絶賛発売中の『砂嵐に星屑』。
直木賞候補、本屋大賞ノミネートなど話題沸騰中の一穂ミチ、期待の最新刊です。
なにより、書店員さんたちからの熱視線がすごい!
ぜひみなさまにもその熱量をお伝えしたく、一部ご紹介いたします。今回はパート3になります。
* * *
なんだか日々に少し疲れて、読書からも遠のいていたある日の休憩時間。何気なくパラパラ捲った本。それがこの本でよかった。一穂ミチでよかった。
いやなこともなんやかんやあって、そんでもってええこともなんやかんやある。大阪弁がいい感じに沁みて、「ほな、ぼちぼちがんばってみよかな」って力をくれた一冊です。
喜久屋書店千葉ニュータウン店 堀一星様
最後の物語『眠れぬ夜のあなた』が、好きでした。晴一が気づいて前向きになるところも、広道さんのエピソードも。めちゃくちゃ良かったです。
ダイハン書房本店 山ノ上純様
四話からなる、どこか繋がった短編集。
「スモールワールズ 」のミチ先生が黒だったら、
「パラソルでパラシュート」のミチ先生は白。
「砂嵐に星屑」のミチ先生はグレーかもしれないな。正しくは白に憧れた黒が 頑張って白を混ぜてみたけど、せいぜいやっぱりグレーでした。のグレーかなと。
しかしタイトルにあるように、星の存在に救われる。
その星は飴だったり ホクロだったり いろいろな星だ。暖かくも 世知辛い、真面目で一生懸命だから悩み苦しむ。
不倫相手の死だったり、
ジェンダー問題による嫉妬の恋だったり、
順風満帆に見える人のそうじゃない一面だったり、
冷静そうな人の不器用な一面だったり、
いつも ミチ先生の描く人間は深くて繊細。
人間は一面じゃない。二面三面でもない。
もっと複雑な多面体だ。またその多面体を一人称にして描いたり
別の短編では 第三者として描いてみたり
いろいろな角度から多面体を見つめることで、
厚みのある人間性、人間臭さ、面白さから
読者は 登場人物を好きになるんやと思いました。
草叢BOOKS各務原店、草叢BOOKS新守山店 川口諭美様
華やかな仕事をしている人、そつなく世の中を渡っているように見える人、強くて悩みなんかなさそうな人、そんな人たちも実際は悩みや葛藤や挫折を経験しながら一生懸命に生きている。そんな当たり前のことに改めて気付かせてくれる、そして自分も頑張って、でも気張らずに前を向いて生きていこうと思わせてくれるファイトをもらえるストーリーばかりでした。さあ、明日も頑張ろう!
TSUTAYA宇都宮戸祭店 信賀由紀子様
不器用だけど、社会にもまれながらも一生懸命生きていく人たちへの応援メッセージを送るかの様に、明かりを照らし導いてくれる満天の星空の1つ1つが誰かの希望だったり目標であったりしたら素敵です。
見守ってくれているんだと思うと元気が出ます。
あおい書店富士店 望月美保子様
先行2篇でも「ヤバイ」「すごい」と思っていたのですが、「<夏>泥舟のモラトリアム」でぐわっと心ゆすぶられ、「<冬>眠れぬ夜のあなた」で完全にもっていかれました。
一穂さんの文章からは湯気、汗、熱気、暑さといった、温度・湿度がとても繊細に伝わってきます。その肌感覚のリアルさが、物語をぐっと身近に引き寄せて、心を揺さぶるのかもしれません。
くまざわ書店松戸店 加藤敏之様
嵐のランデブーが心に刺さりました。報われない人たちのやり場のない気持ち。眠れぬ夜のあなた、の晴一も、自分と重ねてしまってつらくなったのですが、広道兄さんの過去につながるなんて、思わぬ展開で胸をぎゅーっとつかまれた思いでした。どれも心にぐっとくる物語ばかりでした。読ませていただき、ありがとうございました。
ビッグワンTSUTAYAさくら店 阿久津恵様
一穂先生の作品はやはり全てを通して読んでみないと得ることができない読後感があります。今回の作品も各章によって主人公が移り変わっていくことでより登場人物たちの置かれている背景を考慮しながら読んでいくことで物語全体に深みを与えている感じがして、より心情深く察することが出来ました。
日常における日々の生活の中での誰もが感じるであろう悩み、苦しみなどを織り込み、最初からすべてを明かさないことで、謎が解けたあとの「あぁ、そうだったのか」にうならされてしまいました。また読みたい、もっと読んでいたいと思わされる作家さんです。
有隣堂町田モディ店 原田明美様
今さらながら、”若さ”って武器だったのだと思いました。
誰にでも平等に時は流れていく。
しかし、イタい話だなあ、でも人は何だかんだと
しぶとく生き抜いている、この世の中を。
大阪の街のテレビ局で働いていたら、
”こんなんやったかな”と、自分の人生に重ねてみました。
有隣堂藤沢店 佐伯敦子様
会話のなかに、その言葉の奥に見えてくる隠された心情が沁みてくる。身も心のその世界にのめりこんでしまう。働く、生活する中で、やりきれない気持ち、悲しみは自分の中にも存在していた。もがき、あきらめ、でもどうにか日々を生きていく。それも生きていこう。一日一日を少しでも前を向いて。人を愛しく思える。
この作品にありがとうと心から言いたい。言葉にできないこの気持ちを大切にしたい。「眠れぬ夜のために」の自分から笑いにいかんと。忘れたくない治りたくない、に心が深く心が響きました。変わる必要はない。ありがとう。きっとこの小説は救う。たくさんの人に読んでもらい。推して販売します。
ジュンク堂書店滋賀草津店 山中真理様
ドカンと大きな異常が起こるわけではなく、小さな異変をつみかさねたような文章は美しく読みやすかった。雪乃ちゃんが可愛くてよかった。好き。
喜久屋書店橿原店 井上七海様
わくわくしながら読ませていただきました。人生にはうまくいかないことも、人に言いたくない過去もあって、そんなのはどうでもいいように暮らしているけれど、やっぱりちょっと幸せになりたかったり、たまには誰かに頼ったり、やさしくされたかったり。つまり私はさみしいのだ。これはそんな私に寄り添ってくれるありがたい友達のような本でした。
あおい書店富士店 鈴木裕里様
今回の、一穂先生の作品を拝読して、いまやっと、自分の求めていた、このもやもやとした漠然としたものが何かとはっきりした気がいたしました。そうか、私は誰かのよるべになりたかったんだ!!
