アップル、グーグル、フェイスブックなど世界トップ企業が本社を置き、世界中の「知」が集まる場所、それがシリコンバレー。ハーバード・ビジネス・スクール卒業後、サンリオをはじめ、数々の有名企業の取締役を歴任してきた鳩山玲人さんは、この地で多くの成功者を観察してきました。そんな彼らが実践している勉強法とは? そして鳩山さん自身は、どんなことを習慣にしているのか? 全ビジネスパーソン必読のインタビューをご覧ください。
※本記事は、 Amazonオーディブル『武器になる教養30min. by 幻冬舎新書』より、〈【前編】鳩山玲人と語る「『シリコンバレーで結果を出す人は何を勉強しているのか』から学ぶ イノベーションの作り方」〉の内容を一部抜粋、再構成したものです。
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「変化率」が高いシリコンバレーの人たち
── 『シリコンバレーで結果を出す人は何を勉強しているのか』は、鳩山さんに「シリコンバレーですごい結果を出している人たちの勉強法が知りたい」とお願いしたことから始まりました。実際、シリコンバレーの人たちは、学びに対して熱心なのでしょうか?
それは実感としてありますね。「学ぶ」と言っても、英語では3つの言い方があります。日本語の「学ぶ」に一番近いのは「スタディ(Study)」で、座学やペーパーテスト、資格勉強などのイメージです。
しかし、シリコンバレーの勉強法はそれだけではありません。「ラーニング(Learning)」と「エクスペリエンス(Experience)」を重要視します。経験から学ぶこと、そしてその学びを積み上げていくこと。シリコンバレーの人たちは、この3つの「学び」をきちんと実践している人が多いと感じます。
── 日本人とシリコンバレーの人は、どのような点が一番違いますか?
僕はシリコンバレーに住み始めてから15年近く経つのですが、シリコンバレーには変化率の大きい人がたくさんいます。本にも書いてありますが、ハーバード・ビジネス・スクール時代のクラスメイトのキャサー・ユニスという人は、最初、大手Eコマース企業に入ったのですが、数か月後には自分の会社を立ち上げていました。
やがてその会社をグーグルに数十億円で売り、グーグルの役員になって、次にYコンビネーターというベンチャーキャピタルのCOOになりました。そして気づいたらまた自分の会社をつくっていて、今では4000億円の時価総額になっています。それが、彼の15年間なんです。
一方、日本人の場合、15年前から知っている人ってたいていそのままなんです。同じ会社で、同じ仕事をしている。変化率が小さいんですね。その間にシリコンバレーの人たちは、まったく違う人になっている。すごい成長カーブを描いて変わっていくわけです。
この差はどこにあるのか? そう考えたときに、シリコンバレーの人たちの勉強法に秘密があるに違いないと思いました。それが、この本をつくろうと思ったきっかけです。
今はまだ変化の始まりにすぎない
── 最近は日本でも、早期退職やリストラが増えています。また一方で、「人生100年時代」と言われたり、70歳まで働くことも当たり前になりつつあります。鳩山さんは、こうした変化をどう見ていますか?
僕は変わっているとはあまり感じていません。なぜかと言うと、これからもっと大きく変わるはずだから。今はまだ、変化の始まりだと思っています。始まりを目撃しているにすぎないんです。
寿命だってテクノロジーでものすごく延びているかもしれないし、老化も薬で防ぐことができるかもしれない。となると、70歳どころか、80歳まで働くのが当たり前で、85歳まで働こうといった議論が行われているかもしれない。そのときどうなるのか、ということがシリコンバレーでは話題になっています。
だから、今の日本は中途半端ですよね。終身雇用の時代は終わったと言われるけど、実際はなくなっていないし、早期退職やリストラも増えていると言われるけど、アメリカのように多いわけではない。でも日本も、これから20年、30年経てば、ガラッと変わっているでしょう。
そのための準備を、今からしておく必要があると思います。今の会社で、今のスキルで、と思っている人もいるかもしれませんが、20年後、30年後には、まったく違う世界になっているはずです。そのときになって転職しようと思っても、あるいは新しいスキルを学ぼうと思っても、たぶん遅い。
だから僕は、シリコンバレー流に言うと、新しいスキルをつねに取り入れて、少しずつでもいいから変化をつくっていったほうがいいと考えています。
── そのための方法が、この本にはたくさん書かれています。たとえば、鳩山さんは週に2、3人、仕事とは関係のない人と会って話すことを習慣にしているそうですね。
これは大学のときのゼミの先生で、石倉洋子さんという方の教えです。「社会人になったら、学生のときみたいにいろんな人と会わなくなるから、つまらなくなる。意識して新しい人と会ったほうがいいよ」とおっしゃっていて、それがずっと頭に引っかかっていたんです。
それで社会人になって実践してみたら、発想も広がるし、機会も増えるし、学ぶことも多いし、結果的に自分の幅を広げることにつながりました。この習慣は、今でもすごく大切にしています。
── 新しい人に会うのは、面倒だと思うことはありませんか?
「面倒くさい」という言葉を、僕は使わないようにしています。嫌いな言葉ですね。人間の姿勢として、間違っているような気がする(笑)。面倒くさいと言って、ものごとを避けてしまうのは、非常にもったいないなと思います。
Amazonオーディブル『武器になる教養30min. by 幻冬舎新書』はこちら
書籍『シリコンバレーで結果を出す人は何を勉強しているのか』はこちら
武器になる教養30min.by 幻冬舎新書
AIの台頭やDX(デジタルトランスフォーメーション)の進化で、世界は急速な変化を遂げています。新型コロナ・パンデミックによって、そのスピードはさらに加速しました。生き方・働き方を変えることは、多かれ少なかれ不安を伴うもの。その不安を克服し「変化」を楽しむために、大きな力になってくれるのが「教養」。
『武器になる教養30min.by 幻冬舎新書』は、“変化を生き抜く武器になる、さらに人生を面白くしてくれる多彩な「教養」を、30分で身につけられる”をコンセプトにしたAmazonオーディブルのオリジナルPodcast番組です。
幻冬舎新書新刊の著者をゲストにお招きし、内容をダイジェストでご紹介するとともに、とっておきの執筆秘話や、著者の勉強法・読書法などについてお話しいただきます。
この連載では『武器になる教養30min.by 幻冬舎新書』の中から気になる部分をピックアップ! ダイジェストにしてお届けします。
番組はこちらから『武器になる教養30min.by 幻冬舎新書』
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