4月13日(水)に文筆家・ツレヅレハナコさんの最新刊『まいにち酒ごはん日記』が発売になりました。本書は、食と酒と旅を愛する著者が、インスタグラムに綴ってきた投稿の直近3年間分を厳選&大幅加筆修正したオールカラーの日記本です。前半は国内海外と旅に出て外ごはんを楽しむ一方、後半はコロナ禍で自炊生活に勤しむ日々が綴られています。日記本とはいえ情報量がとても多いので、ぜひメモを片手にお楽しみください。また、巻末には「読むだけで作れる31レシピ」も収録されています。本書の内容を、少しずつ抜粋してご紹介します。
* * *
萌えまくり昭和デパート
再び大槌町へ。新幹線は新花巻駅で降りました。そのお目当ては地元の旧老舗デパート「マルカンビル」!
最上階にあるのが「マルカンビル大食堂」。花巻市民なら一度は行ったことのある、いわゆる「デパートの食堂」だったけれど、建物老朽化につき惜しまれつつ閉店。でも去年、地元の30代男性がビルを丸ごと引き継いで耐震性を上げ、みごと再建させたという胸熱な場所。
パノラマが広がる開放的な大きな窓からは花巻の街並みが見渡せ、フロアにはレトロな制服を着たホールスタッフさんたち。そして、子どもからお年寄りまで、超楽しそうにランチセットやら、そばやら寿司やらハンバーグやら、パフェやら名物の巨大ソフトクリーム(箸で食べる!)やらを食べている。なんなのこのピースフル空間……。
「ほかの場所に移築して再オープンさせてはという声もあったけれど、この窓からの景色がなければマルカンじゃないから」という社長の言葉がいいよね。
ホカホカ卵焼きサンド
京都へ。完全プライベートなので、好きなもの食べまくるぞー。まずは喫茶店「アマゾン」でオムレツサンド2種! 関西の卵をはさむサンドイッチは、ゆで卵をつぶしてマヨで和えるのが定番の関東とは異なり、焼きたての卵焼きをはさむのが主流なのが面白い。
ひとつ目のシンプルな「オムレツサンド」は、熱々のふんわり卵焼きにケチャップ。んー、これこれ。イメージ通り! そして、こちらの陰の(?)名物「和風トーストサンド」。トーストしたパンにオムレツ、きゅうり、焼きのり、しょうゆ味のおかかがはさんである。うおー、意外性のある組み合わせに悶絶。こっちはパンをトーストしてあるのがキモだな。今度、東京でやってみようっと。
京都のオムレツサンドの喫茶店といえば「マドラグ」が有名だけれど、「アマゾンは雰囲気がめちゃめちゃ良いから!」とのオススメ通り最高。カウンターに降り注ぐ日の光を浴びていると、良い一日が始まる予感しかしない。
朝市ですする巨大ひっつみ
盛岡へ。毎朝5時から8時半頃までやっている地元朝市があると聞き、根性で行ってみた。その名も「神子田朝市」! 盛岡駅からは車で10分ほどです。眠いよう。
お目当ては、ひっつみ。小麦粉を練って、具だくさんの汁物に入れる「すいとん」のようなもの。昨夜の居酒屋でもシメに食べたけれど、大槌町で食べて以来、すっかりハマっているのです。プリプリもちもちの食感、たまらん! そして、クリアなスープが二日酔いに染みる。
この朝市にもプレハブのひっつみ専門店がありまして。生地を小さくちぎって投げ入れるのではなく、幅広にのばしておいたものをゆでる系。べろんべろん! 食べるところによって厚みが少しずつ違って面白いな。
ほぼ地元民しかいない朝市で、なんだかのんびり。まんまる焼きおにぎりの中には大根のみそ漬けが入っていた。来週から青森なのに、市場に並んでいた八戸の筋子のあまりの立派さと安さに、たっぷり買ってしまったわい。白メシだー!
まいにち酒ごはん日記
2018年春から2021年夏まで、ちょうどコロナで世の中が変化した狭間の3年間の飲んで食べて旅して感じたこと、考えたことを集めたオールカラーの日記本。巻末には読むだけで作れる31レシピ付き。
- バックナンバー
-
- 人生なにがあるか分からないから楽しい
- レシピ本通りに作ることの大切さ
- 20代の思い出カレー
- ひとりハシゴ酒で、モツ焼きからフレンチへ
- 酒飲みのためのサプリたち
- 絶品パンで台所ワイン呑み
- うなぎには焼酎お湯割りで
- 「カプリチョーザ」でランチ&「レッドロブ...
- 家で作った白身魚の昆布締めで飲む
- 毎年恒例、牛乳瓶ウニがやってきた!
- お酒がエンドレスで飲めるホテルへゴー!
- 死ぬまで楽しく飲むために
- 羨ましくなるくらいの「おいしがり」!
- 人生初のカープ観戦に衝撃を受ける
- むきたてウニで朝ごはん
- これまでずっと飲んできたけれど、まさかの...
- 日々の暮らしを書くことは、自分を肯定して...
- 平日のひとり家飲みは一品豪華主義で
- 老舗ビアホールで洋食飲み!
- 十人十色なポテトサラダ
- もっと見る