「子どもが一緒なのに、なんで5分で出発できると思ってんの!? それは想像力がないだけや」
「家事・育児に参加しない夫は、幽霊部員みたいなもん」
「子どもに、どうした? って聞きまくるのは、寄り添っているようで責めてるだけやで」
「結婚を恋愛のゴールにしたらアカン。結婚は共同創業と捉えたほうがいい」
「“いる”と“コミット”は違う。携帯片手にいるだけなんて、バイトだったらタイムカード切って! って言われるで」
など、「それ私の言いたかったこと!!」と全国の妻が共感しまくるTwitterアカウント、「妻のパンチライン(@wifeisking)」。書籍化が決定いたしました!
書籍『妻のパンチライン』の発売を記念して、名パンチラインの数々を繰り出している妻さんと、そのパンチラインを受け、Twitterを運用する夫さんによる夫婦対談が11月3日、TwitterのSpaceで行われました。
幻冬舎plusではその内容を少しだけお届け。”初めての夫婦対談”の模様を、おすそわけです。
* * *
妻・夫:こんばんは~!
夫:いつも妻のパンチラインをTwitterでフォローしてくださりありがとうございます。
妻:妻で~す。
夫:夫です。
妻:ついに『妻のパンチライン』が出版されることになりました!
妻・夫:イェーイ!
夫:Amazonの予約、ついに開始です。……実はもう予約ページ自体はあったんですが、今回初めて本を出すにあたって、いろいろな人にアドバイスを聞いたところ、僕たちみたいにあまり知られていない人の本は、Amazonランキングに入らないと売り伸ばすのが難しいみたいで。一斉にみんなで買えば、ランキングに入るかもしれないと。
妻:いきなりやらしい話やめーや(笑)!
夫:世の中の人があんまり本を買っていない夜22時を狙って、予約開始することにしたんです。ということで今日は、夫婦配信をしながら22時から予約祭りをしようと思っています。よろしくお願いいします!
受け継がれていくパンチライン
夫:しかし、まさか本を出版することになるなんてね。どうですか?
妻:うーん、まだ実感がないね。
夫:この前本の見本が家に届いて、ほんまに本になるんだって思ったよね。
妻:でもそれも、ゆうても数十冊を見ただけだから、これが何千部も刷られるなんて、大丈夫かなって思うよな。
夫:あなた、自分の親に本が出ること言ってなかったよね。
妻:言ってない(笑)。だって、恥ずかしいやん。何かをさらすようで恥ずかしい。あんたも親に言ってないやろ?
夫:言ってない。でもうちの親はTwitterをフォローしてくれてるから。
妻:じゃあこのSpaceも聞きに来てくれてるかも? わー、どうしよう。
夫:でもお義母さんが本を読んだら、「これ私が言ってたことパクッてるやん」って思うかもね。
妻:あぁ……、そやな。本の中でも書いたけど、「受け継がれていくパンチライン」っていうのもあると思う。家々で受け継がれるパンチライン、あるん違うの?
夫:いや、うちにはないと思うよ(笑)。
一人で浴び続けるのはきつい、パンチラインたち
夫:振り返ると、「妻のパンチライン」アカウントはコロナ禍で始めたから……、1年4か月ぐらい。もともと、あなたのパンチライン、強いフィードバックの数々に、これを一人で処理するのは結構きついなとは思っていたんだけど、コロナ禍で一緒に過ごす時間が増えて、もう耐えられない! って思ったんだよね。
妻:これはきっと、どこの家庭でも起こってることだよね。
夫:Twitterを見ている方はきっと「よくこんなに出てくるな!」と思ってらっしゃると思うんですけど、全部作ってないですからね。捏造してないですからね。Twitterのプロフィールにも「息を吐くように吐き出すパンチライン」って書いてるけど、あなたすごいよね。
明日出張だよと妻に伝えたら「何時頃出るの?」と聞かれたので『朝』と答えたら、「あんた、原始人なん?朝日とともに狩りに出るわけちゃうやろ。6時起きとか、8時出発とか、9時の新幹線とか、数字で教えてや。そしたら朝ごはんは?子どもの送迎は?って細かく聞かんでもこっちで考えられるんやから」
— 妻のパンチライン@Amazon予約受付中 (@wifeisking) September 28, 2021
編集Kの最近のお気に入り名パンチラインはこちら。原始人……と、うなってしまった。
夫:これを一人で浴び続けるのはきついなと、正直思っちゃった。と同時に、自分以外にもこのパンチラインが響く人いるんじゃないかなって、もったいなさも感じたんだよね。
あとは、あなたがどれぐらい特別なことを言っているのかもわかんなくて。みんな同じようなことを思っているのか、それともあなたが特別に厳しいのか、知りたいとも思った。
妻:なるほどね。
夫:Twitterを始めてみたら、思ったよりも「わかる」の声が多かった。帯コピーにも入れているんだけど、「それ私の言いたかったこと!」っていう妻の皆さんの反応がすごく多かったんだよね。自分ばっかり厳しいこと言われてるのかなと思っていたけど、世の中の妻たちが思っていることだったんだなと、すごく反省して、あなたのことをリスペクトしたよね。
妻:でも、あんたがTwitterを始めたとき、私が最初どう思ったと思う? 私に全く確認を取らず、修正もさせてもらえず……。こっちにも言い分あるで(笑)!
