「子どもが一緒なのに、なんで5分で出発できると思ってんの!? それは想像力がないだけや」
「家事・育児に参加しない夫は、幽霊部員みたいなもん」
「子どもに、どうした? って聞きまくるのは、寄り添っているようで責めてるだけやで」
「結婚を恋愛のゴールにしたらアカン。結婚は共同創業と捉えたほうがいい」
「“いる”と“コミット”は違う。携帯片手にいるだけなんて、バイトだったらタイムカード切って! って言われるで」
など、「それ私の言いたかったこと!!」と全国の妻が共感しまくるTwitterアカウント、「妻のパンチライン(@wifeisking)」。書籍化が決定いたしました!
書籍『妻のパンチライン』の発売を記念して、TwitterのSpaceで毎日行われる対談企画。11月4日はインスタグラマー/SNSコンサルタントの宮田綾子さん(@ayako__miyata)にお越しいただきました。宮田さんも妻さんも離婚経験者ということで、「パートナーシップの解消と自分の幸せ」というテーマでお話しています。
幻冬舎plusではその内容を少しだけお裾分けします!
* * *
夫:今日からは出版記念イベントとして、毎日様々な方に来ていただくのですが、初回は宮田綾子さんにお越しいただきました! よろしくお願いいたします。
妻:今日のテーマは「パートナーシップの解消と自分の幸せ」。いきなり解消の話をしてしまいます、始まってすぐ終わるっていう(笑)。でもある意味、0から始まるので、様々な立場の方に聞いていただけるんじゃないかな。
まずは綾子さん、自己紹介をお願いできますか。
宮田:宮田綾子と申します。普段はInstagramで活動していて、13万2000人フォロワーがいます。
妻:13万! すごい人数やな。ほんまのインスタグラマーですね。実際にお会いしても「加工なしで!?」って思うぐらい綺麗やもんな。
綾子さんに初めて会ったときにね、私が写真撮って、色飛ばしたりして渡したら、「加工の写真になってますね~、ふふふ」って言われて。「加工してないんですか!?」って聞いたら、「そんなわかりやすくはしないです~」って。びっくりしたっていう逸話があるんですけど。
夫:それは君の逸話やん!
妻:そうやで、どんなに綺麗かっていう逸話や。綾子さん、すみません。続きをお願いできますか。
宮田:はい(笑)。インスタの投稿の仕方を教える先生の仕事をしていて、個人コンサルタントや企業とか行政向けのセミナー講師もやっています。それと、インスタで企業のPR案件を紹介する、インフルエンサーもやっています。
私がInstagramを始めたのは2016年、5年ぐらい前です。私、シングルマザーなんですけど、当時は派遣社員で、会社でOLをしていました。
夫:インターネットドリームやね。
SNSを通して、世界が広がる衝撃
宮田:当時、SNS はアルバム感覚でママ友同士、子どもの成長を見せ合う、みたいな使い方しかしていなくて。自分の投稿を全世界に公開するなんて、考えたこともなかったです。たまたま働いていた会社のFacebookを更新するっていう仕事があって、それで初めてSNSを触ってみたんです。5年前だから、Facebookがかなり盛り上がっていたころで、始めてみたら「世の中にはこんなにすごい人たちがいっぱいいるんだ!」って衝撃で。
夫:それってどういうことですか?
