いよいよ刊行となった『砂嵐に星屑』。
直木賞候補、本屋大賞ノミネートなど話題沸騰中の一穂ミチ、期待の最新刊です。
なにより、書店員さんたちからの熱視線がすごい!
今回、刊行前にプルーフを読んでくださった書店員さんたちからもたくさんの感想をいただきました。本当にありがとうございます!
しかも、そのひとつひとつが熱く、そして、愛が深いのです。ぜひみなさまにもその熱量をお伝えしたく、一部ご紹介いたします。
一度には載せきれないほどご感想いただきましたので、今回はパート1となります。また次回、続きをご紹介いたします!
* * *
やはり、とても巧い。
短さの中に喜怒哀楽がぎゅっと詰め込まれている。
私達って自分のことを誰かにわかってほしいんだよね?
そして、どうしようもなく、わかり合いたいってつい願っちゃうんだよね?
そんなこと永遠に無理って決まってるというのに。
それでもまた悩み迷いながら
同じことを繰り返して
傷つきながら生きてくものかもしれない。
読んでいて、ふにゃりと情けない気持ちになったというのにラストはすっと力が抜けてフッと笑って、気づけば顔を上げている。 参ったな。
未来屋書店大日店 石坂華月様
不器用な主人公たちの生き方がリアルで胸が苦しくなる。それでも前向きに、地道に進む姿に励まされ、ホッとしている。この感情の揺さぶられ方に当てはまる名前が見つからない。
他にはないから「一穂ミチ」と名付けることとする。
谷島屋営業本部 丸林篤史様
よるべない人たちがもがきながらも生きている世の中にエールを送る本!
普通を装っていても
誰もが孤独で誰もが寂しがり屋だ。
この本の中には寂しいと言えない私がいた。
ゲオフレスポ八潮店 星由妃様
その年代ごとの心の機微を表現してくれる一穂さんの文章は、落ち着かせ、考えさせ、自分の本当の思いに気付かせてくれる。とても心地が良い。
水嶋書房くずは駅店 枡田愛様
一穂さんの書く物語は、なんでこんなにも私の胸に突き刺さるのだろう。どの主人公も何かがある。
それが一体何なのか気になりながらも、彼女たちの現状に共感したり苦しくなったり。
悲しいわけじゃない、嬉しいわけじゃない。
よくわからないけれど、読後、無性に泣きたくなった。
きっと世界はそう簡単には変わらない。
それでも救われた気持ちになった。
東京旭屋書店新越谷店 猪股宏美様
相変わらずの一穂ミチ先生の感情表現の豊かさに、僕の拙い語彙力でうまく表現できなくて申し訳ないのですが、日本語の選び方や美しさにまたもや心を打たれました。
「資料室の幽霊」では特に、邑子の感情が揺れ動く様子が自分の感情とシンクロするような錯覚にまで陥りました。大阪が舞台の作品とあって、グランフロントから土地の距離感の話に関西人としては読んでいてニヤリとしてしまいます。雪乃との凸凹コンビっぷりも読んでて気持ちよかったですし、爽やかな読了感に出版後の皆さんの感動の反響が愉しみです。
普段裏側を知らないTV局という舞台についても、TV局の仕事ってこんな感じなんだとするりと頭に入ってきました。タイムキーパーにスポットを当てられるなど、普段あまり知らない裏方の仕事を切り取られているのが面白かったです。
ページ薬局 尼子慎太様
世間では負け組って言われそうだけど…
この人生、そんなに悪くないな
「明日もがんばろっかなぁ〜」という、ちょっと気が抜けているけど前向きな気持ちになれる一冊でした。
未来屋書店木曽川店 牧谷佳代子様
ままならないことが年々増えていってるような気がする。
抱えている「ままならなさ」は人それぞれ違うけれど、読み終えたときにちょっとだけ気持ちが軽くなる。そんなお話たちだなと思いました。 結花の「…よるべになりたい」というセリフが心に残った。
紀伊國屋書店横浜店 川俣めぐみ様
放送が終わった後に、テレビ画面に映る砂嵐。
若い人には、もう知らない人の方が多いのかもしれない。
夜中に一人、じっと見つめる砂嵐の中に、 何かを見出して、その世界に踏み出した人もいるのかもしれない。
テレビ局内でのアルバイト経験があるが、華やかさの影には、常に埃っぽい、乾燥した世界があったし、長い長い待ち時間には裏方の楽しさと哀しさがあった。
それでもやめられない。
その価値があるはずだから。
放送として目にする部分はほんの少し、その見えない部分のドラマが、物語になる。
一穂さん、本当に上手いなと思った。
平和書店TSUTAYAアルプラザ城陽店 奥田真弓様
毎度毎度、私の心の一番薄い所をザラザラと舐め上げるような書き出しで。
大人の女性のヒリついた感情が痛いほど突き刺さる。
それなのに最後は台風一過のような清々しさもあって、こんな毎日も悪くないなと思わせちゃって、もうほんとに憎いくらいに大好き!
