毎朝、300円のラテを買って出社する。「送料無料」のために余計にモノを買う。「格安SIM」を検討したことがない……。もし思い当たるところがあれば、あなたは「隠れ貧乏」かも? 将来、後悔しないためにも読んでおきたいのが、ファイナンシャルプランナーで「家計再生コンサルタント」の横山光昭さんによる『1日500円の小さな習慣』です。実践すれば、みるみるお金が貯まるようになる本書から、ぜひ試していただきたいメソッドを紹介します。
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固定費を見直して「スリム家計」に大変身
家計が赤字だったり、収入があるのに貯金ができなかったりする人は、貯まる家計にするために、まず「固定費」を見直しましょう。
固定費は、「住居費」「生命保険料」「通信費」など、毎月一定の金額を支払う費目です。
「固定費だから、このぐらいかかるのはしかたがない」と見直さないのはただの思考停止。お金が貯まらない失敗ポイントのひとつです。
水道光熱費などをコツコツ節約するより、固定費を見直すほうが効果が出るのが早いといえます。
「食費」や「日用品費」「被服費」「交際費」などは、気持ちひとつで切り詰めることができます。
逆に気がゆるむと、手取りが月20万円ほどなのに、被服費に月10万円ぐらいかけてしまうケースがあるなど、歯止めが利かずに使ってしまったりする危険性があります。
しかし、固定費の場合は一度見直せばその効果が長持ちしますし、削減効果も安定しているので、一番の見直しポイントになるといえます。
固定費を思い切って削減した家庭の事例をご紹介します。
ある40代後半の共働き夫婦は、収入が合わせて月に60万円以上ありますが、小学生から高校生まで、3人のお子さんの教育費に月15万円以上をかけていました。
お子さんを私立の中高一貫校に通わせていたので、家計がピンチだからといって転校させるわけにもいかず、また受験生の子もいるので塾代なども削れませんでした。
教育費を絶対に削れないとなると、それ以外の固定費を見直すしかありません。
そのご夫婦は悩みに悩んだ末、思い切って自家用車を手放して、車にかかる固定費を削減するという選択をしました。
自動車を売り、原付バイクを購入。移動には自転車やその原付バイクを利用することにして、自動車保険や車検、自動車税などの支出が一気に削減されました。
「教育費は譲れない」とか「住居費は動かせない」といった、どうしても下げられない費目がある場合、視点をガラッと変えて、こうした形で固定費を見直すこともできるのです。
また、固定費の中でも、住宅ローンは簡単に金額の変更をすることはできません。ですが、金利が今のローンより0.5%以上安く、返済期間が10年以上残っている、あるいは借入額が1000万円以上残っている、という人は、借り換えで節約できることがあります。
一方、「人生の中で住宅の次に高額な買いもの」といわれる生命保険は、ライフステージに合わせて見直しを図ると、料金を大きく削減できます。
2章の「保険貧乏」の落とし穴の項目でもお話ししましたが、家を購入して住宅ローンを組んだときと、子どもが独立したときは、保険の見直しをする2大チャンスです。
保険料の目安としては、現在支払っている生命保険料が手取りの10%を超えている人は、保険料をかけすぎているといえます。手取りの5%以内にとどめるのが理想的です。
月あと5000円は削れる!最後の水道光熱費コストダウン術
水道光熱費は、大きな削減はしにくいですが、月々500円でも1000円でも削っていくと、年単位で見たとき数万円の削減が可能です。
たとえば、電気はこまめな節電も大切ですが、契約アンペアを下げると節約効果があります。また、電球を節電タイプのものに替えることも効果があります。
水道は出しっぱなしにしないようにしたり、節水効果のあるシャワーヘッドに交換したりすると、使用量も減るのでガス代も下がるという相乗効果が期待できます。
また、支払いを口座振替にしたり、年払いにしたり、紙の請求書からウェブ請求に変えると割引になるといったサービスもあるので、契約状況を確認してみましょう。
あるメタボ家計の家庭では、6人家族で月に電気代約1万2000円、ガス代約1万5000円、水道代約1万円と、水道光熱費が高めなのが気になりました。
特にガス代と水道代が高い印象で、それぞれあと1000~2000円下げられてもよさそうなのに、「まぁ、電気代やガス代や水道代って、このぐらいは普通かかるものなのかな」と、楽観的に思っていたのです。
明らかにムダが多いのに、それが当たり前の感覚になっていると、削れるものも削れません。
水道光熱費がかかりすぎていることを指摘して、よく使う部屋の電球をLEDにし、節水シャワーヘッドに替え、なおかつシャワー浴のときは流しっぱなしにしないことを意識してもらうと、水道代と電気代が月に各約1000円、ガス代が月に約3000円節約でき、水道光熱費を合計約5000円削減できました。
家族みんなでやる気になって節約すれば、大きな削減にはならなくても、年間で約6万円のコストダウンになります。
もちろん、暑いのに冷房を入れずに我慢して熱中症になってしまったり、寒いのに暖房せずに風邪をひいて医療費がかさんでしまったり……なんてことになれば意味がありません。
ただ、こうした細かな節約意識があると、ほかの食費や日用品費など、家計全般に引き締めの意識が働くようになります。
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この連載は今回で最終回。続きは書籍『1日500円の小さな習慣』をご覧ください。
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