コロナ禍を経て、自宅で料理をする人が男女共に増えています。でも、いざ始めてみると色々と素朴な疑問が出るものですよね。そんな料理初心者の方をはじめ「なんとなく日々料理をこなしているけど、自己流でやっていてイマイチ美味しくならない」という方にお勧めなのが『その下ごしらえ、ホントに必要?』です。必要だと思っていたけれどやらなくてよかったことや、これは外さないで! ということが分かる本書から少しずつ試し読みを掲載致します。
野田 野菜は皮をむいたり種を取ったりするのが面倒ですが、でもニンジンなどは皮をむかなくてもいいんじゃないかとも思います。実際、野菜の皮や種はどのくらい取ればいいんでしょうか。
松本 それは本当に「好み」なんですね。例えば、私は最近ピーマンは種ごと料理しているんです。ピーマンって普通は切って、それから種を取りますでしょ。面倒だわと思っていたら、料理研究家の方が「今の種はそんなにまずくないですよ」と言うんですよ。だから試しにヘタのところだけ取って、そのまま種も頂いたんです。そしたらそれはそれで、結構美味しいですね。
野田 偶然ですが、先日植物の研究をしてる方から「ピーマンの種にはすごく栄養があるから取らない方がいい」って言われたんで、試してみたんです。ヘタも取らずに、切っただけでそのまま煮浸しにしたんですが、確かに美味しく頂けました。
松本 ヘタも思ったより固くないし。気にならないなら食べてもいいですね。もそもそして嫌でしたら取ればいいんじゃないでしょうか。これだ、という「正解」があるわけじゃないですから。そういうのはお好みで。ニンジンは皮をむかないレシピもありますけれど、もそもそして嫌なので、私は皮をむきますね。その辺りは好みです。種や皮は全然平気だっていう方も多いですし、ニンジンの皮もむかなくて平気よっていう人はいらっしゃるんですよ、意外と。
野田 僕は平気なんですが、妻がむいて欲しいっていうのでむいてます。きんぴらみたいに細くする時は、面倒だからむきませんけど。
松本 大根はどうなさっていますか? おろす時もむきますか?
野田 大根おろしの時はなんとなくむいてます。でも、むかない派の人もいますよね。
松本 私もむくんですけれど、おろす時はわからないから皮がついたままおろすという人もいますね。
野田 皮をむかないことについて、皮に農薬がついてるんじゃないかって心配する方もいるようですね。
松本 農家の方にお伺いしたのですが、出荷の前に検査に出すそうなんですけれど、少しでも農薬の量が基準値を超えているとすぐにはねられるんだそうです。それですごく気を使うと仰っていました。とはいえ農薬を使わないと、虫がついてボロボロになって出荷できなくなる。そのため農家の方もシビアに対応しているようです。いずれにしても皮をむかずに使う時は、しっかり洗うのがいいですね。
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その下ごしらえ、ホントに必要?
家庭で炊事担当になった男性TVディレクターが女子栄養大学名誉教授に教わった、「本当はやらなくていいこと」を省いて美味しい料理を作るコツ。