今では鍛えられた肉体を持つ武田真治さんですが、もともと体は華奢で不健康な生活を送っていたといいます。そんななかで発症した顎関節症。運動を始めたのは、その不調を克服するためだったそう。そして最初に取り組んだのが「縄跳び」でした。いきなり運動を始めるのは大変です。『優雅な肉体が最高の復讐である。』から縄跳びのススメをお届けします。
縄跳びでまずは100回を目指してみる
特に僕と同世代で久しぶりに身体を動かすというかたにいきなり激しい運動はお勧めできません。まずは少しずつ身体を動かして、心拍数が上がり汗をかくのに慣れることが必要です。僕も以前顎関節症(がくかんせつしょう)になったとき、縄跳びから運動を始め、ジムに通うようになるまでの半年くらいは、縄跳びだけをやっていました。
まったく運動をしていないと少し動いただけで、息がすぐに上がって辛くなります。僕の経験からいうと、運動は動き始めて身体に熱がこもり、汗をかき出すまでが辛いはずです。汗をさらさらとかけるようになると、運動が辛くなくなります。縄跳びは、ランニングと同じ有酸素運動なので、続けていると汗を上手にかけるようになります。
それに運動に慣れないうちに外を走ったりすると、思わぬ危険や怪我(けが)に見舞われかねません。意識が朦朧(もうろう)とする中、かなりのスピードで次から次へと景色や状況が変わるので、脳の情報処理が追いつかず、その結果車道と歩道のわずかな段差で転んだり、赤信号を見落としたりして、危ないのです。
身体にストレスが少ないという点でも縄跳びはセーフティな運動です。ランニングである程度スピードを出すと、体重の2倍から3倍の着地衝撃が膝(ひざ)などにかかるそうです。体重70kgだと最大200kg以上の衝撃がかかる計算。その点、縄跳びはその場をぴょんぴょんと両足で跳ぶので、身体への負担はずっと少ないのです。
まずは100回、1回もミスしないで連続して跳ぶことを目指してみてください。
おそらくある程度いいテンポ感でやろうとすると、あっという間に突っかかるでしょう。久々の運動に手足がバラバラで、自分のイメージする縄跳びができないことに驚くはずです。一度もつっかえずに100回跳ぼうとすると、冗談みたいにゆっくりとしかできないはず。
しかしそれを静かに受け止めることでしか、先へは進めません。
縄跳びしても無理がなければランニングに挑戦
縄跳びしていて最低限、目眩(めまい)や動悸がしないこと、膝に痛みがないことを何度も確認できたら、ランニングに挑戦してください。
最もハードルの高い運動としてランニングをあげる人も少なくないでしょう。確かに通信や交通手段が発達している現代社会の中では「走る」ことは無駄とさえ言えるかもしれません。
しかし健康や理想の肉体を手に入れたいのなら、その「無駄」に立ち向かうしかないのです。
ただ、無理はしないでください。初めから速く走ろう、長く走ろうと欲張らないこと。身の丈以上の目標を掲げると挫折のリスクが高まります。
僕の場合、神宮外苑を1周することから始めました。距離にして1.5km弱。皆さんもご自宅近くでそれくらいの短いコースを探してみましょう。きっとどこかにあるはずです。
途中で足が止まると、また走り出すときに膝だけではなく精神的な負担になりますから、信号ができるだけ少なくてノンストップで走り続けられるコースを見つけてください。
初めのうちはこの1.5kmを走ることを目標にします。どんなに遅い人でも10分ちょっとで走れるはずです。
おそらく走り始めて数日であっという間に1分くらいはタイムが縮められると思います。それまで何もやっていなかったビギナーのほうが伸び代は大きいでしょう。
1か月も続けると8分前後で走れるようになる人もいると思いますが、それ以上はスピードを追求しないようにしてください。タイムを求めすぎるとランニングが辛い体験として体内にインプットされてしまいます。人は自ら進んで辛い体験に繰り返し向き合おうとはしません。
「今日は随分速く走って疲れたから、しばらく休んで来月から仕切り直そう」などと、やらなくていい理由にして、先送りの精神に打ち負かされてしまいます。先送りの精神は運動習慣の大敵です。決して介入させてはいけません。
なので、短い距離を息を上げながら速く走るのではなく、むしろ長い距離を心拍数をなるべく上げずにゆっくりと走る方向に努力してみてください。
僕と同年代のかたなら1.5kmを週に3日くらいで2~3か月かけて身体を慣らしていって、その後ゆっくりとでも45分ほどを週2回走れるようになれば、随分スッキリした体形を保てるはずです。
体調は習慣でできている
季節の変わり目、不安な社会事情、日々のストレス……アップダウンしやすい体調を整え、キープする方法を紹介。
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