ゴシゴシこすってはいけない、いきなり水拭きをしてはいけない、フローリングのホコリに掃除機は禁物、ウイルスの除菌・消毒は正しくやらないと効果なし……。『病院清掃35年のプロが教える病気にならない掃除術』は、これまでの掃除の常識がくつがえされる驚きの一冊。掃除はただ部屋をきれいにするだけでなく、自分と家族の健康をも左右する大切なもの。本書でぜひ、正しい知識を学んでください。
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フローリングは掃除機よりもワイパー(ドライ)で
フローリングのお掃除は、掃除機よりもフローリングワイパー(ドライ)の方が向いています。床に貼り付いているホコリは意外とベタベタしています。ふわふわと床に乗っていそうなんですけど、そうでないことの方が多いのです。
ベタベタしている上にさらにホコリが乗ってくるとそれなりの厚みが出て、掃除機でも何とか取れはするのですが、うっすらと貼り付いているホコリをムラなく取るのは掃除機だけではなかなか難しい。
それよりもフローリングワイパーのシート部分を床に軽く押し付けて一方向拭き(S字ストローク)する方がきれいに取り除けます。
特に水気の多いキッチン回りやお風呂の脱衣場などがそうです。
フローリングのお掃除は、部屋の中心から始めます。
中心部分は汚れがたまりにくいので簡単に、ホコリのたまりやすい壁際や家具の下などは丁寧に行うようにしてください。
動かすスピードはゆっくりです。
食べこぼしなどの汚れを見つけたら、霧吹きで水を吹きかけ、乾いた布で取り除きます。スタンプを押すように上からペタペタと押し付けると汚れを広げることなくきれいに取れます。
掃除機が活躍するのはカーペット
「掃除機はどういう場所で必要ですか?」と聞かれたらこう答えます。
「カーペットです。カーペットは掃除機でないときれいにできません」
粘着テープでゴミやホコリを取り除く「粘着ローラーはどうですか?」と質問される方もいらっしゃいますが、粘着ローラーはカーペットの表面に付いた汚れを取ることはできますが、繊維に絡まった汚れを吸い上げることはできません。
カーペットのお掃除で一番大事なのは、繊維と繊維の間に入り込んだ汚れを取り除くこと。表面のお掃除だけではダメなのです。
カーペットは毛の奥に大量のゴミがたまっています。そのままにしておくと、カビやダニがそれらをエサに繁殖します。しかも、カビやダニは目には見えません。だからこそ恐ろしいのです。
カビやダニが発生しなくても、カーペットの上を人が勢いよく移動するたびにたまったホコリが舞い上がります。
カーペットのお掃除で必要なのは、回転ブラシの付いた掃除機です。回転ブラシを使うとカーペットの繊維の奥にたまった汚れを吸い取ることができます。回転ブラシが繊維をかき分け、ホコリやゴミを吸い上げてくれるのです。
アレルギーをお持ちのお子さんや持病のあるご高齢の方がいらっしゃるようでしたら、回転ブラシ付きの掃除機を使ってこまめにお掃除してください。
カーペットのお掃除ではかけ方が大事です。まずは前後にゆっくりと動かしてください。1メートルあたり5、6秒が目安です。
なぜ、ゆっくり動かした方がいいのか。繊維と繊維の間に絡まった汚れを取り除くにはある程度の時間が必要だからです。また、ゆっくりと動かすことでホコリの舞い上がりを最小限に抑えることができます。
ヘッドを強く押し付ける必要はありません。カーペットの毛が寝てしまい、かえって汚れが取れなくなります。軽くゆっくりと動かしましょう。
もうひとつ大事なポイントがあります。ヘッドを後ろに引き戻す時は、前に押し出す時よりもさらにゆっくりと動かすことです。
病気にならない掃除術
ゴシゴシこすってはいけない、いきなり水拭きをしてはいけない、フローリングのホコリに掃除機は禁物、ウイルスの除菌・消毒は正しくやらないと効果なし……。『病院清掃35年のプロが教える 病気にならない掃除術』は、これまでの掃除の常識がくつがえされる驚きの一冊。掃除はただ部屋をきれいにするだけでなく、自分と家族の健康をも左右する大切なもの。本書でぜひ、正しい知識を学んでください。