ここまで生きてくると、もうこれからは自分の好きなものを、好きな量だけ、気楽に食べたい。作る時も食べる時も疲れないですむ、こころ落ち着くごはん。
生きていく人生の段階によって変化していく食事の風景。自分がおいしいと思うもの、それがいちばんのごちそう。――銀色夏生
『60歳、女、ひとり、疲れないごはん』の「日々のメニュー」の写真から、銀色さんにいろいろ質問しました。
* * *
Q 盛り付けが綺麗ですね。
A 盛り付けはすごく意識しています。お皿に載せるときの、載せ方、並べ方。
87ページにも書いてあるけど、ソテーした野菜を並べるときに、自分の好きな形に並べるのがすごく好きなんです。自分の好きなように並べて、その様子を見るのが好き。
85ページの下の写真。左上にいつものズッキーニの天ぷらがあって、オレンジ色の唐辛子があって。これがすごく可愛い。唐辛子がちょんちょんって。絵なんですよね、私にとって。
Q サラダの盛り付けのこだわりは?
A サラダの盛り付けはすごく楽しい作業です。私は丸が好きなんです。だから丸が多い。丸が並んでるみたいな。にんまりした心で並べてます。あとは色。色の組み合わせも重要です。緑、赤、オレンジ、紫、オリーブオイルの黄緑、胡椒の黒……、これはここに、これは均等にちりばめて……と真剣に。
Q お皿の並べ方にもこだわりがありますか?
A お皿とお皿の間隔はとても大事です。全部私が「よしっ!」 っていう間隔。1ミリ2ミリで違うんです。お皿とお皿の間隔は、満足いくまで並べて写真を撮ります。ちょっと斜めになっているとしたら、それには意味がある。
画面のはしっこにちょこっと写ってるもの(醤油差しやふりかけなど)も、全部そこにその大きさで入ってるって認めてから写真を撮ってます。ちょっと写りこんだとかじゃなくて、よしよしって。全部意味があるんです。
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60歳、女、ひとり、疲れないごはん
ここまで生きてくると、もうこれからは自分の好きなものを、好きな量だけ、気楽に食べたい。作る時も食べる時も疲れないですむ、こころ落ち着くごはん。生きていく人生の段階によって変化していく食事の風景。自分がおいしいと思うもの、それがいちばんのごちそう。