脳には、作業をしていなくても常に活性化している箇所があるそう。その回路が過剰に働くと、常に何かを考えて脳が疲れてしまうといいます。そうした“悩みモード”を解消し、脳疲労をためないカンタン習慣を、『ずぼら瞑想』(川野泰周著)からご紹介します。「食べること」「歩くこと」でできる最強の日常瞑想法です。
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「未来についてあれこれ考えている神経回路」、この回路があるからこそ、私たちは急に名前を呼ばれても振り返ったりできるのですが、ストレスなどにより、この回路が過剰に働いてしまうと、常に脳がいろんなことを考えてしまう“悩みモード”になってしまいます。この“悩みモード“は、脳エネルギーを6~8割も消費してしまうことが分かっています。当然この状態が続くと、脳のエネルギーを使いきって、疲れてしまい、場合によってはうつなどの病気になってしまうことも。
瞑想でいまに集中することで、この“悩みモード”を抑えてあげる。そうすると脳の疲労はだんだんと解消されていきます。
1. 1分半かけながら、ひと口をゆっくり味わう
(2018.10.30 更新 「スマホが視界に入るだけで幸せ度が下がります」より)
“食べる”という普段何気なくしている行為も立派な瞑想になります。大半の人は実は食べているようで、食べること自体に集中できていません。集中して食べるということは、自分の中の感情、感覚に注意を向けてあげ、自身の心の状態に気付くことにつながります。
レーズン1粒を例にしてみましょう。
(1) まずはレーズンを1粒指でつまみ、表面をよく観察していきます。レーズンの凹凸、色合い、表面がどのようになっているのかに注意を向けます。
(2) 次に匂いを嗅ぎ、口に入れた時どのような味がするのかイメージを膨らませ、唇ではさんで触感を確かめます。
(3) 最後にレーズンを口に入れ、噛まずに舌の上を転がし、充分舌で感触を確かめてからゆっくり噛みます。どんな味がするのか、酸っぱいのか、甘いのか、集中して味わいます。そして飲みこむ。レーズンが喉を通っていることまで感じます。
1粒のレーズンを食べるだけで、1分半かかりました。レーズンをよく観察すると意外と変な形をしている、こんなに甘みが強かったんだ、などと、いつもは感じない発見が数多くあります。美味しさを感じれば幸福感もわいてきます。スマホを見ながら、テレビを見ながら…という「ながら食べ」をやめるだけでも、脳疲労の軽減につながりそうです。
2. 腰から下の動きを意識してゆっくり歩く
(2018.12.08 更新「「折れない心」をつくる最強の瞑想法」より)
この瞑想は、通勤時間でも周りの人に気づかれることなく、こっそりできてしまいます。それでは、まず基本的なやり方を解説しましょう。
(1)まず腕が動いて気が散らないように手を前か後ろで組みます。目線は足元ではなく、数メートル先の床、地面を見てください。
(2)歩きながら右足の「かかとがあがる」「つま先があがる」「足が移動する」「着地する」の4つの感覚に注意を向けます。この4つの感覚に注意を向けると、足の裏の体重移動すべてを感じることができます。
(3)右の足の感覚を感じたら、すぐに反対側の足にも意識を持っていきます。4つの感覚に全てにしっかり注意を向けるには、かなりゆっくりしたスピードで歩く必要があるため、人にぶつからない場所でやるようにしましょう。
以上が基礎になります。
次に普段、街の中を歩くスピードできる応用編の歩く瞑想を紹介します。普段の歩くスピードで行う際は、体重移動に注意を払うのではなく、呼吸と歩数に注意を向けます。
「息を1回吸う間に4歩、1回吐く間に4歩進む」というように呼吸と歩数を同期させながら、リズミカルに歩きます。これだけで、呼吸と足に注意が向き、立派な瞑想になるのです。特に脳が疲れている仕事帰りなどに試してみると、疲れがとれそうですね。
疲れたな、と思ったら「いまの行動」に集中する日常瞑想。坐禅を組みにいかなくてもできるのでおすすめです。
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