アップル、グーグル、フェイスブックなど世界トップ企業が本社を置き、世界中の「知」が集まる場所、それがシリコンバレー。ハーバード・ビジネス・スクール卒業後、サンリオをはじめ、数々の有名企業の取締役を歴任してきた鳩山玲人さんは、シリコンバレーに拠点を移したことで、自分自身がガラッと変わったと語ります。鳩山さんが経験した、シリコンバレーの意外な文化とは? ご本人にうかがいました。
※本記事は、 Amazonオーディブル『武器になる教養30min. by 幻冬舎新書』より、〈【後編】鳩山玲人と語る「『シリコンバレーで結果を出す人は何を勉強しているのか』から学ぶ イノベーションの作り方」〉の内容を一部抜粋、再構成したものです。
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日本人とアメリカ人、ここが違う
── 海外の人が日本に来ると、みんなスマートフォンばかり見ていてびっくりするという話をよく聞きます。鳩山さんも日本に帰ってくると、同じことを感じますか?
たしかにアメリカ人は、日本人ほどはスマートフォンを見ませんね。でも、アメリカは車移動が中心だから、という理由が一番大きい気がします。日本人がスマホ中毒だからというより、単に習慣の問題かなと。
ただ、アメリカ人は、とにかくよくしゃべりますね。スマートフォンを見ているより、会話をしているほうが多い。
── 小さいころからの教育で、自分の意見を言うことを学んできたからでしょうか。
それはありますね。日本人はスマートフォンでニュースを見て、「こういうことが起きているんだ、ふーん」で終わることが多いと思うんです。でも、アメリカ人は「ふーん」では終わらなくて、そこから自分の意見を考えて、人に話すことのほうに関心がある。
ツイッターでもそうですね。セレブリティから一般の人まで、アメリカではさまざまな意見が出ます。日本では自分の意見を言うよりも、誰々がこんなことを言っていたとか、知っている・知らないとか、ファクトチェックとか、そういったことに関心が向かう。そんな文化の違いがあると思います。
シリコンバレーで柔和になった
──『シリコンバレーで結果を出す人は何を勉強しているのか』には、鳩山さんの勉強法が多数紹介されていますが、この本に書かれていない勉強法があったら教えてください。
勉強法とは少し違うかもしれませんが、僕の前作『桁外れの結果を出す人は、人が見ていないところで何をしているのか』と比較してみてほしいですね。読み比べてもらえば、僕自身が「シリコンバレー前」と「シリコンバレー後」でどう変わったのか、顕著にわかると思います。
「シリコンバレー前」の僕は、わりと何でも「気合いでやっちゃおう」みたいな、ティピカルな日本のサラリーマン青年でした。それが自分のやり方だったし、成功パターンだったので、当時はそれでよかったのでしょう。『桁外れの結果を出す人は、人が見ていないところで何をしているのか』も、きっとみなさんの参考になると思います。
でも、シリコンバレーで成長していく人を見ているうちに、それだけでは足りないなと感じたんです。なので、『シリコンバレーで結果を出す人は何を勉強しているのか』は、大人になった僕の勉強法、経験の積み方が詰まった本になりました。両方を読み比べてもらえれば、僕がどのように変化したのか、成長したのか、参考になる部分を上手に見つけることができると思います。
── 鳩山さん自身の雰囲気も、柔和になったというか、穏やかになったというか。より幸せそうになった感じがするんです。
そうかもしれません。日本の企業にいると競争心が生まれて、隣にいる仲間が敵に見えてしまうときがあります。それがシリコンバレーと日本の大きな違いだと思うんですよ。
シリコンバレーでは、たいていの人は3年ぐらいで転職します。だから有機的なネットワークがとても重要で、前にいた会社の同僚といい関係性を築いておかないと、次の会社で絶対成功できません。
ベンチャーキャピタルでも、投資するしないにかかわらず、相手といい関係性を築いておかないと、うまくいかなくなります。今回はだめでも、次で成功するかもしれないし、あるいはひょっとしたら、次に転職した会社で出会うことになるかもしれない。
まわりの人とどう有機的なネットワークをつくって、どうやって支え合うか。もちろん仕事に厳しく、結果に厳しくあるのも重要ですが、一人で尖ってガリガリやっていても、シリコンバレーの強みや、そこで起きることを活かせないんですよ。そのことに気づいて、有機的なネットワークを幅広く持つことを意識するようになったから、結果として雰囲気が柔らかくなったのかもしれません。
── そのおかげで、鳩山さんの人生も豊かになったということですね。
そうですね。シリコンバレーの文化の中で一番好きなところかもしれません。このように人生を豊かにする極意も、『シリコンバレーで結果を出す人は何を勉強しているのか』にはたくさん詰まっていますから、ぜひ読んでいただきたいですね。
── 最後に、読者にメッセージをいただけますか。
シリコンバレーは、世界でもっともイノベーションが起きている場所です。この本はシリコンバレーを学ぶ本ではなく、自分でイノベーションを起こすにはどうすればいいかを学べる本にしたつもりなので、「ああ、面白かった」で終わらず、明日、今日とは違うものをつくるために、ぜひ役立ててほしいと思います。
Amazonオーディブル『武器になる教養30min. by 幻冬舎新書』はこちら
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武器になる教養30min.by 幻冬舎新書
AIの台頭やDX(デジタルトランスフォーメーション)の進化で、世界は急速な変化を遂げています。新型コロナ・パンデミックによって、そのスピードはさらに加速しました。生き方・働き方を変えることは、多かれ少なかれ不安を伴うもの。その不安を克服し「変化」を楽しむために、大きな力になってくれるのが「教養」。
『武器になる教養30min.by 幻冬舎新書』は、“変化を生き抜く武器になる、さらに人生を面白くしてくれる多彩な「教養」を、30分で身につけられる”をコンセプトにしたAmazonオーディブルのオリジナルPodcast番組です。
幻冬舎新書新刊の著者をゲストにお招きし、内容をダイジェストでご紹介するとともに、とっておきの執筆秘話や、著者の勉強法・読書法などについてお話しいただきます。
この連載では『武器になる教養30min.by 幻冬舎新書』の中から気になる部分をピックアップ! ダイジェストにしてお届けします。
番組はこちらから『武器になる教養30min.by 幻冬舎新書』
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