4月13日(水)に文筆家・ツレヅレハナコさんの最新刊『まいにち酒ごはん日記』が発売になりました。本書は、食と酒と旅を愛する著者が、インスタグラムに綴ってきた投稿の直近3年間分を厳選&大幅加筆修正したオールカラーの日記本です。前半は国内海外と旅に出て外ごはんを楽しむ一方、後半はコロナ禍で自炊生活に勤しむ日々が綴られています。日記本とはいえ情報量がとても多いので、ぜひメモを片手にお楽しみください。また、巻末には「読むだけで作れる31レシピ」も収録されています。本書の内容を、少しずつ抜粋してご紹介します。
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豆をゆでるといいこと
水煮缶詰やドライパックではなく、わざわざ乾物のひよこ豆を戻してゆでる理由は10個くらいあるのだけれど。自分でゆでた方が断然おいしいとか、安くたくさん食べられるとか、大好物ゆえに好きな量で小分け冷凍しておくと安心とか、そもそもたいして面倒くさくないとか。
でも何よりの理由は、ゆでたての熱々ホクホクにオリーブオイルと塩と黒こしょうをかけて台所で食べられるのは、家ゆでだけの特権だから。10年以上前、フィレンツェの食堂で出てきた食べ方で、ほかのレストランの素敵な料理と同じくらいショックを受けた。
ゆでるときの最大のポイントは、余裕を持って「8時間以上」たっぷりの水に浸けること。すぐゆでられるレンズ豆などと違ってひよこ豆は硬いので浸水時間重要! 私はいつも寝る前に浸けて、翌日の午前中くらいにゆでます。とはいえ、16時間とか浸けすぎると逆に硬くなるのでご注意を。
あとは、そのまま30~40分、食べてみて好みの硬さになるまでゆでればOK。そのまま熱々を食べるも良し、フムスやサラダ、スープ、豆バターピラフ(めちゃうま)にするも良し。もっと豆と仲良くなろうー。
5日目の塩豚はエラい
今日の撮影まかないは、とうもろこしごはん。今シーズン初! 芯は炊き込む派です。炊き上がったら、発酵バター混ぜるのもおいしいよねー。あと、みょうがとか、ちりめんじゃことか、実山椒とか混ぜるのも好き。仕上げに粗びき黒こしょうをガリゴリ。
おかずは、5日間寝かせていた塩豚でポッサムを。ブロックの豚肩ロース肉に塩をたっぷりまぶしてラップをして冷蔵庫に入れておくだけ。それだけで、水分が抜けて肉があめ色になるのがすごいわあ。
大鍋に、丸ごとの塩豚・長ねぎの青いところ・しょうがの薄切り・つぶしたにんにく・水を入れて、沸騰したら弱火で30分。粗熱がとれたら5㎜の厚さに切って葉野菜や薬味、たれと包んで食べるべし。この日のたれは、練りごま・みそ・ごま油を混ぜたもの。豆板醬とか入れてもうまい! 怖いくらい食べられる……。
残ったゆで汁は、おいしい出汁が出ているのでスープに。塩味を調整したら、今日は刻んだニラをたっぷり入れて、こしょうをふってできあがり。簡単なのに、おかずもスープもできるなんてすばらしい……。ちなみに、このゆで汁でごはんを炊いてもめちゃくちゃうまい。ごぼうとかにんじんとか根菜をささがきにして入れるのがオススメです。
大槌町で魚介メシ三昧
仕事の打ち合わせにて、岩手県の三陸にある大槌町へ。震災で大きな被害を受けた町だけれど、見た限りかなり復興が進んでいる印象。とはいえ、もう7年、まだ7年だよね……。
宿泊でお世話になった「藤原民宿」にて、「吉里吉里地区婦人会」の皆さまに地元料理を教えていただく。ホヤをむけるようになった!
シュウリ貝(ムール貝・牡蠣養殖の副産物!)の煮汁をもち米にかけながら蒸す貝おこわ、大粒で縮まない牡蠣のおすましや、殻付きの立派な帆立刺し、マンボウの刺身(身を包丁で切るのではなく、手で繊維状に割く!)、行者にんにくのしょうゆ漬けなど、昼からごちそうじゃー。
翌日の朝食に出てきたウニのワタ(?)だけを集めたものも初めて食べたな……炊きたての白いごはんにかけると悶絶。朝どれのピカピカイカ刺しやホヤの酢みそ和え、タッパーで出てくるお母さんの手作りポテサラもサイコー。もう呑み始めたい(笑)。
すぐそこは、もう海。なんというか、豊かなところだな~。
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まいにち酒ごはん日記
2018年春から2021年夏まで、ちょうどコロナで世の中が変化した狭間の3年間の飲んで食べて旅して感じたこと、考えたことを集めたオールカラーの日記本。巻末には読むだけで作れる31レシピ付き。
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