生きるべき“座標軸”を示した奇跡のドラマ「北の国から」放送40周年記念。黒板五郎が過ごした20年の日々を、追体験する1冊となる、『『北の国から』黒板五郎の言葉』より、あの、名言の数々をご紹介します。
北の国から 第15回
分校の凉子先生を誹謗中傷する怪文書がばら撒かれた。東京で教えていた頃、生徒を自殺に追い込んだというのだ。また純は女性が気になって仕方ない自分を病気ではないかと思い詰めていた。
五郎は決死の覚悟で「性教育」に挑もうとする。
五郎「純君」
純「うン?」
五郎「花に──オシベとメシベがあるでしょう」
純「ハイ」
五郎「人間でいうと──、父さんがオシベです」
純「ハイ」
五郎「それでメシベはだれですか?」
純「──母さん」
五郎「母さん。そう。そうですね。母さんがメシベ」
純「───」
蛍──父をキョトンと見ている。
五郎「アレはひっつくと実ができるンです」
純「ひっつくって?」
五郎「つまり──、ひっつくっていうとコノ、ことばがわるいが──コノ、両方の花粉がとんで」
純「───」
五郎「実ってのはつまり子ども。すなわちうちの場合君たちのことでして」
純「それがどうしたの?」
五郎「うン」
* * *
北の国から 第16回
正吉の祖父・杵次が、酒に酔って橋から川に転落死してしまった。長年苦労を共にした愛馬を売った翌日に見つかったのだ。葬儀から帰った夜、五郎は純が隠し持っていたヌード写真の載った雑誌をストーブの火で焼く。
純「はずかしくって父さんにもずっと、いわないでかくして来たンだけれど」
五郎「──―」
純「つまり──いけないいけないと思っても、──女の人が気になるわけで」
五郎「──―」
純「女の人の胸とか足とか──、お尻とかつまりそういうとこに──どうしても目がコノいってしまい」
五郎「──―」
純「気にすればするほど止まらないので──。これは明らかにどっか病気です」
五郎「純」
純「ハイ」
五郎「それは病気じゃないよ」
純「───」
五郎「大人になったらだれでもそうなる」
純「───」
五郎「それはお前が大人になった証拠だ」
純「イヤでもそれが」
五郎「何」
純「ぼくの場合、とってもはずかしいンだけど──(小声)その度にオチンチンがでかくなり」
五郎「だれだって大人はでかくなる」