人気占い師、真木あかりさんの新刊 『2022年上半期 12星座別あなたの運勢』より、
全体運
自分の世界を広げる、無限のリンク。
クローゼットをひらいて「着ていく服がないな……」と思った経験はあるでしょうか。ここで「ないです」と言われるとこの章が3行で終了してしまうことになるので、ここはぜひ熱烈に「あります」「1日に35回くらい思っています」と答えていただきたいのですが、服はあるのです。でも、それをどう着こなすのかというアイデアがさっぱり湧いてこない。さあどうしたものかと思い、雑誌の「こなれ感抜群! 7着で着回す1ヵ月ダイアリー」なんてのを見たり、街ゆく人の着こなしをマネしてみたりする。すると「何を着てもコレひとつあればそれなりに見える」という小物もわかったりして――そんなふうに、自分が持っているものを活かして知のリンクをつなげていくのが、2022年上半期にあたっています。
急な方向転換に頭がついていかない方も多いと思いますので、占いの話をしてまいりましょう。2021年、やぎ座のあなたはたくさんの「もちもの」を、手に入れて来られましたね。かたちあるモノはもちろんのこと、仕事のスキルや「こう考えるとうまくいく」という思考のパターン、パッと動ける対応力まで、かたちのないモノもいっぱい。宝物に武器、装備とそのモノの位置づけもバラエティに富んで、フフッと笑みがこぼれる瞬間がきっとあるのだろうと思います。簡単に手に入ったものばかりではないでしょう。どちらかというと、苦戦したり「これを手に入れて何になるんだろう」と立ち止まって考えたりしながら、たくさんの時間をかけてやっとの思いで手にしたもののほうが、多いだろうと思います。頑張っていらっしゃいましたね。
2022年上半期、これらのものは「ある」状態が当たり前になります。そしてあなたの関心は、さらに新しい何かを手に入れることではなく、あるものを活かしていくことに関心が向かっていくでしょう。たとえば服はクローゼットに死蔵していては単なる布ですが、着回しテクが頭に入っていると活用度は桁違いに上がります。今は旬を終えたシルエットでも、今風のアレンジをすることで「むしろ新しい」なんて言われたりもします。リメイクや染色などでまるで違うアイテムにすることもできるでしょう。ただ、こうしたことには「学び」が必要です。Tシャツひとつとっても厚手と薄手ではまるで見え方が異なること、着やせ・着太りなど見え方のルール、柄に柄を重ねるコーディネートはアリなのかナシなのかなど、「もう服の話はええわ」という方もいらっしゃるかもしれませんが、知れば知るほど幅は広がっていきます。私など迷彩柄が好きすぎて、ときどき「今から軍事演習」と言わんばかりの出で立ちになってしまうことがよくあります。
おそらくですが、急に「これについて、もっと知りたい!」という好奇心がモリモリ湧いてくることが多いはずです。語学や資格取得など、教科書的な学びにも身が入りますし、読みたい本がたくさん見つかる人もいるでしょう。おもしろいことに、ここでの知の欲求はどんどん増えていきます。知れば知るほど知りたいことが増えて、知のリンクがどんどん広がっていくことになるでしょう。SNSで学んだことを発信したり、記録をつけたりする人も多そうです。
知のリンクを広げていくと、あなたのまわりにどんどん人が集まるようになります。「今、これがすごくおもしろくて!」「今、こういう勉強をしてるんですけど……」といったことを話したり、SNSで発信したりしていると、話題に事欠きません。コミュニケーション量が格段に増え、出会う人の数が相対的に増えていくでしょう。「実は私もそれ、ずっと興味あって」「おもしろそう、やってみたいな」などと、知のリンクに前向きなエネルギーに満ちた言葉や人がリンクしていくんですね。それは単に「知り合いが増える」ということだけでなく、「響き合う」「反響し合う」といった感覚をももたらしてくれるだろうと思います。
新型コロナウイルス感染症の流行以来、私たちは誰もが経験したことのないレベルで、さまざまなつながりから切り離されました。仕事の合間に交わすちょっとした雑談の価値、「また会おうね」はいつでも叶うと無条件に信じていたこと、顔を見るだけでも充分な喜びだったこと――そうした「失って初めて気づくものの価値」を改めて思い知った人も多いかもしれません。まあ「部長と会わない人生、最高!」「ムダな飲み会からの解放!」といった、つながらない喜びもまたあったわけですが、ここから改めて「響き合う人とつながっていく」という人間関係の再構築も、きっとあるのだろうと思います。そこでの思考プロセスがまさに「学びである」という人も多いでしょう。手を伸ばせば、世界がそれに応えてくれるかのように、知のリンクが豊かに広がっていきます。
