文筆家・ツレヅレハナコさんの最新刊『まいにち酒ごはん日記』が発売になりました。本書は、食と酒と旅を愛する著者が、インスタグラムに綴ってきた投稿の直近3年間分を厳選&大幅加筆修正したオールカラーの日記本です。前半は国内海外と旅に出て外ごはんを楽しむ一方、後半はコロナ禍で自炊生活に勤しむ日々が綴られています。日記本とはいえ情報量がとても多いので、ぜひメモを片手にお楽しみください。また、巻末には「読むだけで作れる31レシピ」も収録されています。本書の内容を、少しずつ抜粋してご紹介します。
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ぐるぐるめぐる、おいしい長野
長野出張。松本は、居酒屋文化もすばらしいけれど(毎晩ハシゴで満喫! 昨日は3軒……)何気にモーニングも激戦区。
喫茶店「珈琲美学アベ」のメニューは50~100円のサイドメニューを好きに組み合わせて頼めて楽しいー。バタートーストにフォカッチャ、とろとろのオムレツ、ハムエッグ、ポテトサラダ、レタスサラダ。
別の日は小学校の前にあるテイクアウト専門の小さなサンドイッチ店「プティグルメ」で名物らしき納豆サンド(!)。焼き海苔もはさまっております。すぐ売り切れるらしいので予約した。ついうっかり、車の中でサンドイッチをつまみながら「朝ハイボール健康法」 を実践……なんたる爽やかな連休の朝!
持ち帰り用に立ち寄ったのは、長野といえばのお焼き屋さん「鷹匠庵」。天然酵母を使った地粉のお焼き。野沢菜、ねぎみそ、切り干し大根などなど……私はなすのやつが好きなのです。フライパンで焼き直して食べようっと。
興奮しかない「たまごの駅」
卵好きの人にしか全く伝わらないだろうけれど、この喜びを伝えたい!というわけで、安曇野の卵直売所&食堂「たまごの駅」へ行ってきました。あー、ディズニーランドの100倍楽しくて、めっちゃ瞳孔開いたわー。
店内には、めくるめく種類の卵の商品直販(もちろんがっつり買う)!普段からスーパーの卵も本気でおいしいと思っていて「卵に貴賤なし」が信条ですが、やはりこれほどの種類がそろっているとときめきすぎる。いまいちイメージが伝わらなければ、卵をチョコレートに置き換えてみてもらうと良いかもしれません。私にとって、ここは卵版の「サロン・デュ・ショコラ」みたいなもんですよ!
食堂では親子丼やオムライスもありますが、もちろん「卵かけ定食」一択。余計なおかず必要なし。店内には、「生卵4種の食べ放題コーナー」「ホットプレートで作る目玉焼きコーナー」が……そりゃもう全種類食べるし、全卵+卵黄の贅沢たまごかけごはんにしますわ。ああ、最高~。マジで夢の国でした。
捨てられないレシピ本
数百冊のレシピ本を持っているけれど、今あるものでリアルタイムに買った本は1991~1993年頃に出版されたものが多い。私は当時、16歳から18歳。その頃から本格的に料理をするようになったから、思い入れが強いんだな。
どの本も、作れそうなものは片っ端から作った。何度も読んだから、今どのページを見てもハッキリと記憶がある。シミや食べ物の汚れ、書き込み(自分に合う分量メモのほか、カロリー計算とかしてて涙ぐましい!)。笑えるくらいボロボロ。台所で一生懸命だった私を思い出せて懐かしい。
大原照子先生のリング型の本は本当に作りやすい名著だったなあ。栗原はるみ先生の『ESSE』ムックは、そのあと書籍になったやつでホムパに憧れた。おおつきちひろ先生のスペイン本も近所のスーパーを何軒もハシゴして材料を探し回り、正解はわからずとも作りまくったな。
今はネットでレシピ検索ができる時代だけれど、自分だけが使い込んだレシピ本は世界に一冊。そんな本を私も作りたいし(編集としても著者としても)、これからも出会っていきたいなと思う。
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コトゴトブックスのサイトで、本書『まいにち酒ごはん日記』(サイン本)に、著者のツレヅレハナコさんが普段から愛用しているおそろい台所道具をセットにしてお届けする企画を実施中。パキスタン製琺瑯レンゲ3個セットまたは、市原平兵衛商店「京風もりつけ箸」一膳のどちらかをお選びいただけます。ハナコさんのレコメンドも参考に、おそろいの「まいにち」をお選びください。数に限りがございますのでお早めに!
まいにち酒ごはん日記
2018年春から2021年夏まで、ちょうどコロナで世の中が変化した狭間の3年間の飲んで食べて旅して感じたこと、考えたことを集めたオールカラーの日記本。巻末には読むだけで作れる31レシピ付き。
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