生きるべき“座標軸”を示した奇跡のドラマ「北の国から」放送40周年記念。黒板五郎が過ごした20年の日々を、追体験する1冊となる、『『北の国から』黒板五郎の言葉』より、あの、名言の数々をご紹介します。
北の国から 第5回
富良野の生活にすっかり慣れてきた蛍。一方、純は「火をつける」といった単純作業 もうまく出来ないままだった。ある日、偏屈なことで知られる老人、笠松杵次(大友 柳太朗)のことが話題になる。かつては五郎の亡くなった父と共に開墾に励んできた 男だ。
雪子「(笑って)そんなにその人ヘナマズルイの?」
純「もう有名。みんなそういってる。かかわったらえらい目にあわされるって」
五郎「純君、君は会ったンですか」
純「会ってはいません。だけど草太兄ちゃんもつららさんも」
五郎「会ってもいない人のことがどうしてわかるンです」
純「だけど中畑のすみえちゃんも」
五郎「人がどういおうと、しり馬にのって他人の悪口をいうもンじゃありません」
純「しかし」
五郎「君はつべこべしゃべってる前にやることがいっぱいあるンじゃないですか? 蛍がちゃんとできるようになったのに、君は火一つつけられないじゃないですか」
純「───」
五郎「自分がちゃんといっちょ前になって。──人の批評はそれからにしなさい」
* * *
北の国から 第6回
清吉の息子、草太(岩城滉一)は都会から来た雪子に夢中だ。草太の恋人、つらら(熊 谷美由紀)は雪子に富良野にいて欲しくないと訴える。五郎は清吉に呼び出され、雪 子のことで注意を受けた。家に戻った五郎に向って、雪子が一度東京に帰ってきたい と言い出す。
五郎「草太が君に──ほれてるらしい」
雪子「───」
五郎「あいつは前から都会に出たがってる」
雪子「───」
五郎「何とかこれまで必死に引き止めて──牧場をつぐ気にやっとさせたとこだ」
雪子「───」
五郎「だからやつの場合どうしてもこっちで──嫁にくる者をさがさにゃならん」
五郎「あいつとつき合うにはその覚悟がいる」
雪子「───」
雪子「お義兄さん」
五郎「──―」
雪子「その話私いま──」
五郎「──―」
雪子「話したくないわ」