自分の「ベースキャンプ」を作る夏。
5月上旬まで精力的に知のリンクを拡大していくあなたですが、5月中旬あたりから少し感じ方が変わってきます。もっと広く知るためには、もっと好きなことを深くしていくためには、自分の土台がしっかりしていないといけないということに気づくのです。これまで時間をかけて培ってきたものと、本当にやりたかったこと。そのふたつをすり合わせて「ベースキャンプ」的なものを作っていく時期が10月まで、続いていくでしょう。5月までに経験した学びや出会い、コミュニケーションなどがその必要性に気づかせてくれるのかもしれません。
培ってきたスキルや手に入れたものが、本当にやりたいこととズレていること自体は、いけないことでもなんでもありません。やってみないとわからないこともありますし、人生は何かの目的のために生きなければいけないわけでもありません。ただ、無目的にスキルやモノを手に入れ続けると際限がないどころか、いつの間にかそのスキルやモノ自体よりも「手に入れること」が目的になってしまったりします。欲に振り回される状態です。「頑張っているのに、どこかむなしい感覚がある」「いろいろやったが、どうも報われない」といった感覚がある場合は、頑張っていることの一部でも「自分が本当にやりたいこと」とすり合わせて近づけていくことが大事です。
最初から両者がぴったり一致している人もいるでしょうね。「ベースキャンプ」的なものが脳内にあり、そこに必要なものやスキルをコツコツと集めていくようなやり方です。もとよりやぎ座は、計画性にすぐれた人々です。目的意識をもってコツコツと努力を積み重ね、目標を達成することに情熱を注ぎます。その足取りに不安定なところはないでしょうが、もし10月くらいまでのあいだに「理想のベースキャンプと考えていたものが変化した」と感じるところがあったなら、そのときはスルーせずにその感覚にとことん向き合ってみていただけたらと思います。
人間は自分が想像できる範囲でしか願いを持つことはできません。しかし常に成長しているわけで、過去の想定を超えるような思い、状況に至ることも少なくありません。5月中旬から10月いっぱいは、それが自分の「土台」について起こりやすくなっています。
なお、変化を起こした結果は、あなたにとっては「これがベスト」と思えるかたちにしていけるはずです。仮に今の自分とは違いすぎる変化であっても、恐れる必要はないでしょう。仮に恐れるべきことがあるとすれば、「いやいやそんな、無理無理無理」と自分を過小評価したり、過去の自分に義理立てして「いやいや一度決めたことだし」と変化をスルーしたりすることです。
さあ、新しい環境へ。
これは当てはまる人ばかりではないと思いますが、「新しい環境に移る」という人が、5月以降は多くなるかもしれません。たとえば引っ越しをする、実家に帰る、移住する、ふたりぐらしになる、ひとりぐらしになる。物件的なことばかりではありません。結婚する、子どもが独立する、離婚するなど、住まいは変わらず人が変化することもあります。
なお、「ウチ」と呼ぶ場所がある人は、そこに変化が現れるケースもあるだろうと思います。たとえば職場や学校など、所属している組織ががらりと変わる、様子が変わるということですね。
やぎ座の人は基本的に安定を好みますから、「変化」と聞くと「この先、どうなってしまうのだろう」と不安になることも多いかもしれません。ただ、一度新しい環境で頑張ろうと思えたなら、そこに全力を注いでいけるタイプの人でもあります。ここで生活や場所に変化が現れるというのは、少し未来のあなたにとって「よかった」と思えるものであるはず――あなたがそうしたいのであれば、ですが。だから、もし環境の不安が脳裏をよぎったときは、どうぞ思い出してください。これは、今年の自分にとってはいい流れなのだと。自分にはいい流れにしていけるだけの運と、能力と、実行力がそなわっているのだと。
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※完全版(12星座分)のみの特典となります。星座別の分冊版からはご覧いただけません。恐れ入りますが、ご了承ください。