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『北の国から』黒板五郎の言葉

2021.10.14 公開 ポスト

「北の国から」放送40周年記念。今、噛みしめる黒板五郎の言葉。

「自分がちゃんといっちょ前になって。――人の批評はそれからにしなさい」 幻冬舎編集部

生きるべき“座標軸”を示した奇跡のドラマ「北の国から」放送40周年記念。黒板五郎が過ごした20年の日々を、追体験する1冊となる、『『北の国から』黒板五郎の言葉』より、あの、名言の数々をご紹介します。

北の国から 第5回

富良野の生活にすっかり慣れてきた蛍。一方、純は「火をつける」といった単純作業 もうまく出来ないままだった。ある日、偏屈なことで知られる老人、笠松杵次(大友 柳太朗)のことが話題になる。かつては五郎の亡くなった父と共に開墾に励んできた 男だ。

雪子「(笑って)そんなにその人ヘナマズルイの?」
純「もう有名。みんなそういってる。かかわったらえらい目にあわされるって」
五郎「純君、君は会ったンですか」
純「会ってはいません。だけど草太兄ちゃんもつららさんも」
五郎「会ってもいない人のことがどうしてわかるンです」
純「だけど中畑のすみえちゃんも」

五郎「人がどういおうと、しり馬にのって他人の悪口をいうもンじゃありません」

純「しかし」
五郎「君はつべこべしゃべってる前にやることがいっぱいあるンじゃないですか? 蛍がちゃんとできるようになったのに、君は火一つつけられないじゃないですか」
純「───」

五郎「自分がちゃんといっちょ前になって。──人の批評はそれからにしなさい」

*   *   *

北の国から 第6回

清吉の息子、草太(岩城滉一)は都会から来た雪子に夢中だ。草太の恋人、つらら(熊 谷美由紀)は雪子に富良野にいて欲しくないと訴える。五郎は清吉に呼び出され、雪 子のことで注意を受けた。家に戻った五郎に向って、雪子が一度東京に帰ってきたい と言い出す。

五郎「草太が君に──ほれてるらしい」
雪子「───」
五郎「あいつは前から都会に出たがってる」
雪子「───」
五郎「何とかこれまで必死に引き止めて──牧場をつぐ気にやっとさせたとこだ」
雪子「───」
五郎「だからやつの場合どうしてもこっちで──嫁にくる者をさがさにゃならん」

五郎「あいつとつき合うにはその覚悟がいる」

雪子「───」
雪子「お義兄さん」
五郎「──―」
雪子「その話私いま──」
五郎「──―」
雪子「話したくないわ」

関連書籍

倉本聰/碓井広義『『北の国から』黒板五郎の言葉』

金なんか望むな。倖せだけを見ろ。 そして謙虚に、つつましく生きろ。 我々が生きるべき“座標軸"を示した奇跡のドラマ『北の国から』放送40周年記念。 田中邦衛氏演じる黒板五郎が過ごした20年の日々を、名場面と名セリフで追体験する1冊。 「夜になったら眠るンです」 「人には上下の格なンてない。職業にも格なンてない」 「人を許せないなンて傲慢だよな」 「男が弱音をな――はくもンじゃないがな」 「疲れたらいつでも帰ってこい 息がつまったらいつでも帰ってこい」 「男にはだれだって、何といわれたって、戦わなきゃならん時がある」 「お前の汚れは石鹸で落ちる。けど石鹸で落ちない汚れってもンもある」 黒板五郎は決して饒舌ではない。むしろ無口な男だ。しかし、五郎が発する言葉だけでなく、度々の沈黙の奥にも、語り尽くせない喜び、悲しみ、悔しさ、そして愛情が溢れている。そこに込められた、家族と周囲の人たちに対する熱い気持ちは普遍的なものであり、古びることはない。(「おわりに」より) 1981年10月にスタートして82年3月末に全24話で放送を終えた『北の国から』と、83年〜2002年に放送された8本のスペシャル全話からピックアップした、現代人に響く黒板五郎の名セリフ。

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