『「また会いたい」と思われる人の38のルール』をはじめ、ベストセラーを多数発表してきたイメージコンサルタントの吉原珠央さん。『人とモノを自由に選べるようになる本』は、そんな吉原さんが「人とモノを自由に選べる人生」という目標を達成すべく、コツコツと実践してきた32のルールを初めて公開した一冊です。一日ひとつ、ルールを実践していけば、わずか一か月で「納得できる人生」へと変わる。そんな本書から、一部を抜粋してご紹介します。
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デキる同僚から学んだ謝罪のコツ
航空会社で働いていた新人時代には数えきれないほどの失敗の経験がありました。
たとえば、フライト中に、一度に大勢のお客様から頼まれごとを言われて焦ってしまい、リクエストされたことに対応しきれず、着陸後にお客様から「コーヒーをお願いしていたのに」と言われたことがありました。
また、お客様に聞かれたときのために理解しておくべき、当時のマイレージキャンペーンについての質問に答えられず、「仕事が甘い」と先輩から注意されたこともあります。このような恥ずかしい失敗談はつきません。
当初は、注意をされたら、そのつど反省し、その場で一度謝罪をして終わり、というふうにしていました。
しかし、あることがきっかけで、それまでの謝罪の習慣が変わりました。
そのきっかけとは、仕事ができて、気配り上手な同期の、あるエピソードでした。彼女は、仕事に対する集中力が高いうえ、与えられた仕事以外にも、自らやるべきことを発見し、実行するタイプでした。
仕事を楽しみ、お客様のみならず同僚の私たちに対しても、丁寧で明るく接することができる魅力的な女性。まさに、「仕事ができる人」と誰もが認める彼女が、あるとき仕事でミスをしてしまったのです。
彼女は、フライト後の乗務員全員で行うミーティングで、そのミスについて報告をするだけでなく、自分の弱点を分析し、それを改善するためのプランまで話したのです。
さらには、「今後、みなさんが私のようなミスを起こさないためには……」というふうに、反省の念を述べると同時に、チーム全体に有益な情報を提供してくれたのです。
そして、ミーティングが終了して「お疲れさまでした」と言って解散したあとも、直接、迷惑をかけてしまった先輩のところへ駆け寄って、個別に真摯な謝罪をしていたのです。
ミスをして謝罪をする姿は、「仕事でミスした」という事実を周囲に知らしめてしまう印象があると思いますが、実は違います。
彼女のように、ミスした自分を素直に認め、客観的に分析し、次のミスを回避する方法をみんなに伝えることができれば、仕事に対するまじめさと余裕を感じさせることができるのです。私はそのことを、彼女から教わりました。
その後、私もミスをしたら、その場で謝罪することにプラスして、相手と別れるときに、もう一度謝るようにしています。
時間をおいてもう一度謝る
私のオフィスには、コンサルタントや講師、あるいは私のアシスタントをしたいと希望する方からの連絡が入ることがあります。お互いに調整して会う約束をしても、相手の方が道に迷って遅刻したり、直前に時間変更を依頼してくるなど、ミスやトラブルも起こります。
そういったときに私が重要視しているのは、その場かぎりではなく、その後も謝罪ができる人かどうかです。たいていの人は、その場で「申し訳ございません」と言った後、その話に触れることはまずありません。
しかし、問題は私と別れてから後です。たとえば、帰宅してすぐに送ってくれたお礼のメールのなかに、「本日は遅刻してしまい、申し訳ありませんでした」などという一文があると、その方がいかに誠実で、素直な人かが伝わります。
本当は相手に忘れてほしいことなのに、自らミスのことをあえて持ち出して、謝れる習慣ができている人は、誰からも信頼されるでしょう。
些細なことであっても、相手に迷惑をかけてしまったり、少しでも不快な思いをさせてしまったときには、その場でだけでなく、時間をおいてからもう一度、申し訳なかった気持ちを伝えるのです。
また、こういうことができている人たちというのは、同時に「お礼」についても、その場と、その後にもおっしゃる方が多い気がします。謝罪とお礼は、その人の「心の余裕」を表しているのかもしれませんね。
人とモノを自由に選べるようになる本
『「また会いたい」と思われる人の38のルール』をはじめ、ベストセラーを多数発表してきたイメージコンサルタントの吉原珠央さん。『人とモノを自由に選べるようになる本』は、そんな吉原さんが「人とモノを自由に選べる人生」という目標を達成すべく、コツコツと実践してきた32のルールを初めて公開した一冊です。一日ひとつ、ルールを実践していけば、わずか一か月で「納得できる人生」へと変わる。そんな本書から、一部を抜粋してご紹介します。