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51歳緊急入院の乱

2022.08.16 公開 ポスト

第14回

小さな病室の中で実感する「世間」も煩わしい花房観音

さて、一般病棟の大部屋に移り、他人がいるという新たなストレスが加わったものの、だいぶ身体が動かせるようになり、肩こりもなくなり、楽になった。

看護師さんと主治医が、さまざまな書類を持ってきてくれて、説明を受けたり読んだりサインしたりする。本来、入院申込書は入院前に記入するものだが、救急車に運ばれての緊急入院だったので、あとになった。
会計の係から、入院費の説明があった。そこそこ高額になるから、医療費を少しでも免除するために、加入している保険のほうから必要な書類を取り寄せてくれ、と話をされた。
私は日本文芸家協会を通じて文芸美術国民保険組合というのに加入していた。数年前からこちらに保険料を払っている。
文芸美術国民保険組合のHPを見たら、メールでやり取りできるようだったので、「国民健康保険限度額適用認定書」申請の書類を自宅に郵送してくれるように連絡する。病院の会計の方によると、支払いは退院時にしなくても、今月中でいいとのことだったので、退院してから申請書を送ることにした。
今、印鑑持ってないし。
3食ごはんが出てくる生活は優雅だが、頼むから少しでも入院費は安くなって欲しい。

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花房観音『ヘイケイ日記』

40代。溢れ出る汗、乱れる呼吸、得体のしれない苛立ち……。心身の異変を飼い慣らしながら、それでも女を生きていく。いくつになろうが女たるもの、問題色々煩悩色々。綺麗な50代をなぜ目指さないといけないのか、死ぬまでにあと何回「する」のか、グレイヘアを受け入れられるか。更年期真っ盛りの著者が怒りと笑いに満ちた日々を綴る「女の本音」エッセイ。

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51歳緊急入院の乱

更年期真っ只中。体調不良も更年期のせいだと思っていたら……まさかの緊急入院。「まだ死ねない」と確信した入院日記。

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花房観音

2010年「花祀り」にて第一回団鬼六賞大賞を受賞しデビュー。京都を舞台にした圧倒的な官能世界が話題に。京都市在住。京都に暮らす女たちの生と性を描いた小説『女の庭』が話題に。その他著書に『偽りの森』『楽園』『情人』『色仏』『うかれ女島』など多数。

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