人気占い師、真木あかりさんの新刊 『2022年上半期 12星座別あなたの運勢』より、
全体運
自分を決めて、自分になる。
名乗ったらその日からなれる職業、というものがあります。仕事のクオリティがどうか、プロとしての心構えがうんぬんといった話はいったん脇へ置いておくとして、ミュージシャンやクリエイター、ライターなどがあるでしょうか。考えてみれば、占い師もそうです。もちろん勉強や修練は必要ですが、医師や弁護士のように資格が必要なわけでもなく、名乗ったら、もうその人は占い師です。自分が何者なのか、自分で決めて自分で名乗る。そこには周りが認めてくれるとか、くれないとかいったことは関係がありません。自分がしたいことを実現するために、自分で「なる」ことを選択するのです。タレントさんがよくなさっている「悪魔」や「○○星から来た」といったキャラ設定もそうでしょうね。
職業にたとえて書きましたが、たとえばプロポーズする、プロポーズを受けるといったことも「なる」の一種でしょう。相手との生活や未来をあれこれ思い浮かべて、みずから望んで夫や妻になることを選択します。この人となら、きっと幸せな日々が送れるに違いないと胸を高鳴らせて、うんと未来に期待して。
うお座の人は2022年上半期、「自分は何者か」、そして「自分はどうしたいのか」という問いを繰り返し、受け取る機会があるでしょう。みずから、自分の胸に問いかけることもあるでしょうね。そのきっかけは人によって、実にさまざま。いずれも人生の「節目」と呼ばれるような出来事でしょう。たとえば結婚や離婚、仕事でいえば転職や独立、昇進など。どれも、これからのあなたが自分らしい人生を生きるために、決して避けることができない人生の岐路です。振り返ってみれば、ここ10年くらいずっと、自分のなかで考え続けてきたテーマがここにきて表面化する、という人もいらっしゃるでしょう。どこからか聞こえてくる「自分はどうしたい?」という問い。いい機会と思って、まっすぐ向き合っていかれるとよろしいかと思います。
もちろん、希望を出せばすべて通るとは、あなたも思っておられないでしょう。社会のなかで生きている限り、制限はあります。願えばすべて叶うほど、人生はシンプルではありません。それでも自分のアイデンティティをこうと決め、どうしたいかを明確にする。そうすることで納得のいく未来に照準を合わせていけるのが、2022年上半期です。
この時期に巡ってくる運を後押ししている星々についても触れておきましょう。なぜなら、あなたの“守り神”のような存在だからです。ひとつは「幸運と拡大の星」と呼ばれる木星。もうひとつは「インスピレーションの星」と呼ばれる海王星です。木星は、古典的にうお座の支配星とされてきた惑星です。海王星は現代占星術で、うお座の支配星と位置づけられています。支配星である星座にいるというのは、惑星にとって「ホーム」での試合のようなもの。最もその持ち味やエネルギーをまっすぐに、発揮することになっています。そう、上半期のうお座は“強い”のです。
おそらくですが、「あなたは何者か」「あなたはどうしたいのか」といった問いは、どれだけ考えても答えに自信なんて持てないのでしょう。思い込みかもしれない、間違っているかもしれない。そうした不安は影のように、いつもぴったりとあなたにくっついているのでしょう。きっと100歳まで生きたって、確信なんて持てない。でも、今年は決めて大丈夫です。木星が巡ってくる時期というのはチャンスが多く、とにかく多忙です。じっくり考える時間もなく、押し流されるようにして決める人も多いと思うのですが、そんなときでさえ、あなたの決断は一朝一夕に出されるものではないはずです。何年も何年も、静かに降り積もる雪のように心のなかに、「こんな自分がいいんじゃないか」「こうすればいいんじゃないか」という思いのかけらは積み上がってきているのですね。だから、怖くても大丈夫。決めていきましょう。できる範囲で、構いませんから。
というのも、こうした問いは5月上旬までに投げかけられることになっているのですが、2022年のラスト2ヵ月でまた「お~い」という感じでジャブを打ってくることになっています。おそらく、そこが最終決断となるでしょう。だから、上半期に100%決められなくたって大丈夫です。63%でも、77%でも十分価値があります。決められないことにも意味はありますから、「ボチボチ考えていこうね」なんてスタンスで、63%や77%の自分にも付き合ってやってはどうだろうかと思います。
手に入れたものの先に、何があるのか?
5月11日以降、ふわりと空気が変わってきます。おそらくですが、ここから秋までのあいだは「長く頑張って身につけてきたことが実力として身についていることを感じる」「収入がアップする」「ちょっといい道具を手に入れる」といったことが起こると予測されます。ちょっと思い切ったお買い物、あるいは自分への投資といったことは、ぜひ前向きにお考えください。若干、気が大きくなりがちなところはありますが、きっとあなたができることを何倍にも増やしたり、心が満たされる感覚があったりと、意義ある出費にできるはずです。
いい出費にするポイントは、「それを手に入れて、何になるのか」を徹底的に考えるということ。メリットがなければモノを買ってはいけない、なんてつまらないことは申しません。楽しいだけのお買い物だってあるでしょう。ただ、この時期は「拡大」の星回りです。「乗らずにいられるか、このビッグウェーブに」の波を起こすものが、あなたが手に入れるモノや能力です。「今が楽しければいい」的な“浪費”で終わってしまっては、さざ波程度。でもあなたの未来につながるように考え抜いた能力やモノであるなら、ポルトガルのナザレくらいに大きなビッグウェーブだって夢ではありません。
そうした意味でも、5月までに向き合った「あなたは何者か」「あなたはどうしたいのか」というテーマは、重要な意味を持ってくるでしょう。イチから「えーっと、手に入れて価値があるものは……」と考えたりしなくても、あなたはちゃんと答えを知っているのだろうと思います。
また、これは私の考えすぎかもしれませんが、心のどこかで自分の弱さやズルさといったものを否定し続けてきた人は、ここでどこか“救われた”ような気分になるのかもしれません。「自分の力を役立てる」と考えることで自分の成長を実感したり、「自分が満たされることで、他者にも優しくなれる」経験が心の穴を埋めていったりするからです。
特に2021年が始まった頃から、どこか自分が偽善者めいた存在に感じられてきた人は、辛かったでしょう。自分のなかにある偏見や毒は、ふとしたときに顔を出します。それが、頭から離れない。何をしていても「本当の自分はズルくてちっぽけで、至らない人間なのだ」という考えが出てきてしまうのです。でも、それは単なる自責の念でも、何かに過敏になっているだけでもなくて、自分の力で乗り越えるために出てきているのだろうと思います。そして、自分が持つ能力をわずかでも役立てることができるのかもしれないと思ったとき、少しずつ解消に至るのだろうと思います。
手に入れたものの先に、何があるのか。誰が笑顔になると、自分は幸せなのか。おそらくですが、5月から秋にかけてのあなたは以前よりもずっと迷わずにいられるはずです。申し上げるまでもないことですが、1月から培った「あなたは何者か」「あなたはどうしたいのか」という問いへの答えが、自分を支えてくれるからです。
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※完全版(12星座分)のみの特典となります。星座別の分冊版からはご覧いただけません。恐れ入りますが、ご了承ください。