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文法の勉強は「格ゲー」みたいなもの
英語と日本語の決定的な違いはいわゆる助詞があるかないかです。「は」「が」「を」「に」が代表的なやつですね。
日本語はこの助詞を正しく使い分けていれば、文章のどこに主語や述語を置いても文が成立します。
・私 昨日 映画館に 行ったんだ。
・行ったんだ 昨日 映画館に 私。
・私 行ったんだ 映画館に 昨日。
というふうに。
それが英語では
I went to the movie yesterday.
となります。
※Yesterday, I went to the movie. でもOK。
これをTo the movie, I went yesterday. とか言っていいのはスター・ウォーズのヨーダだけなので、こんな話し方をすれば「え、ヨーダ?」「ヨーダなの?」と出身星を疑われて終わりです。
よく日本語を勉強中の外国人の方の日本語を聞いていて、意味はわかるけど日本語ではそういう言い方しないなぁということがあると思います。
母国語の配列のまま、もしくは母国語独特の言い回しそのままを日本語に置き換えているからそうなるのでしょう。
勘違いしている人が多いのですが、日本語の一語一語をすべて英語にしても、ネイティブには通じません。反対に英語の一語一語を日本語に置き換えた文を作っても、私たちには意味不明なことが多いです。
どの言語にも、その言語らしい表現の仕方というものがあります。英語のルールなんてめちゃめちゃ簡単なので、これを機に「こういうもの」と脳にインストールしてしまえば、今後の文法の勉強も楽になっていくかと思います。
英語の基本配列
さて、では英語の勉強で覚えておくべき配列とは
もしくは
これだけです。いわゆる第4文型とか第5文型とかってやつですね。
→私は彼氏の顔をなぐった。
これがテンプレとなります。
→アンチがYouTuberに100kgの犬の糞を送りつけた。
なんか本当にあるらしいですね。迷惑以外のなにものでもないですね。
→ファンが家までついてきた。
数少ない英語のテンプレに日本語を寄せる!
こう、具体的に「だれ」から「だれ」へのアクションなのかがはっきりしていれば我々日本人でも文章を組み立てやすいですが、こと日本語というのはそういった「だれ」から「だれ」へを意識せず文章を組み立てることがほとんどです。例えば
電話出てくれないと心配するじゃん。
という文章。
まず「心配するじゃん」の部分から組み立ててみましょう。
「心配する」という動詞はworryですが、I worry you. というと「あなたを常々心配している」という意味になります。上京した我が子を思う親みたいな感じです。今回は「電話に出てくれないと」という条件付きなので相応しくないですね。
なので前述の英語の基本の置き場所に無理やり当てはめてみましょう。
このように当てはめると、「だれが」もしくは「なにが」と「だれを」が足りないことがわかります。「だれが」と「だれを」はそれぞれyouとmeであると想像できると思います。「あなたが」「私を」なんて言うと、なんだか急に自分の言いたかったニュアンスから遠ざかっているように感じるかもしれません。
ですがいいですか、大事なのは日本語を日本語の並びのまま英語にすることではありません。「数少ない英語のテンプレに、日本語をいかに寄せるか」です。
日本人の話す英語が不自然で回りくどい理由はもうまるっきりこれに集約されています。なかなか思った通りに文章を組み立てられない理由もそこにあります。そしてここでいかに柔軟に英語のテンプレに寄せられるかが、いわゆる英語脳を鍛えていく上で非常に大切な心持ちなわけです。
さて、「〇〇(人)を」「〇〇(物/状態)に」「する」とくれば後は想像がつきませんか?
→あなたが私を心配にさせる=心配になる。
さて、元の例文に戻りましょう。
電話出てくれないと心配するじゃん。
「電話出てくれないと」はwhen you don't pick up the phoneです。
「ifじゃないんですか?」という質問が出てきそうですが、ifを使うときって「もし万が一そんなことがあった場合は」ぐらいの保険のかかり具合です。日本語の例文を見る限り、電話に出てもらえないことが「万が一」よりも頻繁にありそうな印象を受けるのでwhenにしておきましょう。
つまり、「もし万が一電話に出てくれないようなことがあったら」と、強調して言いたい場合はifが適切なわけです。
先ほどの文章とつなげてみます。
When you don't pick up the phone, you make me worried.
もしくは、
You make me worried when you don't pick up the phone.
どっちでも一緒。
ちなみにYou make meというと、ご覧の通り、「あなたが」「私に」「させる」なので、かなり相手を責め立てるような言い方になります。なのでよほど心配にさせられて、こちら側に迷惑がかかるような場合にはYou make meと言って、こちらの心情を訴えかけるのもいいと思います。
そこまで取り乱していない場合は
It makes me worried when you don't pick up the phone.
と、「だれが」の部分を「それ」=「あなたが電話に出てくれないこと」にするのがいいでしょう。
※第2回へつづく!
これでネイティブっぽ!ゲス女の英会話
ステイホームで盛り上がった英語学習ブーム。でも、どれだけの人が英語を身につけることができたでしょうか? いま話題のYouTuber、YYYOKOOOさんの初書著『これでネイティブっぽ! ゲス女の英会話』は、「純日本人」にもかかわらずネイティブ並みの英語を身につけた彼女が、英語のキホンを楽しく教えてくれる一冊。英語を身につけたいと思いながらいつも挫折してきた人も、これならきっと大丈夫! だまされたと思って、ぜひこちらのためし読みをご覧ください。