人気占い師、真木あかりさんの新刊 『2022年上半期 12星座別あなたの運勢』より、
全体運
共感とつながりの春。
2022年は年間を通して、人間関係が充実しています。といっても、人生において人間関係がまったく絡まないテーマなどほとんどないわけで、そういった意味では「人生が充実する」と思っていてもいいのかもしれません。
振り返ってみると、2021年までの約6年間は、おとめ座の人にとって「個人を磨く」時期にあたっていました。ちょっぴり子どもっぽいホンネや、人生の“学び直し”のようなこと、ホッと心が落ち着ける居場所の探求まで、嬉しいこともそうでないことも、頑張っていらっしゃいましたね。どんな経験もみんな「自分」の一部に変えて、今のあなたはグッと成長しているはずなのです。2022年からの約6年は、「社会のなかで成長する時期」。そのスタートとなる1月から5月上旬、「幸運と拡大の星」と呼ばれる木星が、人間関係を頼もしく後押ししてくれます。人とアツく盛り上がれる人は多いでしょうし、真摯なお付き合いができるパートナーと巡り会える人もいます。結婚する、あるいはそれに準ずるような関係を大切な人と作り上げていく人も多そうです。
人間関係と一口に言っても、いろいろなものがありますね。たとえば家族に子ども、仕事関係、友人関係、それから恋とパートナーシップ。SNSのように他人と広くゆるくつながる、という関係もあるでしょうし、ファミリア・ストレンジャーと呼ばれる他人もいます。そうしたなかでいえば、特に2022年1月から5月上旬の人間関係は「一対一で向き合う相手」、恋や仕事において真摯に向き合い、心と心の交流をはかるような人が対象となります。すでに出会っている相手はもちろんのこと、これから出会うという人もいるでしょう。あなたは、誰の顔を思い浮かべましたか。また、どんな人と出会いたいでしょうか。
つながる。向き合う。相対する。意見を交わす。微笑み合う。そうした2022年の人間関係のベースにあるのは、「共感」というキーワードです。人間はどこまでいっても「個」と「個」であり、相手の気持ちなどはわかりません。どんなにその人のことを大切に思っても、愛していても、たとえ相手が言葉で示してくれたとしても、「わかる」は思い込みでしかないのです。自分の気持ちを正しく言語化するのは、とても難しいことですから。
それでも2022年は、相手のことをまるで自分のことのように、深く同調し、理解できたように感じられる瞬間が多いでしょう。誰かに対して「そうだよね」「わかるよ」という言葉を純粋に発することができますし、その相手もまた「わかってくれたんだ」と感じてくれることでしょう。それらだって、冷静に考えるならば幻想に過ぎないのです。ただ、あなたと誰かの心がぴたりと、同じ波長で響き合うときがあるのだとしたら、こういう時期なのだろうと思います。そしてきっと、奇跡と呼ばれたりするのでしょう。そこからかけがえのない絆や愛といったものも、生まれていくのだろうと思います。
もしも共感したい、わかりたいと思えるほどに大切な人ができたなら、その人の「目」になって想像を広げてみるのもいいかもしれません。この人は、世界の何を見ているんだろう。誰の、どこを見ているんだろう。そんなふうに――相手のことをわかりたいと思うと、人は無意識のうちにその人の「なか」を見ようとします。心のひだの奥まで、入念に隠された秘密まで。でも、それはあなたの想像の範囲内でしか探れないことでもあります。2~3年ほど前から、あなたには「まだ見ぬものに目を向けよ」という星回りが始まっています。先入観にとらわれず、新しいものを見ておのれを変えよと、星が働きかけているのです。この2022年、対人関係においても同様の姿勢で「本当に望んでいた関係」が視野に入りやすくなるかもしれません。他人を理解しながら世界を広げる、そのことが相手の理解につながっていくとしたら、どれだけ幸せなことでしょうか。
なお「対人関係がいい時期」と申し上げると「これまで抱えていた問題が解決し、嫌いな人がいなくなり、友達も知り合いもたくさんできてハッピーになれる」といったイメージを抱く方も多くおられます。いいですね、私もそうありたいです。言葉には尽くしがたいほど嫌なことをされたり「あいつの家のトイレが永遠に詰まりますように」と思ったりするようなことは、ないほうが嬉しいです。ただ、2022年上半期は、天から良縁が降り注いできたり、自動的に問題が解決したり、嫌な人が全員島流しになるといったことばかりではありません。どちらかというと、一対一で向き合う相手との関係が充実することで「自分が変わる」、そしてそのことが「相手も変えていく」という時期です。共感できる相手のいいところを取り入れたり、「自分も頑張ろう」と努力したりと人間的成長を目指す。相手を助けたい、力になりたいと努力する。それでこそいい関係にしていけますし、周囲にもそうした人が集まってきます。
ここ1年ほど、他人に対して過度に神経質になったり、極端な発想を抱いてしまったりすることが増えていた人もいらっしゃるでしょうか。そういう星回りでもあるのですが、もしそんな感覚を得ていたとすれば、つらかったでしょう。頑張ってこられましたね。神経質なのは、たくさんのことに気づくことができた証拠です。極端な発想になるのはその分、相手と真摯に関係を深めたかったからだろうと思います。2022年上半期は、そうした不器用さもまた糧として、あなたの「本当の優しさ」が出てくるはずです。だから、きっと良くなると思って、良くしていけるのだと信じて、前に進んでいきましょう。
