どこか気になる長い指～BRIAN ENO AMBIENT KYOTO鈴木涼美

積極的に人に迷惑をかけたくはないし、できれば嫌われたくないと思って生きているのだけど、それでも自分の欲望が良識を超えるという事態は時に避けられない。昨夕、締切超えの原稿2本を前に、とりあえず部屋を片付けて食事を用意していたら、久しぶりに連絡をくれる友人が、ロン・カーターのブルーノート公演の席を押さえているのだけど、よかったらご一緒しませんかと誘ってくれた。友人はメディアに勤める知的で感じの良い青年で、聞けばパートナーの女性がチケット予約をしてくれたのだが、直前にそれが6人掛けボックス席であることに気づいたらしい。ど真ん中の大きなボックス席に2人ではもったいない。というわけで幸運な何人かの友人たちは、齢85歳のベーシストが自身のトリオで演奏する姿を、最高の席で見ることができた。ラッキー。