「それ私の言いたかったこと!!」と全国の妻が共感しまくるTwitterアカウント、「妻のパンチライン(@wifeisking)」。夫が呟いたツイートを妻が振り返る形の書籍『妻のパンチライン』が発売中です。
お休みの今、パートナーの家事能力の低さにあきれている!というみなさまにぜひ読んでいただきたい部分の試し読みをお届けします。
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妻「ポンコツな夫vs大変な妻、なんで多いと思う?私の仮説な。35歳ならお互い立派な大人だと思うやん。でも家事歴は15年、子育て歴は1-2年だったりするの。とすると経験してきた妻でも中学生レベル、夫は下手したら全て赤ちゃんよ。この前提で夫婦ははじまる。ポンコツなんていない、お互い未熟やの」
— 妻のパンチライン@書籍発売中 (@wifeisking) August 31, 2020
〈妻談〉
私は3人の子どもを育てていますが、それでも1歳児の育児はたった3回しかやったことがありません。だから、無知で当然という認識でいます。
仕事でも、初めての挑戦でうまくいったことって採点が甘いだけだったりしますよね。初めてだからこそ緊張した状態で手探りで向き合うし、目を見張るほどのスピードで子どもは大きくなっていくので、あっという間にこちらが知識不足になりました。
今思えば、ど素人二人が、あーだこーだあたふたしてるのが、子育て一年生の夫婦なんだなって思います。
しかも子どもって一人ひとり違うので、2回目でも3回目でも、予想しないことが起こるんですよね。性格ってこんなに違うのかと、まさにこちらが学ぶ状況が続きました。
だから、子育ては自信が持てないのが当然で、不安な気持ちを情報収集にぶつけて、焦らず一つひとつ解消していけばいいと思っています。
妻「仕事ばかりしてる人に、子育ての大変さを説明するの難しいよね。例えるなら、子育ては“20年間マネタイズできない新規事業”をやるようなもの。想像してみて。言語も土地もツテもないところからの開拓やで。心折れそうじゃない?それが子育て。ママはそういう不安と終わりなき日常を生きているのよ」
— 妻のパンチライン@書籍発売中 (@wifeisking) August 1, 2021
〈妻談〉
今思えば、第一子の妊娠中って、不思議なことに「無事に生まれてくること」をゴールに考えていました。
そして産後、ゴールの達成感を味わう間もなく、上手に授乳できない痛みやお尻周りに違和感を持ちながら、ヒヤヒヤとしたお世話生活に突入します。自分の隣に赤ちゃんを寝かせてニッコリなんてできるのは、根性の据わったインスタグラマーだけです。
産後2か月経っても新生児のお世話の手数は変わらないのに、家事やお腹が空く大人のことも考えないといけない。月々の食費も上手にやりくりしようとか、考えることは山のようにあります。
会社なら、マクロの視点で経営方針を考える人と、ミクロの視点で商品をどう売るか考える人がいますよね。
家庭は、一日という短いスパンとはいえ、主張強めの宇宙語を話す小さい人を抱えて、運営と経営を一人で回しています。狭い部屋の中で、四六時中マクロの視点とミクロの視点が常に入り組んでいます。
昨年からはコロナなど、さらに気を揉むことも出てきました。
会社経営者でもマクロとミクロの視点を切り替えながら過ごす時間は、過度なストレスと不安に晒されています。だからこそ一人で起業してリスクを背負って、マクロとミクロの視点を自分で切り替えながら切り盛りする経営者は素晴らしく、利益が出ればその付加価値として報酬も大きくなるのです。
経営者にとっては、エクセルやワードなどはあくまでツールで、会社や商品の価値を生む思考とスキルが蓄積されていくナレッジに価値があります。つまり、独自のナレッジに付加価値が付くから、ニーズが高まり利益・収入に繋がります。
家庭内にマーケットはないので需要を収入に変えることはできませんが、子育てと家庭を同時進行的に運営するスキルは作業の費用換算だけではなく、膨大なナレッジも貯まっていることは明確です。
結婚した相手が、家庭を運営する意識も行動もなく、薄給に文句をたれていたら、「家庭を舐めてるから、お前は出世できないんだよ」と言いたいですし、会社経営がうまくいってるのに家庭にコミットしないお山の大将社長には、「だからお前は、金儲けでしか承認欲求満たせず次の生きる目標がなくて心の中が暇なんだよ。パンツぐらい自分で洗えよ」と突っ込みたいです。
これは稼ぎに関係ありません。「家庭にコミットしないやつ全員ダサい説」を堂々と唱えていきたいと思います。
妻のパンチライン
「毎日の家事・子育てのなかで、妻が息するように吐き出すパンチラインをつぶやきます。」
そんな自己紹介を掲げて始まったTwitterアカウント「妻のパンチライン」。
書籍の試し読みや、発売記念Spaceの記事を公開します。