「それ私の言いたかったこと!!」と全国の妻が共感しまくるTwitterアカウント、「妻のパンチライン(@wifeisking)」。夫が呟いたツイートを妻が振り返る形の書籍『妻のパンチライン』が発売中です。
長期休みでともに過ごす時間が増えると、お互いのいやなところが目に付くことも。そんなときにぜひ読んでほしいパンチラインの試し読みをお届けします。
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妻「お互いに敬意を持ち、心から支え合ってる関係は天然記念物よ。存在するだけで周りを幸せにする。子供は両親が仲良しだと自信を持って自立する。大人も仲良しの夫婦を見ると人生が前向きになる。時には病気や障がいも超えていく。カップルは最小でありながら最強のチーム。私たちも仲良しでいよう」
— 妻のパンチライン@書籍発売中 (@wifeisking) August 27, 2020
〈妻談〉
夫婦仲が良いことの価値は、社会的に軽く見積もられていると思います。
はじめの子が1歳8か月になった時、フリーランスとして社会復帰をしたことがありました。一時保育を利用して子どもを預けて、仕事時間にあてました。
家庭と育児に軸足を置きたいと考えていましたが、いざ仕事がはじまると調整しなければならないことも多く、思うように進まないことだらけでした。
余裕がなくなると夫婦でもコミュニケーションが雑になり、家庭のことを仕事の邪魔をする面倒事とすら思ってしまうこともありました。時間はあるけど気力が残っていなくて、夕飯にコロッケ惣菜を買って帰ることも多かったです。
「家事って自分じゃなくてもできる地味な作業だし、達成感も感じにくくて切り換えてモチベーションを上げてするほどの大役でもない。誰かが自分の代わりにやってくれるなら関わりたくない。だって家事って得ないやん」。
そんな自分の本音が突き刺さったお陰で、初めて夫の目線が見えてきました。短時間労働するだけでこんなに面倒に感じてるのに、一日中働いている夫は本当に良くやってるなと感心すらしました。
そうか、主婦として私のやらなければいけないことは、夫の面倒くさいことだったんだなって発見したのは、社会復帰以上の資産です。
家事は夫婦でやって当たり前でしょってノリは、自分の靴下を洗濯カゴに入れるのすら面倒くさい人に、伝わるわけがありません。それを前提にすると、頼み方も変わります。
相手を労っての「ありがとう、あなたがいると本当に助かる。疲れてるのにこんなにしてくれて嬉しい」という感謝の言葉が、何か頼む時のセットになりました。
5分で出発しよ〜!と妻に言うと、「どういう計算?!子供達の嫌がるオムツ替え、出先でのトラブル想像して荷物再確認、熱中症ならないように各自に水筒持たせて、それぞれ靴履かせて。これで10分や。あんたのTシャツと短パン着て終わりと違うのよ。こういうのは苦手云々ちゃうで。何も考えてないだけ」
— 妻のパンチライン@書籍発売中 (@wifeisking) September 12, 2020
〈妻談〉
ツイートに書かれている準備には、私自身の身支度は入っていないんです。つまり、すでに自分のことは完了している前提です。「私、まだお化粧してないんだけど」と言えば、今でも夫は「それ何分かかるの?」と聞いてきます。
夫はおそらく、自分の準備完了が出発のタイミングになっているんだと思います。
出かける時に一番やってはいけないのが、一人称で考えて発言することです。もうこれは想像力の欠如としか言えません。
小学校のころから、修学旅行だの部活の合宿だのと集団行動してきたのに、結婚後にできない人は意外と多いと思います。
お出かけの時に、自分の身支度とは別に家庭の準備が発生することへの認識が弱いんです。だからこちらが「まだかかる」と言えば、私が要領の悪いやつになってしまう。これは悔しい。
だから私は、ただ指示することはやめ、「すごろく感覚で一緒に準備をしよう」と持ち掛けました。
お出かけするための膨大な準備を「休日のお出かけすごろくゲーム」だと思えば、水筒の用意も着替えの準備も子どもの靴を履かせるのも、二人で一緒にコマを進めていくゲームになります。
早く出発できないのは、私の責任だけでなく、夫自身の責任だと認識し、行動してもらいたかったんです。
チームワークが大切なゲームだけに、もしも夫がめんどくさがった時には「一回休み」ならぬ「一回黙れ」になります(笑)。役割分担ではなく協力が、ゲームクリアの肝ですね。
妻のパンチライン
「毎日の家事・子育てのなかで、妻が息するように吐き出すパンチラインをつぶやきます。」
そんな自己紹介を掲げて始まったTwitterアカウント「妻のパンチライン」。
書籍の試し読みや、発売記念Spaceの記事を公開します。