一穂ミチはすごい!
精文館書店汐田橋店 天野香代様
『嵐のランデブー』のラスト、バナナのシールの下りを読んだ時、「この二人に幸あれ!」と思わず心の中で叫んでしまいました。
どうやっても生きずらい世の中で、それでも生きていく。 生きていかなければならないという使命感もなく、かといって積極的に死にたいわけでもない、毎日朝が来て夜が来る、そんな毎日がリアルすぎて一穂ミチさんの作品には共感しかありません。 だからこそ、そんな毎日がちょっとだけ違ったものになっていくこの作品がそれこそ嵐のように心情を拭き荒らし、登場人物たちをとても愛おしく感じられました。
「心と頭の時差を埋められない」という内容がありましたが、どうしてモヤモヤするのか、怒りを覚えるのか、人を傷つける言葉を吐いてしまったのか、作品を読むことでなぜどうしてという気持ちが落ち着いてくるのを感じました。
蔦屋書店嘉島 迫彩子様
「スモワル」と同じく、意外なところへすとんと落とされる感覚は健在。
でも読み手に寄り添う温かさも感じるのだ。毎日嫌な思いをしながらぐっとこらえて仕事している働く女性に、過去の出来事に追いかけられ続けている人に。でも前を向いてね、明日も生きていこうよ、一緒にいるよと、背中に手を添えられる、そんな感じ。
水嶋書房金剛店 浦辺千栄子様
職場の人間は、知り合いよりは距離が近く、友達と言うには微妙に遠い。そんな人々がきっかけを通して、何となく1歩踏み出していく、その感じが上手いと思う。
登場人物がリアルで、ふと気づいたら、自分もこの話の住人になっていそう。
未来屋書店有松店 前田ゆき様
はっきり言って、めちゃめちゃよかったです!!
主人公の心を丁寧に描きあげ、共感させ、ラストでこちらの心を鷲掴みにしてくる、すごい小説でした。特に「嵐のランデブー」の最後のシーンは圧巻!
久々にすごいものを読ませてもらいました。一穂ミチさんはどんどん進化しているのでしょうか。
精文館書店西尾店 石川浩子様
一穂先生の人物描写が素晴らし過ぎて……!
ノンフィクションかと思ってしまうほど!
架空のどこかの誰か、ではなくて。骨に肉や筋が付いて、血が流れて呼吸して、熱を放って動いてる。そんな人たちの物語から目が離せません。
文真堂書店ビバモール本庄店 山本智子様
うわぁもう、参った…。
なんで、なんでこんな心をグルグル掻き乱されるお話を紡げるの。と、読後に思わず頭を抱えた。
ちょっと大人の、前を向くにはしんどい。けど生きる。みたいな気持ちが鋭く刺さって、自分とは全く違う状況にある主人公達なのに「この感情は知っている」という気持ちになる。
切々として少しもさっぱりしない。湿度が高めの感情は何より共感できるのかも知れない。
「よるべ」になりたいって名言やなって思った。
明文堂書店TSUTAYA戸田 坂本まさみ様
* * *
まだまだたくさんご感想いただいております!
続きはまたパート2でご紹介いたします。
砂嵐に星屑
舞台はテレビ局。旬を過ぎたうえに社内不倫の“前科"で腫れ物扱いの四十代独身女性アナウンサー(「資料室の幽霊」)、娘とは冷戦状態、同期の早期退職に悩む五十代の報道デスク(「泥舟のモラトリアム」)、好きになった人がゲイで望みゼロなのに同居している二十代タイムキーパー(「嵐のランデブー」)、向上心ゼロ、非正規の現状にぬるく絶望している三十代AD(「眠れぬ夜のあなた」)……。それぞれの世代に、それぞれの悩みや壁がある。
つらかったら頑張らなくてもいい。でも、つらくったって頑張ってみてもいい。続いていく人生は、自分のものなのだから。世代も性別もバラバラな4人を驚愕の解像度で描く、連作短編集。
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