そう思うと、なんどもなんども先生の作品を反芻し、そして、いつしかとめどなく涙があふれておりました。自分の存在さえ危うい、現在の世の中で、自分はどうやって生きていけばよいのか、答えは全く見つからず、いまなお彷徨い続けている。そんな心許なさを抱えている人たちに、ぜひ読んで欲しい作品。
一穂先生の作品に私たちは救われ、共感しそして涙するのだ。そう、今はもしかして、とても苦しくて苦しくて抜け出すことができないかもしれない。しかし、どこかで必ず一筋の光を見つけ出し、やがては浮上する何かを見つけ出せるかもしれない。頑張ってもいい、頑張らなくてもいい、些細なことでいい。親でも子でも恋人でも犬でも猫でも、誰かのよるべになれることができたなら、最高に幸せだ。
芳林堂書店高田馬場店 江連聡美様
揺れる時期がある。会社や社会で、自分のポジションが不確かなものに思えた時、担保にする未来もそう多くはなく、積み重ねたものもないと思えた時、「資料室の幽霊」はそんな中堅女性の気持ちをよく描いている。確実にあるのに言い表せない気持ちを表現している部分があった。
有隣堂東急プラザ戸塚店 高橋美羽子様
当たり前だけど世の中にはいろんな人がいる。住んでいる場所も仕事もみんな違う、けれどもしかしたら自分と同じような人もいるのではないかと探してしまう作品でした。不器用な大人たちの生き方にとても共感しました。
岩瀬書店富久山店 吉田彩乃様
一穂ミチさんの書く文章が、小説が堪らなく好きだと再認識しながら、素晴らしい読書の時間を過ごしました。
SerenDipアエル明屋書店 武方美佐紀様
世の中には、やっぱり男にはわからないこと、気づいてあげられないこと、多いんだ…。少しばかりか、とっても面倒な社会の中で人間関係に悩み、孤独と闘い、それでも前を向いていく人たち。そんな人たちのリアルな生き様に共感!
なんとも嚙み合わない会話に思わず笑い、先輩社員をどやしつけてしまう姿に惚れ惚れした。そんな雪乃には”黒島結菜”酸を配して欲しいと勝手な妄想を抱いてしまった…。ということで、『資料室の幽霊』ゲキ推しです!
本の王国 書籍販売部 宮地友則様
心に傷を負いながらも、生きていく人。「よすが」を見つけ、「よすが」になって希望を見つけて生きていく。
正文館書店 フレンドタウン長久手店 各務雅美様
どんな流れになるのか読んでいてワクワクした。思いつかない一文一語にハラハラする。どちらもそれぞれ違ったせつない思い。女性の強さ、自立の敵はなんだかんだいっても男社会なんだなと思う場面もあり、怒りを感じたが、登場する女性がそれを乗り越えている部分もあり、嫌だったりつらいと落ち込むことはなく明るいイメージがずっとあった。
宮脇書店ゆめモール下関店 吉井めぐみ様
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まだまだたくさんご感想いただいております!
続きはまたパート4でご紹介いたします。
砂嵐に星屑
舞台はテレビ局。旬を過ぎたうえに社内不倫の“前科"で腫れ物扱いの四十代独身女性アナウンサー(「資料室の幽霊」)、娘とは冷戦状態、同期の早期退職に悩む五十代の報道デスク(「泥舟のモラトリアム」)、好きになった人がゲイで望みゼロなのに同居している二十代タイムキーパー(「嵐のランデブー」)、向上心ゼロ、非正規の現状にぬるく絶望している三十代AD(「眠れぬ夜のあなた」)……。それぞれの世代に、それぞれの悩みや壁がある。
つらかったら頑張らなくてもいい。でも、つらくったって頑張ってみてもいい。続いていく人生は、自分のものなのだから。世代も性別もバラバラな4人を驚愕の解像度で描く、連作短編集。
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