1年以上、私の言い分は伝えられないまま、あんたが切り取った私の言葉に、ご意見ご感想をいただいてたわけやん。それは複雑ですよ……。
夫:それもあって、途中から「やるんだったらちゃんと見せて!」ってことになったよね。でも内容が大きく変わることはなかった。修正は「エセ関西弁やめて」と「おもんないからやめて」の二つだけ。
妻:オチないことまで呟くからやろ(笑)! みなさんのタイムラインをお目汚しして、私の名誉を棄損して、しかも滑るってどういうこと!? って思った。
あのパンチラインの、裏側のこと
夫:改めて、どういう本なのか話そう。
妻:Twitterで発信しているツイートを抜粋して、それぞれについて私の言い分を書かせてもらいました。このツイートの時はこういうことに腹が立って、こういう風に思ったから、こんな言葉になったんですよ~っていう、裏側の部分やね。
夫:そうだよね。パンチラインを厳選して紹介しながら、そのパンチラインを言ったときにどういう心境だったの? 何が起きてたの? ここでほんとに言いたかったことは何なの? ってところを書いてくれたよね。俺も読んで、めっちゃ面白かった。
妻:人の家庭を覗いてるみたいな面白さもあるかもしれんね。
夫:ツイートって140字に凝縮して書いてるやん、ぎゅっとされているから言葉も強くなってるし。
妻:だって普通に考えて、夫婦喧嘩を140字ではできないやろ。あんた、上司に怒られたことを140字にまとめなさいって言われても、できへんやろ。400字くれよって思わへん?
夫:な、なるほど、まあそうね……。だからその、Twitterでは書き足りなかった妻の言い分を書いてるんだよね。だからこの本は、妻の本なんだよね。
妻:夫には「はじめに」だけ書いてもらった。あとはツイートね。……今思い出したんだけど、Twitterを始めたての頃、喧嘩してるときに急にスマホ取り出して、「ちょっと待って! パンチライン出たから書き留める!!」ってメモり出して、反省する気も喧嘩する気もないし、何? って肩透かしにあったことあったわ。
夫:そんなこともあったね……。
かっこつけずに、経験を全部さらけ出す
妻:これまで文章なんて書いたことなかったし、皆さんに読んでいただくのが少しプレッシャーなんです。「文章下手くそすぎてフォロー外すわ」って人がおったら、どうしよう……。
夫:大丈夫だって! 下手じゃないし。
妻:ほんま? 読める?
夫:うん、面白かった。うまいとかじゃなくて、伝わると思うよ。読んでいて、景色が浮かんでくる言葉、文章だから。
パートナーと喧嘩したり、子育てのことで悩んでたり、本の中で書いていることと重なる経験がある人が読むと過去がフラッシュバックするだろうし、経験していなくても疑似体験するような感覚になれる文章だと思うけどね。
妻:実は1回全部書いたあとに「固い、感情移入できひんわ」って言われて、書き直したんです。
夫:そうそう、初めの文章は固かった。
妻:もっと自分自身の思いを吐露して、経験談を書かないと人に伝わらへんでって。私、あんたのツイートで猫かぶられへんようになって、さらに本のための文章でもう一枚皮を脱いで、この1年ちょっとで2回、自分の殻を破るような経験をしてるんやな。
私はこれまで、普通の主婦で、毎日子どもの送り迎えして、ご飯作ってっていう狭い世界で生きてきたんです。そんな生活の中でふつふつと溜まっているものを、ただただ感情のままに言っただけなのに、Twitterの中には同じようなことを思っている方がいて、その方から「書いてくれてありがとう」って言っていただくことがあって。誰かの気持ちが軽くなるんだったら、自分がどう見られてもいいかって思った。
だから本の中では、あなたに話してなかったような過去の話とか、離婚の話とか、赤裸々にかっこつけずに書いてます。顔も名前も出してないんだから、経験は全部さらけ出そうと思って。
夫:葛藤したりとか苦しかった経験があるから、みんなが共感するリアルなパンチラインが出てくると思う。それは家族という視線を外してフラットに読んでいて、すごくいいなと思った。
妻:SNSってみんな、いいことばっかり書いてて、人の成功の切れ端を見るわけやん。「おめでとう」っていう気持ちや「良いね」って気持ちももちろんあるけど、ふと携帯から目を離したときに自分の中に残るのって、ちょっとした寂しさだと思う。等身大で「私もずっこけてましてん」ってことを書いた方が、共感してもらえるんじゃないかなっていう気持ちで、本を書いてました。
「泣きながらこのパンチラインは言いました」ってこともあるし、書いててだんだんムカついてきたこともあるし。夫婦喧嘩の方法を指南したりもしてる。パートナーと喧嘩になりそうって時に、ぜひ参考にしてもらいたいです。
夫:実際あなたがこんなに冷静に夫婦喧嘩をやれてるかどうかは、怪しいけどね(笑)。
* * *
この後、アライユウサクさん、家入一真さん、幻冬舎箕輪厚介など、様々な方が飛び入り参加して、なんとこの日のSpaceは深夜3時まで(!)続きました。熱狂の夜の余韻か、Amazonランキング結婚カテゴリーで1位を獲得。まだまだ話題を集めています。
11月10日の発売日まで、毎日21時半からSpaceで妻さんが様々な方と結婚、夫婦、子育て、女性のライフプランなどなどについてお話します。
是非Twitterで「妻のパンチライン」アカウント(@wifeisking)をフォローの上、お楽しみください!
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妻のパンチライン
「毎日の家事・子育てのなかで、妻が息するように吐き出すパンチラインをつぶやきます。」
そんな自己紹介を掲げて始まったTwitterアカウント「妻のパンチライン」。
書籍の試し読みや、発売記念Spaceの記事を公開します。