生きるべき“座標軸”を示した奇跡のドラマ「北の国から」放送40周年記念。黒板五郎が過ごした20年の日々を、追体験する1冊となる、『『北の国から』黒板五郎の言葉』より、あの、名言の数々をご紹介します。
北の国から 第7回
五郎が山仕事に出るようになった。純と蛍は下校後、中畑和夫(地井武男)の家で五郎の帰りを待つ。中畑家には電話があり、純は母の声が聞きたくて無断でかける。蛍 もまた学校の電話を使ってしまった。
蛍「蛍──あやまることがある」
五郎「──(見る)何だ」
蛍「蛍──母さんにないしょで電話した」
ギクッと見る純。
蛍「学校の電話で、こっそりかけた」
五郎「──―」
蛍「ゴメンナサイ」
純。 ──ギュッと目を閉じる。 間。
五郎「そうか」
蛍「───」
五郎「母さん──何ていってた」
蛍「元気でやってるかって」
五郎「何て答えた」
蛍「元気でやってるって」
五郎「よかったな」
蛍「───」
五郎「母さんきっと──よろこんでたろう」
* * *
北の国から 第8回
富良野で初めて迎えた大晦日の夜。五郎は純と蛍を富良野の街の灯りが見える丘の上 に連れていく。
五郎「父さん、──君たちに感謝している」
二人「───」
五郎「今年一年の君たちのことを──父さん、一生忘れないだろう」
二人「───」
五郎「父さんこれまでお前に対して、ていねいな言葉でいつもしゃべってきた」
純「───」
五郎「そうするつもりはなかったが──いつからかそういう習慣ができちまった」
純「───」
五郎「でももうやめる」
純「───」
五郎「いまからやめる」
純「───」