わずに何とかしてはじめて、男の仕事っていえるンじゃないですか」
純「オトコ──! だってボクまだ子どもですよ」