『居酒屋お夏』シリーズ、最新刊の3巻「つまみ食い」が発売中です。今作は物語が大きく動き、お夏の過去と家族の秘密が明かされます。毒舌で悪を裁いていくお夏のスカっとする活躍をお楽しみください。
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あらすじ
『居酒屋お夏』あらすじ
目黒不動で居酒屋を営むお夏。化粧っ気はなく、毒舌で、くそ婆ァと煙たがられているが、懐かしい味のする料理は人気を呼んでいた。ある日、客の1人だった遊女が殺され、お夏は静かな怒りに駆られる。実は彼女には、妖艶な美女に変貌し、夜の街に情けの花を咲かすもう一つの顔があった――。お夏との出会いによって、孤独を抱えた客たちの人生に訪れる転機を鮮やかに描く4つの物語。
『居酒屋お夏(二) 春呼ぶどんぶり』あらすじ
口は悪いが、料理は旨い女将のお夏。常連客である貧乏浪人の亀井礼三郎・春之助親子の前に、家を捨てたはずの女房・おせいが現れた。春之助を強引に取り戻そうとするおせいの背後に怪しい影を感じたお夏が、料理人の清次と共に突きとめた姦計とは? 客のささやかな幸せを守るため、艶美な姿で悪事を暴くお夏の活躍を描いたシリーズ待望の第2弾。
『居酒屋お夏(三) つまみ食い』あらすじ
居酒屋の名物女将・お夏のもとに、髪結の鶴吉から思わぬ報せが届いた。二十年前、お夏の母を許し難い理由で無礼討ちにした才次が名を変えて船宿の主に収まっているという。
凄まじい殺人剣の遣い手を用心棒に雇い、温和な仮面を被る才次を討つため、お夏は料理人の清次らと共に策を巡らした大勝負に挑む。
各話紹介
『居酒屋お夏』各話紹介
第一話 けちな飯
町で暴れる若いやくざ者・新吉は、お夏の毒舌も厭わず料理を食べに来ていた。しかし、突然、店に現れなくなる。縄張り争いをする親分から殺しを命じられた新吉を待ち受けていたのは……。
第二話 おちゃけ
水墨画を描いて暮らす信二郎は、水茶屋で用心棒をしながら茶立娘のおのぶに手習いを教えている。「のろまでおたふく」と笑顔で謙るおのぶを好ましく感じていたが、彼女に悪い虫がついているという噂を店で耳にしてしまう。
第三話 朝粥
名店にまで育てあげた下駄屋から隠居したあと、男やもめになってしまった六兵衛は、墓参りが日課の味気ない暮らしを続けていた。常連客らが見かねて道楽に付き合わせるも、六兵衛の様子は一向によくなる気配を見せない。
第四話 二人で二合
夜鷹のおすがと大道芸人の瀬兵衛のささやかな楽しみは、一日の終わりに店で酒を共にすること。しかし、夜鷹仲間のおせつが何者かに殺される事件が起きてから、お夏は二人の様子に異変を感じていた。
『居酒屋お夏(二) 春呼ぶどんぶり』各話紹介
第一話 春呼ぶどんぶり
貧乏浪人の亀井礼三郎と春之助親子の前に、家を捨てて行方知れずになっていた女房のおせいが4年ぶりに戻ってくる。強引に息子を取り戻そうとするおせいの背後に見え隠れする怪しい者の正体とは?
第二話 ふてえうどん
中嶋屋を女手一つで建て直したお勝は、何かにつけては嫁のおはんをいびってばかり。働き者で愚痴ひとつこぼさないおはんは、母親に優しい夫を気遣って里に帰ってしまう。嫁に文句を言い続けるお勝には何か特別な理由があるようだった。
第三話 餡餅
店に時折やって来る老女のお沢は、お夏のことを「妹」と呼んだり、顔を見つめては「きれいな人だ」と言ったり少し呆け始めている様子。そんなお沢の身の回りの世話をする髪結の山二郎を見たお夏は、他に目的があるのではないかと疑い始める。
第四話 あら塩
お夏と清次の過去に深い関わりを持つあら塩の佐兵衛が亡くなったという。昔のしがらみに巻き込まれたと考えた二人は、かつてお夏の父・長右衛門のもとで働いていた仲間たちを訪ねることに――。
『居酒屋お夏(三) つまみ食い』各話紹介
第一話 つまみ食い
家族や許嫁と離れ、職人として一人前になるため修行に励んでいた孝太。ある晩を境に、楊枝屋のお浪とのよからぬ仲を噂されてしまう。お夏の店にきては、男たちに媚びて人気を得るお浪の真意はいかに?
第二話 いだてん豆腐
鋳物師・平兵衛は妻と別れ、孝行娘のお照と二人暮らし。品物の出来にこだわりすぎる気難しい性格のせいで貧乏暮らしを強いられているが、別れた妻と娘がこっそり会っていることを知りある決意をする。
第三話 干し飯
梅之助という若い人形師に、理由は分からぬがなにかと世話を焼く隠居の音吉。日頃はひょうきんに振る舞う音吉は、かつてお夏のピンチを救った、ぴん泥の音蔵という大泥棒であった。積年の思いを果たしたい音蔵のために、お夏と清次はある屋敷に忍び込む。
第四話 玉子焼き
髪結いの鶴吉から、お夏のもとに思わぬ報せが届いた。かつてお夏の母親を無礼討ちした才次を見かけたという。凄まじい殺人剣の遣い手を用心棒に雇う隙のない才次に近づくために、清次とともに策を練ることに――。
著者略歴
1961年、大阪市生まれ。立命館大学卒業後、松竹入社。松竹株式会社90周年記念新作歌舞伎脚本懸賞に『浪華騒擾記』が入選。その後フリーとなり、『水戸黄門』『必殺仕事人』などのテレビ時代劇の脚本を手がけ、現在も、数多くの舞台作品において脚本家、演出家として活躍する。2010年『取次屋栄三』で小説家デビュー。他に『剣客太平記シリーズ』がある。
著者から
舞台化情報
主演・名取裕子で舞台化!
2015年4月9日~19日 三越劇場にて
2015年4月9日から三越劇場で上演された、
舞台「居酒屋お夏」。名取裕子さん演じるお夏の
くそ婆ァから美女への変身に客席ではどよめきが起こるほど。
フォトギャラリー