「それ私の言いたかったこと!!」と全国の妻が共感しまくるTwitterアカウント、「妻のパンチライン(@wifeisking)」。夫が呟いたツイートを妻が振り返る形の書籍『妻のパンチライン』が発売中です。
今年は夫婦関係を見直してみたいという方に向けて、妻さんがおすすめしている「Co-Founder婚」について、本書から試し読みをお届けします。
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妻「結婚を恋愛のゴールにしたらアカン。そんなはずじゃなかったの嵐になんで。特に子どもが生まれたら関係性変わるからね。だから結婚は共同創業として捉えたほうがいい。ビジョンを共有して役割分担できるか。どっちが仕事、どっちが家事とか関係ない。そういう結婚を『Co-Founder婚』と呼びたいの」
— 妻のパンチライン@書籍発売中 (@wifeisking) August 2, 2021
〈妻談〉
Co-Founderとは「共同創業者」という意味のビジネス用語です。夫に伝わりやすい言葉を探す中で見つけました。
「Co-Founder婚」とは、結婚を会社の創業時のように捉えて、お互いのスキルや経験を擦り合わせ、経済面だけでなく感情的にも支え合って家庭運営していくパートナーシップのことを言います。
特に「子育て創業期」は、どちらか一方に過度な精神的、身体的負担がかからないよう、未経験の分野であっても積極的にスキル習得を行う必要があります。
“赤ちゃん”ではなく、“○○な大人になる人”を育てるというように、家族のビジョンを設定します。
親族の協力体制や行政など、外部機関のリソース整理も生活運営の一部と捉え、移りゆく家庭環境を受け入れていきます。
新しい社会の価値観は、家庭内の社会リテラシーからと言っても過言ではありません。敬意を払えるパートナーシップこそ、社会のあり方の縮図と言えます。
Co-Founder婚では「カップル間で目標を共有すること」が第一に重要。だから、よく言われるような「優しい」「誠実」「真面目」といった内面重視の条件とは異なります。
家庭を築く上では、お互いの価値観を擦り合わせる必要がありますが、育ってきた環境が違えば「当たり前」も違うもの。
ただ、違いがあるからこそ、お互いに得意分野があり、広い守備範囲を補完し合えるのです。
交際時代から強かった妻。そこそこモテて調子に乗っていた僕は、ねぇご飯行こう?得意料理作って?海外住まない?と思いつきで喋っていた。その会話に女子っぽいキラキラした目線は一切なく、全て「なんで?」と返された。その度に己の軽口と向き合う羽目になった。すでにCo-Founder婚は始まっていた…
— 妻のパンチライン@書籍発売中 (@wifeisking) July 20, 2020
〈妻談〉
私は、過去に言葉系モラハラ男に引っかかったことがありました。
モラハラって普通の恋愛以上に依存性が高くて結びつきも強い。だから傷つけられてる割に、この人がいないと私は価値がない、生きていけないと、いろんな側面から刷り込まれ続けるんです。
自信を削り取られるだけでなく、生きる気力まで奪われてしまい、相手を嫌いという感覚がバグるので、おかしいと思いながらも別れることも難しい。やっとのことで別れても、自分を過小評価する癖はなかなか抜けません。
私の場合は母や親友の手を借りて、彼の他にも自分を思ってくれる人がいると信じ続けられました。本当に感謝しています。
夫と出会った頃は、まさにそんな「小さい自分」と過ごしている時でした。
でも結婚して家庭を築きたいという夢はあったので、自分自身と一つの約束をしました。それは「必要以上に好かれようとする行動はしない」ということでした。別に普通のことなんですが、私にとっては難しかったのです。
この言葉は、夫とのお付き合いが始まろうとしている初期の頃の会話でのものです。今でもよく覚えています。
当時26歳の夫は、お金はなさそうだけど、野望があって、何より仕事ややりたい夢を楽しそうに話す、本当にピュアで素敵な人で……。そんな勢いで私を口説いてくるのです。「ねぇご飯作ってよ」と。
まだ付き合ってはいないけど、私のことも好きになってほしいし、ご飯だって作りたくなります。いやむしろ、モラハラ前なら「ご飯作ったので会おう」と誘っていたかもしれません。
でもあの約束を思い出し、好かれようとする行動はしないと決めたら、見えてきたことがありました。相手が発言した言葉にどのくらいの温度がのっているだろうかと、相手の言葉の熱量を測る体温計を持てたことでした。
万人受けする「うわぁん! すごぉい」などの上っ面の「さ・し・す・せ・そ(さ=さすが! し=知らなかった! す=すごーい! せ=センス良いですね! そ=そうなんですか!)」を言わなくても、「なんで?」と3文字返せば相手の芯に触れられることがわかったのです。
「なんで?」はすごい言葉で、自分のことを考える時も良きパートナーになる言葉ですが、恋愛相手の見せかけの素敵さや、ハボテのような肩書きがどんどん剥がれる言葉です。
いろんなシーンでの多用をおすすめします。
妻のパンチライン
「毎日の家事・子育てのなかで、妻が息するように吐き出すパンチラインをつぶやきます。」
そんな自己紹介を掲げて始まったTwitterアカウント「妻のパンチライン」。
書籍の試し読みや、発売記念Spaceの記事を公開します。