宮田:今までママ友としか接していなかったから、こんなにいろんなお仕事をしている女性がいるんだってびっくりした。私、働くっていうのは会社に行くことだと思っていたから、衝撃だったの。それで、これは楽しいぞって思ってやっていたら、ある時からFacebookで何を投稿しても「いいね」が1000件つくようになって。当時、『Facebookで1000いいね』みたいなタイトルの本も出ていたんです。それを見て「Facebookで1000いいねついたら本出せるんだ」って思ったんです(笑)。
それを見ていた知り合いの方が、「そんなにSNSできるなら、Instagramをやった方がいいよ」って教えてくれて。
妻:当時、流行りだしたころですよね。みんな、恐る恐る始めてた。
宮田:そう、おしゃれな写真を撮ることが流行ってましたよね。でも、仕事と子育てだけでも大変で、Facebookは仕事だからやるけど、プライベートで何か新しいことを始めるなんて考えられなくて。「いやいや無理!」って言って始めなかったんです。だけどその方が「絶対やった方がいい!」ってすごい勢いでごり押ししてきて。そこまで言うならって始めてみたんです。
夫:「妻のパンチライン」と一緒や。
宮田:始めてみたら、Facebookで受けた倍以上の衝撃がInstagramにはありました。広まりが全然違ったんです。Facebookはお友達同士になった人が見るって感じだと思うんですけど、Instagramはそうじゃない人からも見られる。その広がり方にすっかりはまっちゃいました。
Instagramを見ていたら、おしゃれな人がすごく多くて、それにもびっくりしちゃって。その中に、よく見たら商品の紹介をしている人たちがいて、普通の人なのになんでだろうと思って見てたんですが、ある時、これは宣伝してるんだなって気づいたんです。
夫:ステマが問題視される少し前ですよね。
宮田:そうなんです、インフルエンサーマーケティングがすごく盛り上がっていたころだったんです。そんなころにスーパーに買い物に行ったら、ペットボトルに「インスタグラマー〇〇さんコラボ商品」っていうラベルがついているのを見つけて。単純に「私もそれやりたい」って思いました。どうやったらなれるのかなーと思って。
当時は会社に通ってたし、誰かにInstagramを教えてもらうっていっても周りにやってる人いなかったし、とにかく目立つ人たちを徹底的に見続けて研究したんです。それが始まりですね。
妻:そういうお仕事をもらうには、フォロワーさんがいないとダメですもんね。
宮田:そうそう、これはフォロワーさんが何千人もいないとできないんだって気づいて、どうやったらフォロワーさんが増えるんだろうって思って、空いてる時間は全部インスタしてましたね。
妻:なるほど……。シングルになられた時は、インスタグラマーじゃなかったんですね。
宮田:はい、子育てしかしていない専業主婦で、シングルになるタイミングでOLの仕事を始めました。
20代はずっと商社のOLだったので、すぐできることって、会社で電話とるとか受付とか、事務職だなと思って。しかも当時はまだ下の子が幼稚園に通っていたので、送り迎えもあるし、定時で帰れる仕事じゃないとできなくて。仕事も選べなかったです。
妻:お仕事はブランクもあったんですか?
宮田:あります、10年ぐらい。
妻:ドキドキしませんでしたか?
宮田:ドキドキもしましたし、当時30代後半だったので、まずすごく狭き門でしたね。
妻:私、綾子さんはインスタグラマーになる前から、ずっとそういうメディア系のお仕事をされていたと思ってたんですけど、違うんですね!
宮田:全然違います! 私自分の話を全然しないタイプなので、あまり知られていないことかもしれませんね。
離婚も上京も、一人で決断
妻:前に聞いた綾子さんのお話ですごく衝撃的だったのが、離婚した後で親にも報告したっていうお話。親にも相談しないんですよね。
宮田:離婚するよ、とは言いましたけど、自分で決めてからですね。
離婚した10年前、仕事に復帰して、上京もしたんです。私、実家が名古屋で、当時は元夫の仕事の関係で名古屋にいて。でも子どもたちのお友達とか、知り合いのママ友は東京にいて。
妻:子育てのステージが東京だったんですね。
宮田:そうなんです。だから親には、「離婚するね」と同時に「東京に行くね」って(笑)。
妻:すごい決断力……! でもInstagramってどこからでも投稿できるとはいえ、今の綾子さんのお仕事内容を聞くと、結果的には東京の方が都合は良かったんですかね。
宮田:そうですね、名古屋と東京では仕事量が絶対違ったと思います。
自分の幸せをどこで見つけるか
妻:私は離婚も勧める派ですし、自分も離婚してるんですけど、綾子さんは離婚して本当に良かったって思えたタイミングっていつですか? もちろん別れた直後にホッとしたり、子どもと仲良く暮らせて良かったって感じられると思うんですが、自分自身「この生き方でよかったんだ」って再認識したり、私幸せだって思った時のことをお伺いしたいです。
宮田:幸せね……。妻さんもそうですけど、インスタをやってなかったら知り合えなかった人たちに会えた時かな。自分の力で仕事して、いろんな人に会えて、世界が広がったように思いますね。
あとは、自分自身の力でできてるって実感した時。それまで、自分の力で何かをやったって思ったことがなかったかもしれないです。私、普通に大学卒業して、すんなり商社に入ってお気楽OLして、寿退社して……、普通なんですよ。人生何事もなくすんなり行っちゃった。だから自分の力で何かやって達成感を得ることがあまりなかったんです。
夫:子どもができても、あまり感じなかったんですか?
