誰もが「仕事で評価されたい」と思うでしょうが、全員が実績をあげられるわけではありません。これまで会社でも、独立してからも圧倒的な結果を出し続けた著者は、どんなことをしてきたのかをご紹介します。
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就職や転職で新しい会社に入るときや社内で異動するときに必ずやっておきたいのは、職場の外部環境について一通りの情報を洗い出してチェックすることです。
業界や競合企業の情報なら、ウェブや新聞の記事、公表されている財務データなど、情報はいくらでもあるはずです。入社する会社や異動先の売上や利益、自分が配属される部署の社内での位置づけなども、その気になれば調べられることはたくさんあるでしょう。
私が三菱商事に入社したときは、初日の時点で外部から得られる情報は一通り頭に入っていました。そして入社後、私は部署内にある本や資料すべてに目を通しました。終業後に会社に居残って、キャビネットに並んでいる分厚いファイルや書籍などを読み漁ったのです。
これは、自分がこれから仕事をしていく領域について学ばなければならないことを、できるだけ早く身につけるためです。
当時は物理的にその場にある書類に目を通すしか方法がありませんでしたが、今の時代なら社内の共有データをチェックしたり、オンラインコミュニケーションツールで公開されている過去のやりとりに目を通したりすることも有効でしょう。
このような情報収集は、三菱商事入社時だけでなく、出向や転職などで新しい職場に入ったときは、いつも行ってきました。
近年でいえば、シリコンバレーのベンチャーキャピタリストに関する本は、ほぼすべて目を通しています。自分の仕事に必要な情報は、目の前にたくさんあるものです。
しかし情報が目の前にあり、いつでも目を通せる状況だからこそ、多くの人は「必要になったら調べよう」「そのうち時間をかけて勉強しよう」と考えがちになるのではないでしょうか。
確かに、必要なときにその都度調べるというやり方でも、日々の仕事は回せるかもしれません。
しかし、そのようなやり方では、仕事の全体像を見通すための基礎知識を身につけるのに時間がかかってしまいます。すると、指示された仕事を言われたとおりにこなしたり、「上司から怒られないように」という発想で目の前の仕事をこなすことばかり考えたりするようになるのです。
もしも事前に情報収集し、自分が置かれている環境や取り組むべき仕事の全体像が頭の中に入っていれば、指示された仕事が組織の中でどんな意味を持っているか、上司が自分に期待していることは何かを的確につかむことができるでしょう。
しっかり準備をして臨めば、仕事のアウトプットの質は確実に上がるはずなのです。
みなさんの目の前にも、実は貴重な情報が目を通されないまま積み上げられていないでしょうか。「必要なときに見よう」「時間があるときに勉強しよう」と思って放置しているなら、今すぐすべてを頭に入れることをおすすめします。
シリコンバレーで結果を出す人は何を勉強しているのか
シリコンバレーにはビジネスで成功し、億万長者になる人が世界一多いといわれる。14年前に日本から移住し、多くの成功者を観察してきた著者はその理由を「彼らが有機的に学んでいるからだ」という。大学までは熱心に勉強するが、社会人になった途端学ばなくなる日本人に対し、シリコンバレーの成功者は「学び」をやめない。社会人になってからも知識・情報をインプットし続け、新しい体験による生きた勉強をし、付加価値を高めていく。20~50代までの年代ごとに必要な勉強とは? 成功のために絶対不可欠な体験とは? シリコンバレー流の学び方を身につければ、生涯現役まちがいなし!