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菌ケアで美しくなる

2022.04.18 公開 ポスト

10人に1人が過敏性腸症候群!自己診断テスト下川穣(KINS代表取締役・歯科医師)

便秘、ニキビ、アトピー、抜け毛、肥満、不妊症、不眠……。こうした体のあらゆる不調を根本から改善するには「菌ケア」が有効です。「菌ケア」とは毎日の食事や生活習慣を見直し、全身の菌バランスを整えること。『腸活にも、美肌にも、ダイエットにも! 菌ケアで美しくなる』から、菌ケアの方法とその効果を一部抜粋してご紹介します。 

*   *   *

(写真:iStock.com/Tharakorn)

腸の知覚過敏? 便秘や下痢を繰り返す過敏性腸症候群

まず次のチェックリストで自分の状態を確認してみてください。

□ ここ3ヶ月以上、便秘が続いている

□ ここ3ヶ月以上、下痢が続いている

□ 便秘と下痢を繰り返している

□ お腹の張りを感じることが多い

□ おならが一日20回以上出る

□ 腹痛を感じることが多い

□ 排便後もすっきりしない

□ 電車などに乗ると急に便意をもよおす

□ ストレスを感じるとお腹が痛くなる

3ヶ月以上にわたり続くものが1つでもあれば「過敏性腸症候群」が原因かもしれません。現在では、約10人に1人が過敏性腸症候群であると言われています。

過敏性腸症候群は腸の知覚過敏とも言われ、腸が繊細になっているのが特徴。日本人1万人を対象にした研究では、有病率13・1%という数字が得られ、さらに男性に比べて女性の方がこの疾患になりやすい傾向があります。

この過敏性腸症候群、診断が本当に難しいのですが、要は数ヶ月にわたりお腹の調子の悪い状態が続き、便通に異常があるケース。症状もさまざまで、以下の4タイプに分類されます。

(1)下痢型

過敏性腸症候群の約29%の方が該当します。その名の通り、主な症状は下痢と、それにともなう腹痛。緊張した場面では特にお腹を壊しやすく、女性よりも男性で発症しやすいのが特徴です。

(2)便秘型

約24%の方が該当します。便秘が続き、ストレスを感じるとさらに悪化すると言われています。こちらは下痢型とは変わり、女性に発症しやすい型です。

(3)混合型

約47%の方が該当します。症状としては、数日おきに繰り返す下痢と便秘。便秘でなかなか便が出なかったかと思えば、今度は下痢になるなど、便通の状態が落ち着かないのが特徴です。

(4)分類不能型

過敏性腸症候群は基本的に(1)~(3)に分類されます。しかし、なかには便通の異常が見られないにもかかわらず、ガスによるお腹の不快感などが続くケースがあります。それが「分類不能型」です。

いつもの菌ケアが過敏性腸症候群には逆効果?

過敏性腸症候群の腸内は、菌の状態がかなり乱れています。同じ過敏性腸症候群でも、下痢型と便秘型で腸内細菌のバランスの乱れ方もガラッと違ってきます。

また、過敏性腸症候群とは、腸が刺激に対して敏感になっている状態なので、本来であれば腸において有益な働きをしてくれる酢酸やプロピオン酸の刺激により症状が悪化することがあります。酢酸・プロピオン酸とは、腸内に棲む善玉菌が作り出してくれる短鎖脂肪酸の一種。便秘改善効果やダイエット効果も期待されているため、通常時であればぜひとも増やしたい成分ですが、過敏性腸症候群の場合はそれが負担になってしまうようです。

過敏性腸症候群を克服するために有効な手段は次の2つ。

(1)低FODMAP食

「F」(Fermentable) 発酵性の糖質

「O」(Oligosaccharides) オリゴ糖

「D」(Disaccharides) 二糖類

「M」(Monosaccharides) 単糖類

「A」and

「P」(Polyols) ポリオール類

できるだけこれらの糖質が含まれていない食品を選ぶ。それが低FODMAP食です。具体的には、玄米、そば、味噌、赤身肉、魚介類、鶏肉、トマト、にんじん、ホウレンソウ、熟したバナナなどが該当します。ただ、高FODMAP食には発酵食品など菌ケア的に素晴らしい食品も多く含まれているので、低FODMAP食を実践する際はあくまで一時的に、4~6週間を目処に行うようにしてみてください。

(2)プロバイオティクス

プロバイオティクスとは、乳酸菌に代表される、体内に有用な作用をもたらす生きた菌のこと。サプリなどにより外部からプロバイオティクスを取り入れることで、乱れた腸内細菌のバランスを整えたり、便通の状態を改善したりとさまざまな効果が期待できます。乳酸菌を摂ることで、過敏性腸症候群の症状が軽減したという報告はたくさんあります。

 

以上2つの対策をご紹介しましたが、過敏性腸症候群と合併していることが多い「SIBO(小腸内細菌増殖症)」の場合は注意が必要です。SIBOとは小腸内に細菌が増えすぎている状態のことで、お腹の張りや下痢、便秘などの症状を引き起こします。そしてSIBOの場合、大豆食品や発酵食品を摂りすぎると症状がむしろ悪化することがわかっています。これらの食品を摂った時にお腹の不調を感じるようであれば、控えるようにしましょう。

関連書籍

下川穣『腸活にも、美肌にも、ダイエットにも! 菌ケアで美しくなる』

不調の原因も、それを解決するのも「菌」! 菌のバランスを整える食事と生活習慣で、腸活、美肌、ダイエット、免疫力、アトピー、不眠などのお悩みを根本から解決し、強く、美しい体に導きます。

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菌ケアで美しくなる

菌のプロフェッショナルである下川穣さんの著書『腸活にも、美肌にも、ダイエットにも! 菌ケアで美しくなる』の試し読みを公開いたします。

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下川穣 KINS代表取締役・歯科医師

株式会社KINS代表。口腔内・腸内フローラを専門とする歯科医師。1985年生まれ。福岡県出身。岡山大学歯学部卒業。遺伝子や菌を専門としたクリニックの理事長を務め、国内トップの生命科学研究機関との共同研究に携わる。その後、「健康と美と、菌の関係」に深く感銘を受け、独立。「菌ケア」を正しく伝える第一人者としてKINSのサービスをスタート。目に見えた症状だけをケアする対症療法ではなく、症状を根本的に改善することで健康と美を育むメソッドを提唱している。

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