お腹が出てきたのを気にして、がんばって腹筋運動をしている人は多いでしょう。しかし、フィジカルトレーナー・フィットネスモチベーターの中野ジェームズ修一さんは、「腹を凹ませるために鍛えるべきは、腹筋でも体幹でもない。実は『下半身』である」と説きます。そんな中野さんの著書『なぜいくら腹筋をしても腹が凹まないのか』より、ダイエットの常識をくつがえす、もっとも効率のいい内臓脂肪&皮下脂肪の落とし方をご紹介します。
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「科学的な答え」は……?
有酸素運動をするにあたり良く受ける質問があります。
「歩いた方が良いのか? 走った方が良いのか?」
それに一概に答えを出すことは非常に難しいです。体力レベルや年齢はそれぞれ違いますし感覚も人それぞれだと思います。
運動生理学的見地からは、心拍数を測定する方法がありますが、その説明をする前に、まずは下のグラフをご覧ください。
まず基準として知っておいて頂きたいのは時速8キロという数値です。
時速8キロというと一般的には軽いジョギングレベル、私達トレーナーからするとクライアントと初めて一緒に走るとき、一般的な体力レベルの人の準備運動レベルとして速すぎることのないという速度がこれにあたります。
この速度で歩くとなると競歩のようになってしまい、逆にかなりキツくなってしまうので、走った方が楽な速度です。
このグラフは何を示しているのかというと、体脂肪がエネルギーとして使われるには酸素が必要で(なので有酸素運動と言います)、その酸素の消費量と歩行ないし走行スピードとの相関性を示したものです。
ちなみに酸素消費量と脂肪燃焼量は比例するので、酸素消費量が多くなるということは、脂肪燃焼量も増えるということです。
無理して速く走る必要はない
ウォーキング(歩行と書かれています)では時速5.5キロから速度が上がるにしたがってどんどん酸素消費量が上がっていきますが、ランニング(走行と書かれています)ではあまり変化が見られません。
特に注目してもらいたいのが、ランニング選手のように走ることに相当慣れている方の場合は、ゆっくり走る方が酸素消費量は高いという点です。
このグラフから以下のことが考察されます。
- ウォーキングの場合は速度を上げた方が酸素消費量は増える
- ウォーキングでも時速7.5キロ程度を超えると走っている場合とほぼ変わらないレベルまで酸素消費量は増える
- 時速8キロ程度になるとウォーキングの方がランニングよりも酸素消費量が多い
- ランニングは基本的に酸素消費量が多いが、一般の人の場合時速5.5~9キロの範囲の中で速度によって酸素消費量はあまり変わらない
ここで思い出してみてください。先程述べた、時速8キロというのが初めて運動を行う方にとってもあまりキツくないレベルだということを!
無理して速く走らなくても、ウォーキングでだって、しっかり効果が出るということが分かって頂けると思います。
今までは「ランニングはちょっとハードルが高いなあ……」と感じていた方も、「ゆっくりジョグでもいいんだ、なら少しやってみよう!」「ウォーキングから始めてみようかな」などと思って頂けたら嬉しいです。
もちろん個人差はありますがゆっくりジョグならそんなにハードではないので長時間運動することができますし、長く継続することだって可能です。また定期的に行っていくと、距離も時間も自然と無理なく伸びていくものです。
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なぜいくら腹筋をしても腹が凹まないのか
お腹が出てきたのを気にして、がんばって腹筋運動をしている人は多いでしょう。しかし、フィジカルトレーナー・フィットネスモチベーターの中野ジェームズ修一さんは、「腹を凹ませるために鍛えるべきは、腹筋でも体幹でもない。実は『下半身』である」と説きます。そんな中野さんの著書『なぜいくら腹筋をしても腹が凹まないのか』より、ダイエットの常識をくつがえす、もっとも効率のいい内臓脂肪&皮下脂肪の落とし方をご紹介します。