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51歳緊急入院の乱

2022.07.08 公開 ポスト

第3回

死ぬ前に気づいた。「夫の携帯番号、覚えてへん」花房観音

救急車が発信して、サイレンが鳴っている。

「大丈夫だから」と救急隊員が励ましてくれる。

身体はつらいが、「ドラマや映画で見る光景だ」なんて冷静になっている自分もいた。

初めての救急車、一生、乗ることはないと思っていた救急車。

そう時間はかかることなく、病院に着いた様子だった。この辺は、意識が朦朧としていたから記憶も曖昧なのだけれど。

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花房観音『ヘイケイ日記』

40代。溢れ出る汗、乱れる呼吸、得体のしれない苛立ち……。心身の異変を飼い慣らしながら、それでも女を生きていく。いくつになろうが女たるもの、問題色々煩悩色々。綺麗な50代をなぜ目指さないといけないのか、死ぬまでにあと何回「する」のか、グレイヘアを受け入れられるか。更年期真っ盛りの著者が怒りと笑いに満ちた日々を綴る「女の本音」エッセイ。

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51歳緊急入院の乱

更年期真っ只中。体調不良も更年期のせいだと思っていたら……まさかの緊急入院。「まだ死ねない」と確信した入院日記。

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花房観音

2010年「花祀り」にて第一回団鬼六賞大賞を受賞しデビュー。京都を舞台にした圧倒的な官能世界が話題に。京都市在住。京都に暮らす女たちの生と性を描いた小説『女の庭』が話題に。その他著書に『偽りの森』『楽園』『情人』『色仏』『うかれ女島』など多数。

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