ウクライナ危機で今関心が高まっているロシア。そのロシアと日本は、どんな関係にあるのか。最新の社会科(地理、歴史総合、公共、日本史、世界史、政治・経済、倫理)から多角的に解説します。第7日目は「倫理」。
好評発売中の『1日1ページで身につく!歴史と地理の新しい教養365』から一部を試し読みとしてお届けします。
※ 記事の最後に、伊藤賀一さんの会場&オンライン同時のイベント(2022年4月23日14時半~、イベントまであと1日!)のお知らせがあります。ぜひ、ご参加ください!
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トルストイの人道主義とレーニンの社会主義の特徴とは?
トルストイ(1828~1910年)は、帝政ロシア下に生きた人道主義者〔ヒューマニスト〕。『戦争と平和』『アンナ=カレーニナ』などで知られる世界的な文豪で、キリスト教的隣人愛や非暴力主義を唱(とな)え、のちのロマン=ロラン(フランス)やガンディー(インド)らのヒューマニズム運動に大きな影響を与えます。人道主義〔ヒューマニズム〕は、暴力・抑圧・束縛・不正などの非人間的な環境にある人々を擁護し、人間としての尊厳を守ろうとする考えです。
レーニン(1870~1924年)は、世界初の社会主義国ソ連(1922~91年)をつくった社会主義者〔ソーシャリスト〕。1917年、労働者・兵士・農民らを中心とするロシア革命を起こして帝政ロシアを倒し、最高指導者となりました(次席はトロツキー)。社会主義〔ソーシャリズム〕は、資本主義を否定した上で、貧富の差のない平等な社会=「結果の平等」を目指す考えです。レーニンは、資本主義が最も発達した段階を、原料や市場を求めて他国を侵略する帝国主義として批判し、『帝国主義論』を著しています。
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2022年4月23日14時半から、伊藤賀一さんの刊行記念イベントを開催します(会場参加&オンライン)。詳細・お申し込みは幻冬舎大学のページからどうぞ。