文筆家・ツレヅレハナコさんの最新刊『まいにち酒ごはん日記』が発売になりました。本書は、食と酒と旅を愛する著者が、インスタグラムに綴ってきた投稿の直近3年間分を厳選&大幅加筆修正したオールカラーの日記本です。前半は国内海外と旅に出て外ごはんを楽しむ一方、後半はコロナ禍で自炊生活に勤しむ日々が綴られています。日記本とはいえ情報量がとても多いので、ぜひメモを片手にお楽しみください。また、巻末には「読むだけで作れる31レシピ」も収録されています。本書の内容を、少しずつ抜粋してご紹介します。
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16年前のホームページ
買い出しついでの、お久しぶりサイゼリヤおやつ。注文が用紙書き込み式になっていたり、モッツァレラトマトが様変わりしていたりと浦島感。
そして関係ないけど先日お打ち合わせしたはじめましての編集さんが、2008~2015年(実質)までのブログ時代どころか、2004~2008年までやっていたホームページ時代を初期から読んでくれていたと聞いて急に打ち解けた雰囲気に。もはや16年前……。
「あの頃のハナコさんのどうかしてる飲食店訪問数に比べると今は寂しい気がします」と言われ、数年ぶりに少しだけ読み返したらホント16年前の自分がどうかしていて笑った。ものすごく元気そうで楽しそう。
まだブログも存在しない時代。プログラミングなしでホームページが立ち上げられるMac用ソフト「ドリームウィーバー」(懐!)でむりやり作った手作り感満載のHP。誰も読んでないと思っていたから、当時は彼氏のグチとかまで書いてたわー。
安い店から高い店、近い店から遠くの店、ナウでホットな店からくずれ落ちそうな店までよく行ってたなあ。でも、もう中年なので、好きな店に繰り返し行く方向で許してけろ。
モロヘイヤとクレオパトラ
クミンを効かせた夏のモロヘイヤスープ。大好物! とろとろおーいーしー。めっちゃ体にもいいらしいし、旬の時期は積極的に食べています。クレオパトラが愛したという中東の味ですね。
基本はバターでクミンシード・玉ねぎ・トマトを順に炒め、鶏ガラスープ・塩を加えて煮て、仕上げに刻んだモロヘイヤをドサドサ入れてサッと煮る温かいスープ(今日は卵を落とした)。
でもバター→オリーブオイル、鶏ガラスープ→かつお出汁、クミン→黒七味とかにして、キリッと冷やした(バターは冷やすとかたまるのでオリーブオイルならOK)和風すりながし版も好き。濃いめに作ってそうめんのつけ汁にしたり、豆腐にかけたりね。おかげで夏バテもせず毎日元気。
ちなみに、よく聞かれるけれど、出汁はかつお+昆布でとるとか、鶏ガラを煮出すとか、それはもちろん超うまい。私も時間と気力があれば、できる限りそうします。なぜなら、やはりおいしいし、気分が良いから。
でも、もしそれができないなら、顆粒の鶏ガラスープや「ほんだし」の汁でも全然良いと思う。私も両方使い分けてますよ。まずは目の前のハードルの下で満足できるものを。というか、日本の企業努力すばらしいよね。こんなハイスペックな出汁の素を作ってる国はないと思う。
野菜なんて明日食べろ
いろいろ終わらないので台所で呑みながら仕事。仕事しながら呑む。冷蔵庫にあって良かった、いただきものの下井草「ぐるめくにひろ」のパテ(うまーい)。
そして! 今日の撮影手土産で、あこがれの「まっちゃんのパン」をご本人からいただいた。わーい、うれしー! バリバリの料理カメラマンなのにプロ並みの天然酵母パンも焼けるとかどうなってるの……。
クグロフ型がクリームチーズと黒こしょうと岩塩、その下がリクエストしたじゃがいものフォカッチャ(もっちもち!)、右の四角いのがバジルを練り込んだ山型食パン、丸いのが北海道のめちゃ甘いとうもろこし(なんて名前だっけか……)のコーンパン。
うおー、どれから食べるか。というか撮影のときからみんなで切り出して一口ずつつまみ食い(なんなら撮影の小道具で登場)。ひー、フォカッチャうまいー。というか、全部酒が進むパン。
台所の丸椅子での晩酌は、気楽なのが一番。おいしいパンとパテとワインがあれば、満足です。みごとに野菜ゼロでも、足りない分は明日食べれば良し。もう大人なんだしね!
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まいにち酒ごはん日記
2018年春から2021年夏まで、ちょうどコロナで世の中が変化した狭間の3年間の飲んで食べて旅して感じたこと、考えたことを集めたオールカラーの日記本。巻末には読むだけで作れる31レシピ付き。
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