ド根性は、自分のために。
2022年上半期は、5月中旬頃から雰囲気が変わってきます。仕事や所属している組織において、大事な役割を担うことになる人は多いでしょう。家庭を持っている方は、家族のなかで担う役割や責任の量を調整することになるかもしれません。おそらくこの1年、自分に負担を強いるようにしてかなり多くの責任を引き受けてきた人が多いだろうと思うのですが、「やりきった後の調整」の時期が始まるのです。
仕事にたとえるとわかりやすいだろうと思うのですが、ちょっとハードな仕事というものは得てして、やってみないと判断がつきません。「意外とできる」かもしれないし、「いやもう無理、これ以上は勘弁」なのかもしれません。難しい場合は2021年に頑張ったことを踏まえて調整していくことができるでしょう。逆に、ここまでの努力が信用されるかたちで、新たに責任あるポジションを任されたり、大きなプロジェクトに大抜擢されたりと、さらなる活躍の場を用意されることも。背負っているものを調整する場合も、新たに背負う場合も、どちらも「根拠もなくもたらされる話」ではありません。あなたの発言だから「信頼して、調整しよう」となりますし、「あなただから、このポジションをお願いしたい」ということになるのだろうと思います。過去に積み重ねてきた努力が、決して無駄ではなかったとわかる瞬間も多いでしょう。何か懸念点があるならば、抱えたままにせず「交渉」してみるといいでしょう。それがまた、信頼につながっていきます。
ところで、アスファルトを突き破って芽を出したり花を咲かせたりする、いわゆる「ド根性植物」というのをご存知でしょうか。雑草生態学を研究されている農学博士の稲垣栄洋氏の本『大事なことは植物が教えてくれる』によれば、アスファルトを押し上げる雑草の芽の先端の細胞は、十数気圧もの膨圧(細胞膜を細胞壁に押し付ける圧力)があるとのこと。
「しかし、この圧力だけではアスファルトを破ることはできません。アスファルトの硬さに細胞は傷つき、壊れてしまいます。それでも芽の先端の内側では休むことなく細胞分裂が行われ、次から次へと新しい細胞が補強されていきます。そして、ゆっくりと、しかし休むことなくアスファルトを押し続けるのです」
『大事なことは植物が教えてくれる』稲垣栄洋(マガジンハウス)
大きな障壁をものともせず、押し続ける。雑草にたとえられるのはちょっと微妙な気分かもしれませんが(バラとかがいいですよね……すみません)、この継続力は今のおとめ座の人々の粘り強い努力とよく似ています。おとめ座は、こうと決めたら頑張り続ける力を持った人なのです。ただ、それでもこの1年というのはなかなかにしてハードだったことでしょう。やるしかない、そう思ってコツコツと壁を押し続けたものの、くじけそうになったことも数え切れないほどあったかと思います。
先ほど引用した『大事なことは~』の本によれば、植物たちの努力が実り光が見えてくるのは、太陽の熱で熱せられたアスファルトが柔らかくなる季節が多いそうです。そして、いざ芽を出してしまえばたやすく枯れることはありません。なぜなら抜こうとしても、アスファルトで覆われた地面のなかにガッツリと根を張っているため、いくらでも再生することができるからです。おとめ座の人にとっては、早い方であればすでにその時期は来ているでしょう。まだの方は、この2022年になると予測されます。
2022年上半期、これまでのあなたの努力を見てくれていた人々は行動を起こします。あなたがあなたらしくアスファルト的なもの――障壁を突き破るチャンスを示してくれるのです。さらにいえば、このアスファルト的なものは、突き破ってみれば感覚が変わります。今まで自分を阻むだけでしかないように思えたものが、逆に自分を守るものとして機能していることに、気づけたりもするのでしょう。
なお、大事なのはド根性で壁を破ることではありません。私たちはアスファルトに咲く花を讃えますが、植物はアスファルトを破るために生きているのではありません。花を咲かせ種子をつくり、次世代に命をつないでいくために生きているのですよね。私たちも、ド根性であるために頑張ってはいけないのだと思います。そうではなく、壁を破った先にある幸福こそを、「頑張る」目標にしたいですよね――おとめ座のみなさんは、私が申し上げなくてもわかっておいでだと思うのですが。
アスファルトを押し上げる芽の細胞は、傷つき壊れます。それでも新しい細胞を作り続けますが、努力は痛みも伴うのです。頑張り屋さんのあなたが、アスファルト的なものを突き破ることで限界を迎えてしまわないように、その先を見つめて頑張る度合いを調整していけるように、2022年5月から10月あたりまでの時期は少し、自分を冷静に振り返っていただけたらと思います。
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また、電子書籍購入者のみの特典として、2022年上半期の重要日をお知らせいたします。
※完全版(12星座分)のみの特典となります。星座別の分冊版からはご覧いただけません。恐れ入りますが、ご了承ください。