どうすれば相手が喜んでくれるか、どうすれば面白いものになるか……。古今東西の経営者、著名人はじめ、結果を出す人はみな「思考」することを止めません。どうすれば自分も、あんなふうに「思考中毒」になれるのか? その方法を教えてくれるのが、テレビでもおなじみ、齋藤孝先生の新書『思考中毒になる!』です。読んで実践すれば、面白いように結果がついてくる、齋藤先生とっておきの「思考のコツ」をご紹介しましょう。
* * *
スマホより「手書き」がいい
1日のうち、どれだけの時間思考できているのかは、思考している内容を紙に列挙すれば一目瞭然です。列挙した数が多ければ、それだけ思考できている証拠です。
私はスマホのメモ機能を活用して記録する機会も多いのですが、特に慣れない人はアナログな手帳を活用するのがおすすめです。名づけて「思考手帳」です。
思考手帳に、思考した内容をざーっと列挙しておくと、途中で会議や食事、打ち合わせなどで中断したとしても、手帳を見直せば思考の続きを再開できます。電車に乗っているときにも、手帳に目をやれば、移動しながら考え続けられます。
思考手帳に記録するときには、できれば30分ごとに考えた内容を書いていくのが望ましいでしょう。
バーチカルタイプの手帳であれば、縦に時間軸が取ってある縦長の帯に、30分や1時間単位で1日の思考を記録できます。とりあえず30分のうちに考えたことを手帳に書き込んでみる。すると不思議なことに、「次の30分で書き入れる材料を探さなければならない」という気分になります。
そこで、はじめて思考のスイッチが入ります。そして、「考えるべき材料が常にある状態」にしておけることが、一つめの重要なポイントになります。
考えたから書き込むのではなく、「書かなければいけない」という制約を課されるからこそ、思考を始められるというメリットもあります。
「思考の痕跡」を残そう
思考手帳は、あくまでも思考を習慣化させるためのツールです。「斬新なアイデアを書き込まなければ」などと意気込む必要はありません。さしあたっては、考えた内容をキーワードなどをからめながら箇条書きにしておくだけで十分です。
営業担当者の場合でいうと、「A社で商談」「B社で提案」などと書くのはただの行動ですから、「今月の売上を10%上げるには?」「B社の仕事をとるには?」などと記録します。
書籍の編集者であれば、「本のタイトル」「カバーのコピー」「新しい本の企画」「○○本の構成案」などになるでしょう。
そして、ここからが重要ですが、仕事中に考えるのは、ある意味、当たり前です。
思考手帳が威力を発揮するのは、通勤時間や移動中などこれまでボーッとするか、考えごとに費やしていた時間に、どれだけ思考できるかということです。そのための思考手帳といっても、過言ではありません。これが2つめの重要なポイントです。
ですから手帳には行動や仕事内容は記入せず、あくまでも「思考の痕跡」を残すようにしてください。
手帳に3日の空白があるとすると、思考も空白の3日を経過していたことになります。手帳に記録しなくても思考はしているはずですが、記録しないと考えた内容はあっという間に霧散してしまいます。
思考手帳を持ち歩くのは、思考のチェック道具を持ち歩いているのと同じです。考えた内容を記録すると、間違いなく頭脳が明晰になってきます。自分が追究するテーマについて深く考えるようになり、次々とアイデアが浮かぶのが実感できると思います。
* * *
この続きは幻冬舎新書『思考中毒になる!』をお求めください。
思考中毒になる!
どうすれば相手が喜んでくれるか、どうすれば面白いものになるか……。古今東西の経営者、著名人はじめ、結果を出す人はみな「思考」することを止めません。どうすれば自分も、あんなふうに「思考中毒」になれるのか? その方法を教えてくれるのが、テレビでもおなじみ、齋藤孝先生の新書『思考中毒になる!』です。読んで実践すれば、面白いように結果がついてくる、齋藤先生とっておきの「思考のコツ」をご紹介しましょう。