お腹が出てきたのを気にして、がんばって腹筋運動をしている人は多いでしょう。しかし、フィジカルトレーナー・フィットネスモチベーターの中野ジェームズ修一さんは、「腹を凹ませるために鍛えるべきは、腹筋でも体幹でもない。実は『下半身』である」と説きます。そんな中野さんの著書『なぜいくら腹筋をしても腹が凹まないのか』より、ダイエットの常識をくつがえす、もっとも効率のいい内臓脂肪&皮下脂肪の落とし方をご紹介します。
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タンパク質を摂らないと腹は凹まない
ここまでは摂取カロリーを下げる方法を紹介しました。しかし、ただ闇雲に摂取カロリーを減らせば良いというわけでは決してありません。
筋肉量を増やして基礎代謝をアップさせることがお腹を凹ませることに繋がる、そのためにちょっとキツい筋トレが必要だ、ということは第3章までに説明してきました。
しかし、あれだけの筋トレを頑張っても、筋肉を作るための材料であるタンパク質の摂取が足りなければ、筋トレによって傷ついた筋線維は十分に修復されずに筋肉量は増えません。それは非常にもったいない話です。
お腹が出てきてメタボを気にするようになると、摂取カロリーを下げる一つの方法として「肉を食べない」、または控えるという人も多いと思います。しかし、肉を食べることでお腹が出てしまうわけでは決してなく、もちろん野菜がお腹を凹ませるわけでもありません。
ただし、「肉はタンパク質が多い食品である」ということは事実なのですが、部位によっては脂肪分も多く含み、過剰に摂りすぎれば摂取カロリーがオーバーしてしまうのもまた事実です。
ではその点も踏まえた上で、タンパク質の摂取は実際にどのように考えれば良いのでしょうか。
体重1キロあたり「1グラム」摂る
「筋トレをしている場合どのぐらいのタンパク質が必要なのか」を知るために、一つの基準となる数値は、体重1キロに対して1グラムのタンパク質が必要であるということです。それは体重60キロの方の場合、1食あたり20グラムという計算です。
この数値はあくまでも目安であり、おおよその感覚的な数値を分かって欲しいという思いから紹介しているものだということは、ご了承ください(研究者や機関によって若干数値に違いがあります)。
特に運動をしていない、普通の生活を送っている場合におけるタンパク質の必要量は、体重1キロに対して0.8グラムと言われています。活動量が多い方や運動をしている方ですと、体重1キロに対して1.2グラムぐらいです。また、アスリートのようなハードなトレーニングをしている人は2グラム以上必要と言われています。
この書籍で紹介しているような筋トレを行う場合であれば、1キロあたり1~1.2グラム程度が必要だと理解しておけば良いでしょう。
では1グラムの場合を例に、実際に計算してみましょう。体重70キロの方であれば1日で70グラムのタンパク質が必要ということです。では実際に平均的な日本人の食事では、どの程度のタンパク質が摂れているのでしょうか。
例えば、朝食に和食、昼にランチ定食、夜に肉1品と副菜、味噌汁のような食事の場合、1食あたり約20グラム程度のタンパク質が含まれています。これで1日約60グラム摂れるということです。
あと10グラム分をそれにちょっと意識してプラスする。例えば、肉や魚の量を増やす、牛乳や卵を使ったおやつを摂るなどすれば、合計で70グラムに到達します。
もし1食抜いてしまったり、明らかにタンパク質が少ないメニューだったり、または食欲があまりなく残してしまったなどというときは、サプリメントとしてプロテインを使うという選択肢もありだと思います。
筋トレの話をすると必ず質問されるのがこのプロテインのことですが、このように必要に応じて足りないときに補う、つまり補助として使うのであればとても有用であると私は考えます。
また、筋トレを頑張った後はタンパク質を多く摂れば摂るほど有効なのでは、と考える方もいるかもしれません。タンパク質を分解して吸収する能力には、大きな個人差があります。
筋肉がつきづらいと感じる方は多めに摂取するよう意識することは必要だとは思いますが、タンパク質及びプロテインを摂れば摂るほど筋肉が作られやすいということではありません。
それにもちろん筋トレをしないでタンパク質の摂取量だけ増やしても、筋肉の合成が明らかに高まるわけではないので気をつけてください。むしろオーバーカロリーになりお腹が凹まない要因にもなりかねません。
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この続きは書籍『なぜいくら腹筋をしても腹が凹まないのか』をご覧ください。
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