人気占い師、真木あかりさんの新刊 『2022年上半期 12星座別あなたの運勢』より、
全体運
自由のための土台を作る。
今となっては笑い話と言っていいのだろうと思いますが、コロナ禍でステイホームが推奨され始めた頃「一番ステイホームがつらい星座はどれか?」という話題が出たことがあります。私はいて座で「火の星座だから、キツイんじゃないですか?」と言われることが多かったのですが、あなたはいかがでしたか。この「火の星座」というのは星占いの「エレメント」という分類のうちのひとつで、ほかに地、風、水の星座があり、それぞれに3星座が振り分けられます。火の星座にはいて座のほか、おひつじ座としし座があり、まっすぐに世界に飛び出していく生命力の塊のようなグループです。
星回りを見ていると、おそらくですがいて座の人々は、多少の閉塞感はありつつも、意外と楽しみを見いだせていたのではないかと思います。2020年は好きなものに囲まれ(少々、いやだいぶ散財をしたかもしれませんが……)、2021年は読書や勉強、趣味に没頭。いて座のシンボルは「射手」という名の通り矢で表されるのですが、飛ぶこともできずとどまったまま、という感覚はなかったはずです。むしろ頭のなかで、好きなことや知的好奇心を抱いた対象に次々と飛んでいく矢があったのではないでしょうか。
2022年上半期、その矢は飛ぶことだけを目指していたときよりも少し範囲を広げ、飛ぶための「土台を作ること」に目が向けられるようになります。足元をしっかり固める、姿勢と心を整える、自分が飛んでいきたい方向を確認する。精神面でも物質面でも、土台を固めることに割く時間が増えるのです。
たとえば、家のなかを徹底的に整えたり、住み良いように改造したりする人は多いでしょう。引っ越しや物件購入、移住といった大きな転機を迎える人もいそうです。これは単純に居心地のいい住まいを手に入れる、というだけの話ではありません。自分が自分らしく過ごせる環境を作ることで、あらゆることを頑張る土台を作ることがメインです。そうした意味で、ひとり暮らしを始めるにもいい時期です。庇護してくれる存在のもとを離れたとき、自分の人生を生きる力が豊かに育ち始めるのですね。
仕事面で頑張っている人にとっては、頑張れる環境を目指して職場を整える機会が訪れますし、それが叶えられない場合は転職もありうるでしょう。ここまで、どこにも自分の場所を見いだせずにきた人もいらっしゃるでしょうか。そうした方も、「ここが自分の拠って立つ場所なのだ」と思える土台を、自分の手で作っていくことができるはずです。
思考や精神の土台を整える人もいます。たとえば現代は、ネットで検索すればあらゆる情報にすぐアクセスできる時代です。まったくの門外漢でも、30分もネットサーフィンをすればいっぱしの専門家ぶって“それっぽい”意見を言うことは難しくありません。「愛するとはどういうことか」といった答えのない問いにも、ウィットの効いたジョークから本質的な回答まで、さまざまなものが見つかります。しかし好奇心はすぐに満たすことができますが、これでは他人の頭で生きるのと同じこと。あらゆるシーンでそうしていると、人生の課題に直面してふと立ち止まったとき、「どうしていいのかわからない」と途方に暮れることになります。
2022年上半期は、あらゆる面で「思考の軸」を持つことを求められるでしょう。なぜ、それをするのか。なぜ、そう考えるのか。自分の原点はどこにあるのか。なぜ、その目標を選ぶのか。
「難しいことは考えないで、とりあえず飛んでいこうぜ」という矢の発想には勢いがあります。ただ、それだけで遠くまで飛ぶことはなかなか難しいのです。的にすら当たらないかもしれません。確かな大地を踏みしめ、正しい姿勢をとり、目指す方向へ飛ばす。それでこそ、まっすぐに進んでいけるのです。2022年上半期にいて座の人々が「場所を整える」「思考や精神を整える」といったアクションに関心が向かったり、それに伴う出来事が起きたりする場合は、そうした意味合いが出てきます。