宮田:そうですね、子どもも、欲しいなって思ったらすんなりできたり。割と人生すんなり来てたんです。
夫:でも今お話を聞いていて、綾子さんと妻が共通してると思ったのが、二人とも表現したいことが内側に積もってたんじゃないかなってこと。
「妻のパンチライン」は始めたら割とすぐに反響があって、妻に「なんでこんなに反響があるんだと思う?」って聞いたら、「私は子どもが三人連続で生まれて、社会から数年間断絶されて、囚人みたいな生活をしてきた。言いたいことが積もり積もってる囚人の言葉は、絶対面白いやろ」って言ってて。綾子さんのさっきのお話を聞くと、自分で決めたり、達成感がないって言ってたけど、逆にだからこそ、「いつかは自分で決めてやる」っていうエネルギーが爆発したのかなと。
宮田:確かに、自分が思っていることを外に出すことを、それまでずっとやってこなかったので、気持ちのどこかにあったんでしょうね。
夫:じゃないとこんなに続かないし、話題にならないと思うんです。
自分を表現するには、確固たる芯が必要
夫:「妻のパンチライン」を始めて、物理的に家に閉じ込められるわけじゃなくても、妻になると抑圧されたり、肩身が狭い思いをしている人が多いと感じていて。だからこそ、秘めたる思いも強くなるんじゃないかなと思って。だからそれを解放できた人は面白くなると思う。
綾子さんはそれができていると思うんですが、どうやってそれができたのかを聞いてみたいです。
妻:私もそれは綾子さんに聞いてみたい。小さなお子さんが二人もいらっしゃる母でありつつ、自分を解放して表現できているのはどうしてか、聞きたいです。
宮田:もともと、ファッションとかビューティは好きで、ママ友に「なに使ってるの?」って聞かれたりしてはいたんです。それをInstagramに置き換えた感じかなあ。
妻:やっぱりセンスがあるからですよ。あと、綾子さんは空気感を出すのもうまいと思う。
宮田:そうですかね、あまり意識はしていないんですけど。マイペースですし……。でも確かに、人に振り回されずに自分で決めてるっていうのはあるかもしれません。
妻:これは参考になりそうでならないですね(笑)。どこから行っても「宮田綾子」にたどり着くんですよね。確固たる芯があるからこそですね……。
自分で自分に花を添えることの大切さ
妻:綾子さん、「妻のパンチライン」のツイートで覚えているツイートってありますか?
宮田:妻さんが買い物に行くときにお化粧をしているのを見て、そんな綺麗にしていかなくてもいいじゃん! ってやつありませんでした?
妻:あぁ~!
朝から急いで化粧する妻に、『近所に行くのに化粧する必要ある?誰も見てないでしょ』と言うと、妻が「あんた、誰かに見られるために化粧してると思ってるの?逆や。化粧もネイルも自分に添える花なんやで。自分のために自分でする。部屋に花飾るのと一緒や。人から花を添えられるんは死んだ時でええ」
— 妻のパンチライン@Amazon予約受付中 (@wifeisking) October 5, 2021
宮田:誰かに見られるから綺麗にするんじゃなくて、自分に花を添える。あれ、よかったですね。わかる~! って思いました。
妻さんのツイートは女性からの共感が多いですよね。
夫:(朗読)
妻:そんな優しい言い方ちゃうかったやん! そんなんだったら「そう?」で終わっとるわ。
朝って洗面所が混雑するじゃないですか。だから私をどかそうと思っての言葉だったんですよね。何にもわかってへんな! って説明したっていうツイートですね。これは本に入ってないですね、新しいツイートなんで。いいツイートを選んでいただきました!
宮田:でもほんとに、自分で自分の気分を上げるって大事なんです。近所だからって適当な恰好だと、人目に触れないようにさささ~って行動しちゃうじゃないですか。ちょっとでも自分に花を添えるっていいですよね。
* * *
11月10日の発売日まで、毎日21時半からSpaceで妻さんが様々な方と結婚、夫婦、子育て、女性のライフプランなどなどについてお話します。
是非Twitterで「妻のパンチライン」アカウント(@wifeisking)をフォローの上、お楽しみください!
妻のパンチライン
「毎日の家事・子育てのなかで、妻が息するように吐き出すパンチラインをつぶやきます。」
そんな自己紹介を掲げて始まったTwitterアカウント「妻のパンチライン」。
書籍の試し読みや、発売記念Spaceの記事を公開します。