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たった1分で できると思わせる話し方

2022.06.08 公開 ポスト

「頭のいい人」に見せる第一の鉄則は、自分の意見を先延ばしにすること樋口裕一

雑談から、会議、スピーチ、営業トーク、異性をオトす口説き文句まで、「話し方」ひとつで印象は大きく変わるもの。どうせなら、あなたも「できる人」に思われたいですよね。数多くのベストセラーを世に送り出している樋口裕一さんの『たった1分でできると思わせる話し方』は、すぐに使えるフレーズや会話例が満載の一冊。書かれていることをマネるだけで「できる人」だと思われる、そんなお得な本書から、とっておきのワザを公開します。

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手の内はできるだけ明かさない

意見を聞かれて、じっくり考える前に話し始めたのでは、天才的な頭脳を持っているのでないかぎり、「頭のいい人」には見られない。

しかも、自分の意見を先に言うということは、ある意味で、相手を優位に立たせるということになる。人の話というのは、膨大な情報なのだ。その人が何を考えているかということからその人の考え方の根本、そして、性格や育ちまでがそこには含まれている。

もし、あなたが先にその情報を口にするということは、相手にその膨大な情報を知らせるということになる。うっかり不用意な情報を口にし、すかさずそれを指摘されたら、あなたは相手の言いなりにならざるを得ないかもしれない。すくなくとも、相手に話の主導権を取られてしまうだろう。

(写真:iStock.com/fizkes)

ともかく、相手に話したいだけ話させる。それが第一の鉄則だ。そして、相手はせっかく情報を漏らしてくれているのだから、その間、あなたは、それをじっくり聞かせてもらって、ゆっくり考えるのだ。

相手の意見の弱点を見抜き、場合によってはそれを批判し、時には、よりよい解決を考える(そうした思考法については、後で説明する)。

意見を聞かれても、まずは、「さあ、どうだろうな」「いろいろ考え方はあるだろうけど」「考えていることはあるんだけど」といった具合に、ぼかしておくことを勧める。難しい顔をして、「ウーム」とうなる、というのも、それなりの説得力があるものだ。

 

そして、相手に先に意見を言わせておいて、それを「踏み台」にしてあなたの意見を展開するのだ。その際、相手の意見を参考にして自分の考えをまとめたなどとはおくびにも出さず、前から考えていたように見せるべきなのはもちろんだ。

手段を尽くして、自分の意見を口にするのを先に延ばすこと。それが、「頭のいい人」に見せるための第一の鉄則と言ってもいい。

反論するのは賛成意見を述べてから

たとえ相手が目上であっても反論するのが、「頭のいい人」の信条だ。これは、一種の宿命であって、「頭のいい人」であるからには、鋭い反論をだれに対しても貫かねばならない。

だが、そうは言っても、嫌われ、排斥されるとわかっていても反論するのは単なるバカだ。そこで、石頭の上司や権力欲の強い相手のときには気をつけねばならない。そんな場合に用いる鉄則が、あたかも賛成であるかのように意見を羅列して、最後に反論をつけ加える方法だ。

(写真:iStock.com/Seiya Tabuchi)

実践講座(1)の【鉄則6】で、「確かに君の言うことは正しい。なぜなら……だ。しかし……」という方法を伝授した。相手が目上でもそれは同じことだ。

ただ、「おっしゃる通りです。なぜなら……」の後を引き伸ばしてたくさん論拠をあげるわけだ。そうしておいて、最後に、少しだけ反論をつけ加える。

「しかし、……のような場合が考えられますが」

というような調子だ。

こうすることによって、相手に、反論されているという不快感をあまり与えずにすむし、なかなかできると思わせられる。それでいて、ちゃんと反論もできるのだ。

 

相手が「頭のいい人」であれば、そのほんのちょっとの反論を軽視したりせず、あなたの意見をもっと聞きたがるだろう。そのときには、あなたは待ってましたとばかりに、いつもの要領で反論すればよい。

相手が、あまり「頭のいい人」でなければ、あなたに賛成されたと信じて、あなたを頭のいい頼もしい味方と思い込むことだろう。それならそれで損はないはずだ。

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関連書籍

樋口裕一『たった1分で できると思わせる話し方』

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たった1分で できると思わせる話し方

雑談から、会議、スピーチ、営業トーク、異性をオトす口説き文句まで、「話し方」ひとつで印象は大きく変わるもの。どうせなら、あなたも「できる人」に思われたいですよね。数多くのベストセラーを世に送り出している樋口裕一さんの『たった1分で できると思わせる話し方』は、すぐに使えるフレーズや会話例が満載の一冊。書かれていることをマネるだけで「できる人」だと思われる、そんなお得な本書から、とっておきのワザを公開します。

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樋口裕一

1951年、大分県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、立教大学大学院博士後期課程満期退学。フランス文学、アフリカ文学の翻訳家として活動するかたわら、受験小論文指導の第一人者として活躍。現在、多摩大学名誉教授。通信添削による作文・小論文の専門塾「白藍塾」塾長、MJ日本語教育学院学院長。250万部の大ベストセラーとなった『頭がいい人、悪い人の話し方』(PHP新書)のほか、『65歳 何もしない勇気』(幻冬舎)、『「頭がいい」の正体は読解力』『笑えるクラシック』(ともに幻冬舎新書)など著書多数。

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