世の中を見渡してみると、コロナ禍のステイホーム期間に環境を大きく変えたという人は少なくありません。ベランダにウッドパネルを貼り、テーブルと椅子を出して仕事をした人。リビングの一角に壁を設け、ワークスペースを作った人。リモートワークの環境が整ったことで、念願だった海や山のそばに移住した人。都心から離れ、広めの家を手に入れた人。たくさんの人が自分の場を整えて、制限があるなかでも最大限に楽しんでいましたね。いて座の人は、これからがその季節になるのかもしれません。すでに2021年11月からお金をかけ始める人もいるでしょう。2019年頃から考えていた「生活改善」を、ここからいよいよ本格的に実行に移すという人も、少なくないはずです。
それらはすべて、5月以降に飛んでいく矢をより遠く、確実に飛ばしていく力になります。同時に、あなたが生涯かけて追い求めていく「自由」をつかむ力にもなるのだろうと思います。
人生にときめいていこう。
5月中旬以降、いて座の人はなんだか無性にワクワクしてくるでしょう。やりたいことが、どんどん増えてくるのです。誰に言われたわけでもないけれど、ずっと没頭していられるほどハマれること。占いの世界では「自己表現のとき」などと言い表すことが多いのですが、あなたならどんなことを連想するでしょうか。楽器の演奏や歌、写真、アートといった芸術系などは連想しやすいですね。読書が好きな人であれば、読むだけに飽き足らず小説やエッセイを書き始めたりするのかもしれません。料理を作る、ファッションを楽しむ、動画を撮る……いずれの場合も、あなたの「好き!」という感情に突き動かされるようにして、2022年の夏から秋を夢中で駆け抜けていくことになります。難しい理屈はおそらく5月までにめいっぱい考えつくしているでしょうから、まっすぐにときめくほうへと飛び出していくといいはずです――と書いたところで思いましたが、この頃のあなたならきっと「気づいたら飛び出していた」状態になっている可能性のほうが高いでしょう。
なお、対象にハマるなかで「学び」がひとつのテーマとなってくることもあるでしょう。たとえば占いにハマって海外の文献まで調べるようになったり、料理にハマって科学を勉強し直したり、といった感じです。そうした場合、インスタントな情報を仕入れてもあまり面白みはなく、時間をかけて学ぶことにキラキラしたアイデアや、面白い発見がくっついてくるでしょう。
現段階で、特にやりたいことが思い浮かばない方もいらっしゃるでしょうか。「やりたいことを見つけましょう」「やりたいことをやりましょう」と、子ども時代からあちこちで言われる現代。かつて、小学生の子どもから「やりたいことがないのは、ダメなことですか?」と聞かれたことがあります。僕はやりたいことがない、でも親も先生も「やりたいことは何?」と聞いてくる、と。その子がどんな思いで「自分はダメなのか?」などという悲しい問いを抱え続けてきたかと思うと、今でも胸が詰まる思いがします。
ダメなんてことが、あるものでしょうか。やりたいことがないのは、まだ“それ”に出会っていないからです。出会うタイミングは人によって違い、すぐ見つける人もいればゆっくり見つける人もいます。むしろ、周囲のムードに合わせずに「ない」と思えるほうが、価値があると私は思います。ありのままの自分を、正確にとらえているのですから。
2022年から2023年にかけては、いて座の人がやりたいことを見つけるのにぴったりの「巡り合わせ」が、いつも以上に起こりやすくなります。5月半ばから10月まで、そのチャンスはぐっと拡大するでしょう。5月はハッピーに、6月はひたすらアツく。これまでなんとなく続けてきた趣味が注目されたり、びっくりするほどハマれるものと出会えたりと、気持ちが盛り上がってくるでしょう。だから安心して、ときめくつもりでいましょう。
やりたいことがないのは、まだ“それ”に出会っていないから――そんなふうに、先程書きました。この時期は運が出会いを後押ししてくれますが、「自分から動く」というのが最大のカギです。面白そうなことがあったなら、どんどん触れていきましょう。ご存知の通り、世の中には星の数ほどの楽しみがあります。仮にひとつやふたつハズレに当たったとしても「合わないことがわかった」ことにも意義があります。ですから「よしっ、次いこ次!」と言える勇気も大切に、前に進んでいけると素敵です。
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※完全版(12星座分)のみの特典となります。星座別の分冊版からはご覧いただけません。恐れ入りますが、ご了承ください。