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マスクを外す日のために

2022.05.12 公開 ポスト

精神科医 和田秀樹が警鐘を鳴らす、実はこんなに恐ろしい「マスク依存」の実態和田秀樹

2022年5月11日、松野博一官房長官は屋外のマスク着用について、「人との距離が十分取れれば、屋外では必ずしも必要ない。特に気温、湿度が高い時は熱中症のリスクが高くなる」との認識を示しました。

海外の映像などを見ていても、マスク着用している人は明らかに減っているように感じます。では、私たちはすぐにマスクなしで外に出られるでしょうか?「そろそろ外してもいいのではないか」と思う一方で、マスクなしでは不安だ、といういう人はまだまだ多いように感じます。

このような状況の中、精神科医の和田秀樹さんは「マスク依存には、実は健康上のデメリットが大きい」と警鐘を鳴らしています。

5月25日に緊急出版される、最新刊『マスクを外す日のために 今から始める、ウィズコロナの健やかな生き方』では、マスクを着け続けることの危険性、特に子どもたちへの悪影響は深刻であることを述べたうえで、その対策法をわかりやすく解説しています。

マスクだけではなく、長く続いた自粛生活自体のダメージは深刻で、うつ病を始めその健康被害で出てくるのは実はこれからだと言われています。

コロナを恐れすぎずに、自らの免疫力を上げて健やかに生きる秘訣が詰まった、これまでにない新・健康論が一冊にまとまりました。

予約開始を記念して、「はじめに」を公開いたします。

*   *   *

あなたは今マスクを外せますか? 自由な毎日を取り戻すために

みなさんも薄々感じておられるのではないでしょうか。「そろそろ、マスクを外しても、大丈夫なのではないか」と。

私も、そう感じています。いや、そう確信しています。

コロナウイルスは、確実に弱毒化の道を歩んでいます。そして、ワクチンはほぼ上限まで普及しました。経口薬も実用化が視野に入ってきています。私を含めて医療関係者には、「今年はマスクを外すチャンス」と考えている者が少なくないのです。

 

すでに欧米の多くの国々では、マスク着用義務の緩和や撤廃に踏み切りました。

G7など、国際会議の映像を観ていても、マスク姿の政治家やリーダーはめっきり少なくなりました。

4月にニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相が来日した際、岸田総理もマスクを外し、彼女と握手までしていました。

そうした背景には、マスクのメリットとデメリットを天秤にかけた政治的かつ医学的な判断があります。

マスクは、人体に対して、恩恵だけをもたらす「幸い」の道具ではありません。さまざまな「禍(わざわい)」ももたらす諸刃の剣なのです。

 

後に詳しく述べますが、マスクをかけると、二酸化炭素を多く含んだ自分の呼気を吸い込むため、普段に比べて酸欠気味になります。すると、脳の働きが鈍くなり、思考力や感情の状態を悪化させます。循環器系にも、よくはありません。

むろん、体温調節機能は低下し、自律神経系にも悪影響を及ぼします。

「マスクをすることが当たり前の世の中」は、できることなら、1日でも早く終わらせたほうがいいのです。

「マスク禍」と感染予防というメリットを秤にかけて、今年、数多くの国がマスクを外す方向に「国策」の舵を切ったわけですが、わが国の政府に、そうした動きは見えません。

依然、この国では、マスクに象徴される「自粛生活」が続いています。

私は、マスク以外のさまざまな「自粛要請」、そして「自粛生活」にも、メリットとデメリットがあり、トータルで考えると、かなり前からデメリットのほうが大きくなりはじめているとみています。

自粛生活は、私たちからじつに多くのものを奪い取ります。

知人や友人と語らう楽しみを奪い、運動の機会を奪い、日の光に当たる時間さえ奪い取ります。それらが積み重なって、私たちのウイルスに対抗する力、「免疫力」は低下しているのです。

 

そして、自粛生活は、私たちの体だけでなく、脳や心にも悪影響を及ぼします。自由に暮らせないストレスや同調圧力が、私たちの脳と心を衰えさせるのです。私は今、そうした「自粛禍」をもたらすような政策や方針を抜本的に見直す時期に至っていると思います。そして、近い将来、多くの日本人がマスクを外せる日がやってくることを念願しています。

 

私は、この2年余りの間、新型コロナとそれに伴う自粛生活が、私たち日本人の体と脳にどのような影響を及ぼすか、目を凝らし、観察してきました。

本書はその観察記録であり、私なりの処方箋でもあります。

近い将来、自粛生活から抜け出し、マスクを外しても、健やかに暮らしていくにはどうすればいいのか――そのためのノウハウを紹介しました。

むろん、それらは現下の状況でも、体、脳、心の健康を守るために役立つ方法です。

私は新型コロナ最大の副作用は、「自由を奪うこと」だと思います。

自粛状態が長期化すればするほど、人生を自由に楽しめる期間は日一日と短くなっていきます。

本書を座右に置いていただき、コロナ以前の自分の生き方や夢を取り戻すためには、どうすればいいのか、しばし沈思していただければと思うのです。

関連書籍

和田秀樹『マスクを外す日のために 今から始める、ウィズコロナの健やかな生き方』

みなさんも薄々感じておられるのではないでしょうか。そろそろマスクを外しても大丈夫なのではないかと……。欧米の多くの国がマスク着用義務の緩和や撤廃に踏み切っている中、日本だけが議論すらなされていません。マスクには健康上のデメリットもあり、特に子どもたちへの悪影響は深刻。マスクのほかにも、長く続いた自粛生活自体のダメージははかりしれません。「自粛・防御一辺倒」の対策に追われるのではなく、自らの免疫力を高めながら、マスクを外す日に今から備えませんか。コロナを恐れすぎずに生きる、新・健康論。

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マスクを外す日のために

みなさんも薄々感じておられるのではないでしょうか。そろそろマスクを外しても大丈夫なのではないかと……。

欧米の多くの国がマスク着用義務の緩和や撤廃に踏み切っている中、日本だけが議論すらなされていません。

実はマスクには健康上のデメリットもあり、特に子どもたちへの悪影響は深刻。マスクのほかにも、長く続いた自粛生活自体のダメージははかりしれません。

「自粛・防御一辺倒」の対策に追われるのではなく、自らの免疫力を高めながら、マスクを外す日に今から備えませんか。コロナを恐れすぎずに生きる、新・健康論。

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和田秀樹

一九六〇年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として、三十年以上にわたって高齢者医療の現場に携わっている。『80歳の壁』『70歳の正解』『マスクを外す日のために』『バカとは何か』『感情バカ』(すべて幻冬舎新書)など著書多数。

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