引っ越しが終わった。
二十年以上住んだ東京から離れ、縁もゆかりもない村へ、大量の荷物と共に移動した。
いらないものはみんな捨てて身軽になろうと思ったのに、いらないものなんか無いような気がしてほとんど減らなかったし、ついでにいえば引っ越し前のゴミの日までに荷造りが終わらず捨てるつもりだったものも結局全部持ってきた。幸いにも新しい部屋はとても広かったから、前の家の中のものすべてが入ってもまだ余裕があった。
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愛の病
恋愛小説の名手は、「日常」からどんな「物語」を見出すのか。まるで、一遍の小説を読んでいるかのような読後感を味わえる名エッセイです。