一年3セットの服で生きるスタイリストによる著書『一年3セットの服で生きる「制服化」という最高の方法』が7月6日に発売されました。服選びの苦しみから抜け出して、自分が納得できる服を「制服」のように着ることをすすめる本書。著者のあきやあさみさんは、なぜ一年3セットに行き着いたのか?「はじめに」を抜粋してお届けします。
服選びを「苦しみ」にしないために
私は、毎日着る服を制服化して一年3セットの服だけで生きています。ファッションを仕事にしている【プロのスタイリスト】なのに、いつだって大体同じ服を着ています。いつもお気に入りの服を着て、心から満足して、楽しく心地よく過ごしています。
ファッションスタイリングの方法も少しユニークです。私は「お客さまの外見に似合う服」や「トレンドの服」だけを教えている訳ではありません。お客さまに一対一でインタビューし、「なりたい姿」や「好きな言葉」「過去の経験」などいろいろな側面から「コンセプト」を導き出し、その方にぴったりな「3セットの制服」を一緒に考えるスタイリストなのです。
「コンセプト」を作ると聞くと、一見ファッションと関係ないのでは? と疑問に思う方もいるかもしれません。しかしこの工程が「本当に着たい服を見つける」ためには、とても重要です。その方法は、スタイリストである私が一方的に進めていくものではなく、あくまでもお客さまご自身が主体となって、「私らしさって何だろう?」と真剣に心と向き合い、じっくり自問自答することによって初めて答えが出てくるのです。
「お客さまご自身で答えを出せること」をゴールにしているので、服に迷ったらまた考えて「今の自分にしっくりくるファッション」を選べる力を身につけてほしいと思っています。一度その考え方が身につくと、服選びに迷うことがあっても、苦しい答えの出ない悩みではなく、前向きでわくわくとした選びに変わります。
制服化をするとどんな効果があるの?
「服を3セットに絞り込む」と聞くと、「自由にファッションが楽しめなくなるのでは?」と不安に思ってしまうかもしれません。しかし実際にしっかり自問自答してから制服化したお客さまは、むしろ以前より前向きにファッションを楽しんでいらっしゃいます。
「今までよりも1セットの服に時間とお金をかけられて、100点満点のコーディネートができました」
「制服化といっても『みんな同じ』である必要はないと分かって、自由に服を選べるようになりました」
そんな声が毎日のように私の元に届きます。
制服化をすると「今着ているファッションに自信を持てて堂々と過ごせて」「これから着るファッションも前向きに選べる」という状況が作れるのです。
そしてその工程を深めていくと不思議なことに「ファッション選び」だけではなく、気持ちにも余裕が生まれて「前向きな考え方」に繋がっていきます。
「『なりたい』自分になれる服を着るようになったら自信が持てて、いろんな人と話すのが楽しくなりました!」
「『みんな目指す姿が違う』ということを実感したら、人と比べることが少なくなって、少しずつ自分のことが好きになれました」
そんな風に言っていただく機会も増えてきました。
この本ではただ単に機能的に服を制服化するのではなく、「自分らしい服」を「楽しく制服化」するヒントを書いています。その中からひとつでも「自分に合っているな」というものを見つけ出して自分だけの制服を作り上げていきましょう。
一年3セットの服で生きる
2022年7月6日発売『一年3セットの服で生きる 「制服化」という最高の方法』について